日経平均株価など株価指数に連動した投資が可能になる投資商品として「上場投資信託(ETF)」があります。今回は市場全体に分散した投資を検討されている方に、上場投資信託(ETF)の概要と特徴を解説します。
上場投資信託(ETF)とは?
上場投資信託(ETF)は、Exchange Traded Fundsの略で、日本語で言うと「上場投資信託」と呼びます。
2018年1月2日付けの記事で「投資信託」について説明しましたが、通常の投資信託は運用会社が独自に運用を行い、指定した金融機関のみで取り扱いが行われています。一方で、上場投資信託は、「上場」と名がついていることから、証券取引所に上場している投資信託になります。
日経平均株価など指数に連動する
上場投資信託(ETF)の特徴としては、「日経平均株価」などの指数に連動した値動きを行うことです。一般的な投資信託でもインデックスファンドと呼ばれる「指数」に連動する投資信託がありますが、このインデックスファンドが証券取引所で売買されているイメージです。
日経平均株価の概要については、以下記事で紹介しておりますので合わせてご覧ください。
上場投資信託(ETF)は、株式の他、債券、不動産(REIT)、コモディティ(商品)といった資産に対して多くの指数が設定されており、あらゆる資産に投資することができます。また、投資先も日本だけではなく、海外市場で設定された指数に連動する上場投資信託(ETF)も国内の証券取引所にも上場しており、世界中に幅広く投資することができます。
そのため、普段ニュースなどで耳にする日経平均株価などの指数をウォッチするだけで容易に情報収集ができる他、1回の投資で幅広く分散した投資が可能になります。
市場価格で売買できる
上場投資信託(ETF)は、証券取引所に上場しているため市場価格で売買できる特徴があります。
一般的な投資信託は基準価格で1日1回算出されますが、日本の証券取引所に上場している上場投資信託(ETF)であれば、午前9時から午前11時30分、午後12時30分から午後3時までの間であれば、5秒毎に株価が更新され、ほぼリアルタイムで取引ができます。
上場投資信託(ETF)は、証券取引所で売買されている投資商品ですので、銀行では購入できず必ず、証券会社に口座を開設して購入する必要があります。
ETFの取引はSBI証券や楽天証券、マネックス証券などのネット証券を活用することで、売買手数料を低く抑え低コストに取引が可能です。
低コストで運用ができる
上場投資信託(ETF)は、運用時のコストを低く抑えた運用ができるもの特徴です。
上場投資信託(ETF)は、指数に連動することから一般的な投資信託と比べて、銘柄選定などにおける調査などの手間やコストが掛からず、運用時のコストを抑えることができます。
投資信託は、運用代行料に該当する「信託報酬」が発生しますが、日本取引所のデータによると、一般的な投資信託の信託報酬は「0.100%~1.650%」なのに対し、上場投資信託(ETF)の信託報酬は「0.060%~0.950%」としています。
その他、ご利用の証券会社が定めた売買手数料が購入時と売却時に発生します。ただ、近年ではSBI証券などネット証券であれば、少額投資非課税制度(NISA)口座を開設することで売買手数料が無料で取引できるようになっています。