株式投資で長期的に利益を得るには、現在の株価に対して適正であるかを判断する必要があります。今回は、株式投資を行うにあたり重要な投資尺度である株価収益率(PER)について解説します。
株価収益率(PER)は一株あたりの利益に対して何倍まで買われているかを示したもの
株価収益率(PER)は、現在の株価に対して、1株あたりの利益の何倍まで購入されているのかを知る指標です。
PERは倍率で表しますが、一般的に具体的に何倍であるから適正であるかと言った基準が割るわけではなく、東京証券取引所に上場している全体の倍率や同業種、過去の数値などと比較して割安か割高かを判断します。
PERは、現在の株価に対して、1株あたりの当期純利益(EPS)を割って算出します。
株価収益率(PER)=現在の株価÷1株あたりの当期純利益(EPS)
株価収益率(PER)は、日経会社情報や四季報、SBI証券や楽天証券
、マネックス証券などネット証券でも最新の値が記載されています。
株価収益率(PER)は15倍から20倍程度が適正

株価収益率(PER)は、投資対象の国や地域、業種によってその値は異なり、前述している通り、何倍であるから良いといった明確な基準があるわけではありませんが、概ね15倍から20倍程度であれば適正であると判断されます。
2020年6月時点における日経平均株価に指定されている銘柄における平均的な株価収益率(PER)は、19倍となっています。
例えば、現在の株価が7,300円で1株あたりの純利益822を割って算出すると、株価収益率(PER)は8.9倍となり、日経平均株価全体の株価収益率(PER)を考慮すると、割安であると判断できます。
株価収益率(PER)だけではなく収益率や過去の業績など総合的に判断すること

株価収益率(PER)の倍率が低ければ、その株は買いであるかと問われると必ずしもそうとは言えません。
割安な水準であることは判断できますが、その他にも、株価純資産倍率(PBR)や、これまでの業績なども合わせて加味する必要があります。
また、投資する上で重要となるのは、対象の企業が投資家から預かったお金を使ってどれだけ収益をあげているかを示す自己資本利益率(ROE)も重要となります。
その他、企業が保有している返済が不要な資金である自己資本比率、過去の企業の業績や財務状況なども合わせて確認することが重要です。
単純にPERやPBRが低い理由としてよくありがちなのが、企業が投資家から預かった資金を有効活用できず収益率が悪い、内部保留が多すぎるなど、コーポレート・ガバナンスに問題があることも十分に考えられることもあります。
PERとPBRの指標も参考にしつつも、収益率や業績など企業がしっかりと収益を投資家に還元してくれる企業であるかをさらに追求する必要があります。