運用中の株式を他の証券会社に移管したいと考えた場合、証券会社が提供している移管入出庫サービスを利用することになります。国内株式であれば移管入出庫サービスを手数料を支払うことで移管が可能ですが、外国株の場合においても利用できるか気になります。今回は外国株におけるネット証券各社の移管入出庫サービスの対応状況を調べてみました。
移管入出庫サービスの概要
移管入出庫サービスは、運用中の株式を他の証券会社の証券口座に移管できるサービスです。手数料が安価な証券会社やサービスが手厚い証券会社に乗り換えたいといった場合、保有している既存の株式について、売却することなくそのまま移管ができます。
国内株式であれば証券保管振替機構を通じて移管が可能となっており、出庫する移管元となる証券会社に口座振替依頼書もしくは特定口座内上場株式等移管依頼書を提出の上、手続きが必要です。
移管入出庫サービスについての詳細は以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
一部の外国株でも移管入出庫サービスの利用は可能
国内株では一般的である移管入出庫サービスですが、一部の外国株でも移管入出庫サービスの利用が可能です。
外国株においては米国株や中国株において移管入出庫サービスに対応している証券会社がほとんどです。一方で、日本から取引可能な外国株は外国株の証券取引所で直接取引しておらず、株式保有機関を通じて売買が行こなわれています。そのため、証券会社によって取り扱い銘柄が異なっているため、すべての銘柄で移管入出庫サービスが利用できるとは限りませんので注意が必要です。
外国株で移管可能な銘柄は、出庫する証券会社と入庫する証券会社が移管する対象の銘柄を取り扱っている場合のみ可能です。
しかしながら、証券会社によっては移管入出庫サービスを提供していない場合や、入庫のみ対応で、出庫の対応をしていない場合もありますので、下記に記載している証券会社の対応状況をご確認ください。
ネット証券各社の外国株移管入出庫サービスの対応状況
サクソバンク証券 | SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | |
対象株式 | 米国株・中国株 | 米国株・中国株 | 米国株・中国株 | 米国株・中国株 |
入庫 | 対応(無料) | 対応(無料) | 対応(無料) | 対応(無料) |
出庫 | 非対応 | 対応(無料) | 対応(3300円) | 対応(無料) |
ネット証券各社の外国株移管入出庫サービスの対応状況をまとめました。
SBI証券
SBI証券では、米国株と中国株の一部銘柄について移管入出庫サービスを利用することができます。入庫時の手数料は無料で利用できます。同社は米国株を約5,000銘柄以上取り扱っており、国内の証券会社で扱っている米国株であれば、多くの銘柄を移管できます。逆に、米国株と中国株について他の証券会社に手数料無料で出庫も可能です。
更に、他社からSBI証券に外国株を入庫した場合、移管元の証券会社で発生した出庫手数料をキャッシュバックが可能で、無料で移管ができます。
楽天証券
楽天証券でも、米国株と中国株の一部銘柄において移管入出庫サービスを利用することができます。合わせて、出庫サービスにも対応しており、入庫および出庫ともに手数料無料で利用できます。
マネックス証券
マネックス証券では、米国株と中国株の一部銘柄において移管入庫サービスを手数料無料で利用することができます。一方で、出庫サービスについては米国株と中国株の一部銘柄を1銘柄あたり3,300円(税込)の手数料が必要ですが、他社に移管することが可能です。
サクソバンク証券
欧州投資銀行サクソバンク傘下のサクソバンク証券では、米国株と中国株の入庫のみが手数料無料で利用できます。一方で、出庫については現在対応していませんので注意が必要です。
外国株の移管入出庫サービスを利用する際の注意点
外国株の移管入出庫サービスを利用する場合は以下の点に注意が必要です。
1.移管先で扱っていない銘柄の移管はできない
外国株は、証券会社によって取扱銘柄が異なります。そのため、移管先で取り扱っていない銘柄については、移管することができませんので注意が必要です。
2.外国の証券会社からの移管はできない
外国株の移管入出庫サービスは、国内のみの証券会社からの移管に対応しています。外国の証券会社からの株式の移管はできません。
3.外国口座の開設が必要
外国株の移管をする場合、移管先の証券会社で予め外国口座の開設が必要です。
4.同一の口座種別で移管が可能
株式の移管を行う場合は、同一の口座種別同士での移管が可能です。異なる口座種別での移管はできませんので注意が必要です。例えば、特定口座から特定口座への移管はできますが、一般口座から特定口座への移管はできません。