インドを代表する株価指数として「SENSEX指数」があります。人口が多く今後の経済成長が期待できるインド市場ですが株式の投資先としても注目が上がっています。今回はインドの株価指数「SENSEX指数」の特徴と概要を解説します。
目次
SENSEX指数はインドを代表する株価指数
SENSEX指数は、インドを代表する株価指数として世界中の株式市場において参考にされている株価指数です。同国のムンバイにあるボンベイ証券取引所に上場している銘柄の内、時価総額の他、流動性、業種などを代表する上位30銘柄で構成されている、時価総額加重平均株価指数です。
インドを代表する大企業が組み入れられているため、ほぼ同国の経済指標としても活用されるほか、上場投資信託(ETF)の参考指数としても活用されています。
他の株価指数に比べて銘柄の入れ替えが頻繁に行われ、企業規模の他、時価総額など定期的に確認が行われ選定や除外が決定されます。
同指数の算出開始日は1986年ですが、指数算出の基準日は1979年4月3日としています。その日の時価総額を基準値100として算出を開始しています。指数算出はボンベイ証券取引所とS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が1対1の割合で出資してる「Asia Index Pvt,Ltd.が算出を行っています。
そのため、同指数はS&P BSE SENSEXやS&P BSE センシティブ指数、SENSEX、BSE 30など呼ばれることもあります。
SENSEX指数の株価推移
インドSENSEX指数の株価推移
SENSEX指数は、1979年4月3日を100として1986年より算出を開始しています。2021年6月時点では5万3,000ポイント前後で推移しており、この40年間で500倍に株価が上昇していることがわかります。
過去の株価推移を見ると、リーマン・ショック時に20,000ポイント前後から10,000ポイント前後まで下落、新型コロナ時に40,000ポイントから25,000ポイント直前まで大きく下落する局面はあったものの、ほぼ一貫して右肩上がりで推移していることがわかります。
特にコロナ以降はほぼ急上昇しており、新型コロナで大きく下落した25,000ポイント前後から2倍に上昇しています。
インドSENSEX指数(青)と日経平均株価(赤)の推移比較
日経平均株価と比較すると、その上昇率は非常に大きいことがわかります。
SENSEX指数に組み入れられている代表銘柄上位10銘柄
インドSENSEX指数に組み入れられている銘柄として特徴的なのは、金融と情報通信業が多く、財閥系企業が多いのが特徴です。
証券コード | 銘柄名 | 業種 |
500325/RIGD.L | RELIANCE INDUSTRIES LTD | 石油 |
500180/HDB.NYSE | HDFC BANK LTD | 金融 |
500209/INFY.NYSE | INFOSYS LTD | 情報通信 |
500010 | HOUSING DEVELOPMENT FINANCE CORPOR | 金融 |
532174 | ICICI BANK LTD | 金融 |
532540 | TATA CONSULTANCY SERVICES LTD | 情報通信 |
500247 | KOTAK MAHINDRA BANK LTD | 金融 |
500696 | HINDUSTAN UNILEVER LTD | 一般消費財 |
532215 | AXIS BANK LTD | 金融 |
500510 | LARSEN AND TOUBRO LTD | 建設 |
アルファベットの証券コードはADR(NYSE:ニューヨーク証券取引所、L:ロンドン証券取引所)
インド株の投資は米国・英国ADR経由もしくは上場投資信託(ETF)経由で可能
インド株へ投資する場合、現在インドへの個別株投資は外国からは不可能となっています。そのため、米国もしくは英国に上場しているADR経由で投資する、もしくは市場全体に投資する場合は上場投資信託(ETF)経由で投資することになります。
例えば、同国を代表する情報通信企業であるインフォシス(500209/INFY)はムンバイ証券取引所に加え、ニューヨーク証券取引所に上場しています。
上場投資信託(ETF)では、2021年7月時点において、東京証券取引所ではインド株に特化した上場投資信託(ETF)の取り扱いは無いですが、香港証券取引所では米ブラックロック社が運用する「iシェアーズ BSE SENSEX インディア・インデックスETF(2836.HK)」への投資が可能です。当ETFはインドを代表する株価指数SENSEX指数に連動する上場投資信託(ETF)です。経費率は0.64%と低コストに売買可能です。
米国もしくは英国ADR経由や外国上場のETFを活用したい場合は、米国株を約6,000銘柄、欧州株約2,000銘柄、外国上場ETFは米国と欧州、香港合わせて約3,000銘柄と国内最多を取り扱っている欧州投資銀行サクソバンク傘下のサクソバンク証券がおすすめです。米国と香港であれば約定代金約0.20%、欧州は0.50%(個別株)、0.10%(ETF)で取引可能です。