2022年7月より外国株における信用取引が解禁されました。それに合わせてSBI証券、楽天証券、マネックス証券のネット証券3社では米国株の信用取引サービスを提供開始しました。今回はネット証券3社の信用取引のサービス内容と手数料を比較してみました。
2022年7月より外国株の信用取引が解禁へ
株式投資では、現物株の取引に加え、証券会社から資金もしくは株式を借りて売買を行う信用取引が利用できます。これまで信用取引の対象は日本国内に上場している企業の株式(国内株)に限定されており、米国株などの外国株の信用取引は利用できませんでした。
今回、金融庁より2022年7月より外国株の信用取引の利用が解禁となりました。一方で国内株と外国株では取り扱いがやや異なっており、現状の国内株においては保証金率は時価総額の30%にあるのに対し、外国株の場合は時価総額の50%とされています。従い、国内株では手持ちの資金に対して3倍まで取引できるのに対し、外国株では2倍までの取引となる点については予め留意しておく必要があります。
外国株の信用取引が解禁されたことで、SBI証券と楽天証券、マネックス証券の3社が米国株の信用取引サービスを提供開始を明らかにしています。それに合わせて、ネット証券3社では米国株の信用取引の口座開設を受け付けています。(サービス開始時期は各社共に未定となっています)
ネット証券3社の米国株信用取引の取引手数料及び金利
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
取引手数料 | 0.33% | 3.33米ドル以下:0米ドル 3.33米ドル超5,000米ドル以下:0.33% |
未定 |
上限手数料 | 16.5米ドル | 16.5米ドル | 未定 |
買方金利 | 年率4.50% | 基準金利+年率3.5% | 未定 |
売方金利 | 未定 | 年率0.00% | 未定 |
貸株料 | 未定 | 年率2.0% | 未定 |
ネット証券3社の米国株信用取引の取引手数料及び金利、貸株料を比較してみました。SBI証券については売り注文からの取引は当初はサービス提供無しとなっています。また、マネックス証券においては手数料や金利などについては現在未定としており正式な案内があり次第更新いたします。
取引手数料については、SBI証券については約定代金に応じて0.33%(税込)に設定されています。一方で楽天証券では約定代金が3.33米ドル以下であれば取引手数料は0米ドル、3.33米ドル超5,000米ドル以下については約定代金に対して0.33%の手数料が発生します。一方で、2社共に上限手数料は16.5米ドルに設定されており、約定代金が5,000米ドル以上になった場合は上限手数料で利用できます。
金利については、買方金利についてはSBI証券が年率4.50%、楽天証券が基準金利に追加で年率3.5%に設定されています。売方金利は楽天証券は0%に設定しています。
空売りする際に必要となる、貸株料については楽天証券では年率2.0%に設定されています。
ネット証券3社の米国株信用取引の最低保証金
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
最低保証金率 | 51% | 50% | 未定 |
最低保証金 | 30万円相当以上の額として当社が定める米ドル額 | 30万円相当以上の額として当社が定める米ドル額 | 未定 |
最低保証金維持率 | 30% | 30% | 未定 |
追加証拠金差し入れ | 米ドル(円振替及び証券口座預かり金額、住信SBIネット銀行から米ドル入金) 建玉の全部または一部の反対売買による決済 |
30% | 未定 |
強制決済(ロストカット) | 30% | 10% | 未定 |
米国株信用取引の最低保証金については、2社共に30万円相当以上の額として、各社が定める米ドルの額としてます。つまり日本円では30万円相当以上の額が最低ラインということになります。
また、最低保証金率については、こちらは金融庁から予め定められており時価総額に対して50%に定められていることから、各社ともにほぼ同等に設定されています。
最低保証金維持率は30%に設定されており、万が一保証金率が30%を下回った場合、米ドルを差し入れまたは反対売買による決済を行うことで保料金率が30%を上回るよう入金が必要になります。米国株の差し入れは楽天証券のみとなります。
外国株の投資におすすめできる証券会社
サクソバンク証券
サクソバンク証券はデンマークを拠点に展開している投資銀行「サクソバンク」傘下の証券会社で、米国株が約6,000銘柄、欧州株が約2,400銘柄、中国本土と香港株合わせて約2,400銘柄と、ネット証券の中で米国株の取り扱いが豊富でかつ、国内の証券会社では取り扱いが少ない欧州株の取り扱いがあるのも特徴です。
売買手数料も米国株であれば約定代金の0.20%(税込)で最低手数料が5米ドル、上限が15米ドルと米国株を中心に取引を行う方であれば、大きくコストを抑えることが可能です。欧州株の売買手数料は約定代金の0.50%(税込)とこちらも低コストで売買可能となっています。
マネックス証券
マネックス証券は、米国株約3000銘柄を扱っています。売買手数料は米国株が0.495%(税込)、中国株が0.275%(税込)で取引可能です。例えば、成長が著しいAppleやMicrosoftなども1株から購入可能で手数料も最低0ドルから最大20ドルと気軽に米国市場へ投資が可能です。
少額投資非課税制度(NISA)でも米国株の購入が可能で、NISA口座であれば買付手数料が無料となります!
SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/
ネット証券のSBI証券でも米国株を取り扱っています。取扱銘柄数は6000銘柄以上で、こちらも手数料は米国株であれば約定代金に対して0.495%(税込)、中国株は0.275%(税込)で取引可能です。また、上場とし信託(ETF)をNISA口座を利用すれば買付手数料が無料となります。
SBIグループの住信SBIネット銀行の口座を持っていれば、日本円から米ドルに為替手数料が片道たったの4銭で利用できる他、外貨入出金サービスを利用することで同行の外貨預金口座から即時外貨を証券口座に無料で振替できます!
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/
楽天証券では約5600銘柄以上の米国株を取り扱っています。同社でも手数料は手数料は米国株であれば約定代金に対して0.495%(税込)、中国株は0.275%(税込)で取引可能です。また、こちらもNISA口座での米国株の購入も可能で、上場投資信託(ETF)の場合、買付手数料が後日キャッシュバックされますので実質手数料は無料となります。