株式投資を行う上で、意識しておきたいこととしては今投資しようとしている銘柄の株は市場で流動性が高いか否かです。流動性の良し悪しについては「浮動株割合」を確認することで知ることができます。今回は浮動株の概要と投資する上で確認しておきたいこと、注意すべきことを合わせて解説します。
浮動株とは市場に流通している株式のこと

株式投資を行う場合、多くの場合は市場を通じて株式を売買を行いますが、市場に流通している株式のことを「浮動株(ふどうかぶ)」と呼びます。
一方で、創業者や経営者が保有しており市場に流通しない株式を「特定株(固定株)」と呼びます。また、日本特有の企業同士で株式を持ち合う「株式持ち合い」で保有している株式についても「特定株(固定株)」となります。
ただし、一般の投資家が市場を通じて株式を保有し、長期投資として長く保有している場合については特定株(固定株)にはならず、いつでも市場を通じて売買が可能になりますので浮動株となります。
投資する前に必ず浮動株割合を確認すること

浮動株は市場で流通している株式に該当しますが、市場で流通している株式の割合(浮動株割合)が高い状態であれば流動性が高い株式であると言えます。
そのため、株式を売買したいときにすぐに買いてもしくは売りてが見つかりやすく、取引が迅速に行われやすいです。一方で、取引が頻繁に行われるため、需要と供給に応じて株価が常に変動します。
逆に、浮動株割合が低い場合は、市場で流通している株式の割合が低いことになりますので、流動性が低く、売買したいときに買いたい値段で変えない、売りた値段で売れない場合があります。
また、流動性が低いことで株価変動が鈍い傾向にあります。ただし、何かしらの影響で対象銘柄に注目すべき事象が生じた場合株価が大きく変動しやすくなりリスクが高い投資になります。
そのため、投資する前は浮動株割合を確認し発行済株式数の内、どれぐらいが市場に流通しているのかを「会社四季報」などを活用して確認することが重要です。
浮動株割合が低い銘柄に投資する上で注意すべきこと

浮動株割合が低い銘柄に投資する上で注意すべきこととしては、株式の変動が少ないことや、万が一の際に株価が急に乱高下しやすくなること、企業統治上の懸念があることを意識しておく必要があります。
浮動株割合が低い場合、市場に多くの株式が流動していないため、取引できる数量が制限されるため日々の株価の変動が鈍く、投資していても株価があまり上昇しないといったことも多いです。また、何かしらの報道で対象銘柄に注目されると流動性が少ない状況で買いもしくは売りが急に殺到すると、株価が急に乱高下しやすくなり、思わぬ損失を被ることもあります。
また、浮動株割合が引くことは創業者や経営者、持ち合いなどの割合が高いことになりますので、企業統治上の懸念もあります。浮動株割合が高ければ多くの株主に保有されることで様々な意見を吸収しやすくなりますが、創業者や経営者、持ち合いが高ければ、多くの株主の意見を吸収しづらくなり、誤った経営判断をしてしまうリスクもあります。
逆に、浮動株割合が低くい場合は、経営の迅速な判断が可能になりますので、経営の腕前が良い経営者であれば、その分利益も大きくなる可能性もあります。そのため、浮動株割合が低い銘柄に投資する場合はハイリスク・ハイリターンの投資になることを意識しておく必要があります。