私設取引システム(PTS)とは何か?その概要と現状、利用可能な証券会社を紹介

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株式を売買する際、証券取引所を通じて売買することが一般的となっていますが、近年では私設取引システム(PTS)の普及に向けた議論が進んでいます。今回は私設取引システム(PTS)の概要と日本国内の利活用の現状、利用可能な証券会社を紹介します。

私設取引システム(PTS)とは証券取引所を介さない電子取引システム

私設取引システム(PTS)とは、株式の売買を行う際に証券取引所を通じて売買するのではなく、証券取引所を介さなくても売買が可能となる電子取引システムのことです。

英語では、Proprietary Trading Systemと呼び、略してPTSと呼ぶことも多いです。

通常、株式の売買を行う場合は日本であれば、東京証券取引所を中心に、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所といった証券取引所を通じて売買を行うことが一般的です。

私設取引システムは、証券取引所を経由しないで株式の売買が可能となり、投資家はより有利な価格で売買が可能になるほか、証券取引所の代替的な取引システムの役割を担うことが可能となります。



私設取引システム(PTS)利用で投資家はより有利な価格で売買可能

私設取引システム(PTS)を利用することで、投資家はより有利な価格で売買することが可能となります。証券取引所のみであれば、証券取引所に限定した価格提示が行われますが、私設取引システムを活用することで、証券取引所が提示している価格に加え、私設取引システムが提示する価格も売買の選択肢として入ります。

株を買うときはより低い価格で、逆に売るときはより高い価格で売る必要がありますが、SOR(Smart Order Routing)注文を活用することで、複数の証券取引所や私設取引システムの価格から自動的に有利な価格で売買が可能となります。

ネット証券のSBI証券楽天証券松井証券松井証券では、証券取引所だけではなく私設取引システム(PTS)での注文も可能となっており、SOR注文にも対応しています。



私設取引システム(PTS)利用で証券取引所の代替的な取引インフラとしても活用可能

私設取引システム(PTS)の活用が進むことで、証券取引所の代替的な取引インフラとしても活用できることもあります。

2020年に東京証券取引所においてシステム障害が発生し、1日休場となったことがありますが、何かしらのシステム障害など証券取引所に何かしらの問題が発生して取引できなくなった場合において、私設取引システム(PTS)を活用することで、通常通り株式の売買が可能となります。

また、東京証券取引所は取引時間が限定されていますが、私設取引システム(PTS)では通常の証券取引所の営業が終了後の夜間でも取引が可能となっています。

株式の売買が証券取引所に加え、私設取引システム(PTS)でも可能であれば、両社同士の競争も期待できます。



日本の私設取引システム(PTS)の活用は1割未満

日本国内でも前述したとおり、SBI証券楽天証券松井証券松井証券といったネット証券を中心に私設取引システム(PTS)への接続が可能となっていますが、2021年時点において、私設取引システム(PTS)の活用は1割未満となっており、株式売買の大半を東京証券取引所が占めています。

一方で、国外に目を向けると、米国における私設取引システムの活用は4割程度、欧州は5割程度となっており、日本でも今後も活用の余地は高いことがわかります。

私設取引システム(PTS)の導入きっかけとなったのでは、1998年12月の証券取引法改正されたことにあります。この改正により、取引所の集中義務が撤廃されたことで上場銘柄の取引所外取引が可能となりました。

日本国内で私設取引システム(PTS)を展開しているのは、SBI傘下のジャパンネクスト証券と、チャイエックス・ジャパンの2社となります。

私設取引システム(PTS)が利用可能な証券会社

日本国内で私設取引システム(PTS)を利用して株式の売買が可能な証券会社は少ないのが現状ですが、2021年時点において、SBI証券楽天証券マネックス証券松井証券のネット証券の4社が利用可能となっています。

SBI証券

https://www.sbisec.co.jp/

SBI証券は国内で利用者数が最も多いネット証券です。私設取引システム(PTS)を利用すると、現物取引は8:20〜16:00、16:30~23:59まで取引が可能です。

私設取引システム(PTS)を利用する場合でも、株の売買手数料は約定代金が5万円までであれば55円(税込)から取引できます!

また、少額投資非課税制度(NISA)口座を開設すれば、の売買手数料は無料で低コストで株式投資が可能です。

SBI証券公式サイト

投資を始める上で証券会社への口座開設が必要です。今回は、証券会社の口座開設をご検討されている方に、インターネット証券大手のSBI証券の概要と特徴...

楽天証券

https://www.rakuten-sec.co.jp/

楽天証券は、楽天グループのネット証券でSBI証券に次いで人気が高い証券会社です。私設取引システム(PTS)を利用すると、現物取引は8:20〜16:00、17:00~23:59まで取引が可能です。株の売買手数料も約定代金が5万円までであれば55円(税込)から取引できます!

楽天証券も同様にNISA口座を活用することでの売買手数料は無料で利用できます!

楽天証券公式サイト

投資を始める上で証券会社への口座開設が必要です。今回は、証券会社の口座開設をご検討されている方に、楽天グループの楽天証券の概要と特徴を解説します...

マネックス証券

マネックス証券はマネックスグループのネット証券です。私設取引システム(PTS)の利用においても東証の取引時間と同様の9:00~11:30、12:30~15:00で取引が可能です。夜間の取引はできませんので注意が必要です。

主要ネット証券最安水準の手数料!
2022年3月22日(火)約定分より、日本株の取引毎手数料コースにおける、現物手数料を変更しました。それにより、主要ネット証券最安水準の手数料となっています。

※2022年3月24日現在、マネックス証券調べ。
主要ネット証券(auカブコム証券、SBI証券、松井証券、楽天証券、マネックス証券)にて比較。

マネックス証券公式サイト

マネックス証券は、国内の株式や投資信託の他、米国株や中国株といった外国市場に積極的に投資したいと考えている方におすすめできる証券会社です。今回は...

松井証券

松井証券は、創業100年以上を誇る老舗の証券会社で、これまでは中小証券会社として長年展開をしていましたが、業界で初めてネット証券に参入をしています。私設取引システム(PTS)を利用することで、現物取引であれば、8:20~15:30、17:30~23:59で売買可能となります。

取引手数料は、約定代金が50万円までであれば無料で取引できます。50万円を超える場合は1,100円(税込)で定額で取引が可能になります。NISA口座を活用して売買することもできます。

松井証券公式サイト

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