保有している現物株を証券会社に貸し出す、貸株サービスを利用することで、値上がりを待つ間に別途金利収入を得ることができ、さらなる収益拡大にも期待できます。一方で、利用する上では長所と短所も事前に把握しておくことが重要です。
貸株サービスで保有中の現物株を証券会社に貸し出せる
貸株サービスは、保有している現物株を証券会社に貸し出すことができるサービスです。
現物株は値上がり益が十分に確保できるまで、持ち続ける場合が多いですが、持ち続ける場合において配当金による収入のみとなります。ここで、保有している現物株を貸すことで、賃借料に該当する金利を得ることができます。そのため、保有している現物株をより有効に活用することが可能です。
貸株サービスの詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
貸株サービスを利用する3つの長所
貸株サービスを利用する長所としては以下3つあります。
1.金利収入を得ることができる
貸株サービスを利用する長所としてはじめに挙げられるのが、貸し出している間に金利収入を得ることができることです。貸し出すことで、賃借料として年率1%程度の金利を得ることができます。新興企業などであれば年率10%を超える銘柄もあります。
2.塩漬け株も有効活用できる
現物株を保有する上でよく有り得ることとして、投資したが値下がりして評価損がでて塩漬けになっていることです。売却しても踏ん切りがつかない場合などにおいても、貸株サービスを利用することで僅かながらの収入を得ることができます。
3.リスクが殆ど無い
貸株サービスは、サービスを利用する上では殆どリスクが無く利用することができます。金利については然程大きく変動することは有りませんので、予め指定された金利を継続的に受け取ることができます。
貸株サービスを利用する3つの短所
貸株サービスを利用する短所としては以下3つあります。
1.配当金や株主優待が受け取れない
貸株サービスを利用する上ではじめに挙げられる短所としては配当金や株主優待が受けられないことです。株式を貸し出すことで名義が変更となりますのでその権利がなくなるためです。
一方で、証券会社によって異なりますが独自で配当権利日や株主優待権利日に自動で返却できるサービスや、配当金や株主優待相当額を金利に上乗せして支払うサービスも提供している場合もあります。ただし、配当金や株主優待相当額で受け取った金利は配当所得とならず雑所得となりますので申告時には注意が必要です。
2.証券会社が倒産した際に投資者保護基金の保護対象外となる
貸株サービスを利用する上で、見落としがちなことですが、利用している証券会社が倒産した場合は貸株サービスについては投資者保護基金による保護の対象外となってしまうことです。
貸株サービスを提供している証券会社は以下に紹介していますが、上場企業で日々の財務状況が確認できるため現時点では心配はありませんが、サービスを利用する前には必ずこのことを理解した上で利用することが望ましいといえます。
3.NISA口座では貸株サービスは利用できない
貸株サービスは、少額投資非課税制度(NISA)口座では利用することができません。そのため、万が一塩漬けなどになった場合に貸株サービスを利用したいと思った場合は一般口座もしくは特定口座を選ぶことをおすすめします。
もちろん、NISA口座でも一般口座もしくは特定口座に移行は可能ですが、値下がりした銘柄を移行する場合は、値下がりした時点の評価額が買付額となってしまい税金の面で不利となってしまいますので注意が必要です。
貸株サービスを提供している証券会社
貸株サービスは、SBI証券の他、楽天証券、マネックス証券、松井証券で提供しています。
SBI証券
SBI証券では、同社の証券口座で保有している現物株を貸し出すことができます。加えて、外国株で米国の現物株を保有していれば、米国株を貸し出すことも可能です。SBI証券では最高金利の上限無しで利用可能です。また、株式優待を得たい場合は、優待権利日になると自動的に株式返却が可能となります。
楽天証券
楽天証券では、貸株サービスとして高金利な銘柄が多いのが特徴で年率1%以上の銘柄が460銘柄以上取り揃えています。また、株主優待の他、配当金受取時に一時的に返却することも可能です。また、金利優先の場合は貸株を自動で継続することで権利日には通常の5倍の金利を受け取ることができます。
マネックス証券
マネックス証券では、ボーナス金利銘柄を多く取り揃えており、年率5%超の銘柄も多くあります。また、株主優待や配当金の受取時に自動的に一時返却することも可能で、金利だけではなく配当や優待も確実に受け取れます。また、マネックス証券では貸出中でも株式の売却が可能です。
松井証券
松井証券の貸株サービスは、最低金利が年率0.2%と他社より高めの金利設定となっているのが特徴です。一方で、対象銘柄がやや絞られていますが、確実に高い金利を得たいと考えている方におすすめです。株主優待や配当金の受取時に自動的に一時返却することも可能な他、株主優待や配当金を両方受け取れる権利獲得優先設定が可能です。