東京証券取引所を運営している日本取引所グループと上海証券取引所(上海證券交易所)は2018年10月に日中間の証券市場への投資機会を拡大を目的として両社が締結し、両国で上場するETFを相互に取引可能となる「日中ETFコネクティビティ」を構築しています。今回は日中ETFコネクティビティの概要と取引可能な中国ETFを紹介します。
目次
日中ETFコネクティビティとは?
日中ETFコネクティビティは、日中の証券取引所に上場している上場投資信託(ETF)を、現地の証券取引所を通じて相互で取引が可能になる制度となります。
東京証券取引所を運営している日本取引所グループと中国の上海証券取引所(上海證券交易所)と2018年10月に、日中間の投資機会の拡大を目的として、両国で上場するETFを相互取引可能にするための締結を行いました。
取引できるETFは、後述していますが一部のETFに限られますが、これまで日本から中国市場に直接投資する手段が限られる中、今後も持続的な成長が期待できる中国市場に、東京証券取引所を通じて売買することが可能になります。
中国本土市場への投資が東証経由で可能に
日中ETFコネクティビティを利用することで、日本国内からでも東京証券取引所を経由して、中国本土市場へ投資が可能となります。
中国本土市場はA株とB株に分かれており、A株は人民元建ての発行となっています。そのため、上海証券取引所と深圳証券取引所ともに主に本土の投資家が中心で、外国からの投資については徐々に開放が進んでいますが、香港市場と比べると外国からの投資については呼び込む余地は大きいのが現状です。
中国本土市場への投資は、現状として投資手段が限られている課題があります。日本国内からは欧州投資銀行であるサクソバンク傘下のサクソバンク証券が、中国本土市場に上場する個別株を取り扱っていますが、国内から中国本土株を取り扱っている証券会社は少ないのも事実です。
今回の日中ETFコネクティビティは、日本から中国市場へ投資資金を呼び込むとともに、巨大市場である中国から日本へ投資資金を呼び込む好機ともなりそうです。
日本国内の証券会社から日本円で通常通り取引可能
日中コネクティビティETFの取引を行う場合、日本国内の証券会社であればどこでも特別な手続きを行うことなく取引が可能です。
中国ETFではありますが、東証で上場していますので、外国証券口座を開設する必要もなく日本円で売買可能です。取引時間も午前は9時~11時30分、午後は12時30分から15時までと通常の東証の売買時間と同様です。
日中コネクティビティETFを取引する場合は、売買コストが安い証券会社を利用することも重要です。SBI証券や楽天証券、マネックス証券、SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)、松井証券といった、ネット証券を活用することで売買代金を抑えられます。
SBI証券や楽天証券、SBIネオトレード証券は、約定代金が5万円までは55円(税込)、10万円まではSBI証券と楽天証券が99円(税込)、SBIネオトレード証券が88円(税込)で取引できます。また、松井証券は約定代金が50万円までであれば無料で売買できます。
日中コネクティビティETF対象の中国ETF
日中コネクティビティETFを利用して取引可能な中国本土に上場している対象のETFは、2021年5月時点で6本取引可能です。
MAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信(2530)
MAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信は、上海A株市場に上場する上位180銘柄を指数化した「SSE180インデックス」に連動するETFです。管理は三菱UFJ国際投信が行っており、東京証券取引所での証券番号は2530です。
売買単位は1口単位で売買可能です。2021年4月30日時点では1口あたり1万3,000円前後で推移しています。信託報酬は0.798%に設定されています。
分配金については、直近では1年間で157円支払われており、分配金利回りは1.13%となります。
OneETF南方中国A株CSI500(2553)
OneETF南方中国A株CSI500は、上海証券取引所と深圳証券取引所のA株市場に上場する銘柄の内、時価総額及び流動性が高い上位300銘柄を除く、上位500銘柄で構成された中国の中小株指数である「CSIスモールキャップ500指数」に連動するETFです。管理はアセットマネジメントOneが行っており東京証券取引所での証券番号は2553です。
売買単位は10口単位で取引可能です。2021年4月30日時点では1口あたり1,400円前後で推移しています。信託報酬は0.864%に設定されています。
分配金については、現時点では支払われていません。
NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信(1309)
NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信は、上海証券取引所のA株に上場する時価総額及び流動性が高い50銘柄で構成された株価指数「上海50指数」に連動するETFです。管理は野村アセットマネジメントが行っており、東京証券取引所での証券番号は1309です。
