自己資本利益率(ROE)とは何か?投資する前に確認したい経営指標を解説

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株式投資を行うに当たり、しっかりと稼ぎを得ている企業に投資することが重要ですが、それを判断できる指数として「自己資本利益率(ROE)」があります。今回は、企業がどれだけ稼いでいるかを示す自己資本利益率(ROE)の仕組みと日本企業における収益力の現状について解説します。

自己資本利益率(ROE)とは?

自己資本利益率(ROE)とは、株主から預かった資金を活用してどれだけ収益をあげているかを示す指標で、企業がどれだけ稼いでいるかを判断することができます。

自己資本利益率(ROE)は、パーセント(%)で表し、企業の純利益に対して、自己資本を割り、その数に100をかけ合わせて求めます。

自己資本利益率(ROE)=当期純利益÷自己資本✕100

ROEに関しては、日経会社情報などを調べると、調査時点でのROEが記載されていますので各自で計算の必要はありません。

2018年2月21日の記事では、現在の株価が割安か割高かを判断する指標として「株価収益率(PER)」と「株価純資産倍率(PBR)」について解説しましたが、PERは上場企業全体や同業他社と比較して割安であることと、PBRは1倍以下が目安であれば、割安と判断できることをお伝えしました。

株式投資で長期的に利益を得るには、現在の株価に対して適正であるかを判断する必要があります。今回は、株式投資を行うにあたり重要な投資尺度である株価...

PERやPBRが低く割安だから株を買うというのは早業で、多くの企業が稼ぐ力が弱いことが割安に放置されていることが一般的です。ただし、中には、収益力があっても知名度などの関係で割安となっている銘柄も中にはあります。ROEの指数を活用することで、割安に放置されており収益力がある企業を発掘するのが投資家の仕事であると言えます。

個別企業のROEについては、日経会社情報や四季報で確認できる他、SBI証券楽天証券マネックス証券といったネット証券でも最新のROEを確認することができます。



日本企業のROEは2018年2月時点で8%前後

企業がどれだけ稼いでいるかを判断できる自己資本利益率(ROE)ですが、残念ながら日本の企業において、稼ぐ力はまだまだ低いのが現状です。

2018年2月12日付けの日本経済新聞の記事によると、2018年2月時点で日本企業における自己資本利益率は8.9%であるとしており、米国の13.2%と欧州の10%を比較すると、低水準であることがわかります。

ただし、日本企業は過去から自己資本利益率(ROE)が低かったわけではありません。2018年2月18日付けの日経ヴェリタスの記事によると「日本企業は1980年代初めに15%を記録した。」としており、バブルが崩壊する1989年前までは、借入を増やす債務レバレッジを活用することで、積極的な投資を行っていたことで自己資本利益率(ROE)を高めていました。しかしながら、バブル崩壊後は過剰投資が重荷になったことや、2008年にリーマン・ショックなどの大不況が訪れたことが、日本企業の稼ぐ力を低下させた言えます。



日本企業はお金を貯め込む「内部留保」が多い

日本銀行資金循環統計のデータを基に筆者作成

日本企業が、自己資本利益率(ROE)を低めている要因として、稼いだ利益を貯め込む「内部留保(ないぶりゅうほ)」が多いことにあります。

先程もお伝えしましたが、日本企業はバブル崩壊後、過剰投資が重荷になり借金が増えたことに加え、リーマン・ショックなどの大不況が追い打ちを欠けたことにより、過剰にお金を貯め込む体質に陥っています。これは、企業だけではなく、個人も同様で、これまで長引いた不況により収入が減ったことで、消費を控え貯蓄に充当するようになったのもこの様な背景があると考えられます。

ある程度は内部留保を確保しておくことで、急に資金が必要になった場合に対応できるようしておく必要はありますが、あまりにも資金を貯め込みすぎると、新規投資や株主への還元に資金が回らないことで資金循環が滞り経済活性化の弊害となります。



内部留保は最小限にし資金循環を活性化させることが重要

日本企業は、長きに渡る不況により資金を貯め込む体質が強く残っていますが、長きトンネルの中をさまよっていた日本経済を活性化させて、明るい社会にしていくためには、内部留保は最小限にして、稼いだ収益は、新規投資への活用や投資家への還元にまわし、資金循環をさせることが重要であると言えます。

稼いだ収益を、新規投資に活用することで、新たな技術や製品、サービス開発を行い、よりよいサービスや商品を提供することで更なる収益力の向上に加え、新たな雇用も生み出すことも考えられます。また、従業員の給与を上げることで、消費の活性化にもつながります。

投資家へ利益を還元することで、その利益で新たな投資が可能になり、市場に流れる資金の多くが循環することで、国としても多くの税収を確保でき、国の発展にも寄与するといえます。

日本でも資金循環を後押しするために、内部留保額に課税する議論が行われていますが、既に、台湾では内部留保に「留保金課税」として10%の課税がされています。いずれにしても、ROEを高めていくためには稼ぐ力がある企業に投資することが重要であり、投資家も声をあげて、収益力の向上を求めていく必要がありそうです。

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