売買単位は1口単位で売買可能です。2021年4月30日時点では1口あたり4万4,000円前後で推移しています。信託報酬は0.93%に設定されています。
分配金については、現時点では支払われていません。
上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300(1322)
上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300は、中国本土の上海証券取引所と深圳証券取引所のA株に上場する銘柄のうち、時価総額や流動性など比較的企業規模が大きい300銘柄で構成された株価指数である「CSI300 指数」に連動するETFです。管理は日興アセットマネジメントが行っており、東京証券取引所での証券番号は1322です。
売買単位は10口単位で売買可能です。2021年4月30日時点では1口あたり8,000円前後で推移しています。信託報酬は0.53%に設定されています。
分配金については、現時点では支払われていません。
iFreeETF 中国科創板50(STAR50)(2628)
iFreeETF 中国科創板50(STAR50)は、上海証券取引所の新興市場である科創板に上場する代表的な上位50銘柄で構成された株価指数であるSTAR50指数に連動するETFです。2021年4月に上場した新しいETFです。管理は大和アセットマネジメントが行っており、東京証券取引所の証券番号は2628です。
売買単位は1口単位で売買可能です。2021年4月30日時点では1口あたり2,200円前後で推移しています。信託報酬は0.96%に設定されています。
分配金については、現時点では支払われていません。
iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100)(2629)
iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100)は、香港、澳門、広東省を拠点とする代表的な企業100社を組み入れた100社で構成された株価指数「GBA Innovation 100指数」に連動するETFです。こちらも、2021年4月に上場した新しいETFです。管理は大和アセットマネジメントが行っており、東京証券取引所での証券番号は2629です。
売買単位は1口単位で売買可能です。2021年4月30日時点では1口あたり2,800円前後で推移しています。信託報酬は0.71%に設定されています。
分配金については、現時点では支払われていません。
日中コネクティビティETFへの投資におすすめな証券会社
SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/
SBI証券は株の売買手数料は約定代金が5万円までであれば55円(税込)からと大変お得に取引できるネット証券です。
さらに、Tポイントの他、Ponta、dポイントのサービスも開始しており、国内株式や投資信託の買い付けでポイントが貯まる他、ポイントを使って投資信託が購入が可能で、手数料と付与ポイントを差し引くと更にお得に取引できます。
また、少額投資非課税制度(NISA)口座を開設すれば、株の売買手数料は無料で低コストで株式投資が可能です。
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/
楽天証券は、楽天グループのネット証券でSBI証券に次いで人気が高い証券会社です。インターネットで24時間365日取引が可能で、株の売買手数料も約定代金が5万円までであれば55円(税込)から取引できます!
さらに、楽天ユーザーにはうれしいポイントとして、楽天グループである強みを生かして、株の売買手数料100円ごとに1ポイントの楽天ポイントが還元されます!
楽天証券も同様にNISA口座を活用することで株の売買手数料は無料で利用できます!
SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)
SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)は、ネット証券の中で株式売買手数料が安く、低コストで株式投資ができることから多くの投資家から評価が高い証券会社です。ネット証券手数料部門ランキングでは5年連続で1位を獲得しています!
現物取引では、1約定毎の手数料として約定代金が5万までが50円(税込)、5万円超から10万円以下は88円(税込)、10万円から20万ではたったの100円(税込)と少額投資でもお得に売買できます。また、無料で高機能な取引ツールを提供している他、成行注文や指値注文以外にもIFD注文、OCO注文など多彩な注文方法が利用できるのも特徴です。
マネックス証券
マネックス証券は、マネックスグループが提供しているネット証券で、国内だけではなく、海外の個別株の取扱いが豊富であることから、世界に幅広く投資したいと考えている方におすすめです!
主要ネット証券最安水準の手数料!
2022年3月22日(火)約定分より、日本株の取引毎手数料コースにおける、現物手数料を変更しました。それにより、主要ネット証券最安水準の手数料となっています。
※2022年3月24日現在、マネックス証券調べ。
主要ネット証券(auカブコム証券、SBI証券、松井証券、楽天証券、マネックス証券)にて比較。