東京証券取引所が算出している東証株価指数(TOPIX)について、市場再編と合わせて2022年10月を目処に指数に組み入れている銘柄について組入銘柄数と算出方法を見直すことを明らかにしています。また、それに伴い、東証で算出している他の指数においても廃止も予定されています。今回は指数改定の詳細を解説します。
目次
東京証券取引所の市場再編に合わせて算出指数も見直し
東京証券取引所は、これまで議論が進められていた市場再編が行われる予定です。東京証券取引所の主力市場である東証1部について、内部昇格が増えたことで肥大化が進んだことなどで、市場のあり方の見直しを進めています。
それに伴い、東京証券取引所が算出している株価指数についても、見直しを行います。
東京証券取引所1部に上場している全銘柄を対象に算出している株価指数である東証株価指数については、時価総額が100億円を下回っている銘柄については段階的に除外することを明らかにしています。
新興市場を代表する株価指数である東証マザーズ指数については、名称を変更し「東証グロース市場250指数」とし、2022年10月より定期入れ替えを行います。
一方で、東証2部に上場している全銘柄の値動きを示す「東証第二部株価指数」については2022年4月で廃止、ジャスダック市場の値動きを示す「ジャスダック指数」についても2022年4月で廃止することを明らかにしています。
東証株価指数は時価総額100億円未満は除外、約600銘柄が削減
東京証券取引所の市場再編に伴い、見直しが行われる東証株価指数(TOPIX)について、これまで東証1部に上場していれば、全銘柄が算出対象となっていましたが、2022年10月より、時価総額が大きい銘柄に限定され、時価総額が100億円に満たない銘柄については、段階的に除外していくとしています。
東証1部に上場している銘柄の内、2020年3月末時点において、時価総額が100億円に満たない銘柄数は約600銘柄ほど存在しており、このまま時価総額が100億円に満たない状況が続いた場合、東証1部全体の3割の銘柄が削減対象となります。
東証1部に上場している企業は、トヨタ自動車など時価総額が大きい銘柄に加え、内部昇格などで時価総額が100億円に満たない銘柄も多いことが課題となっていました。時価総額が大きく流動性が高い銘柄に限定することで市場の質を高めていく狙いがあります。
東証マザーズ指数は「東証グロース市場250指数」に名称変更
新興市場であるマザーズ市場に上場する銘柄で構成された「東証マザーズ指数」については、2023年10月より「東証グローズ市場250指数」に名称変更をします。
現行の東証マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄を対象に銘柄が構成されていますが、新たに名称変更する東証グローズ市場250指数については、マザーズ市場に上場する銘柄の内、時価総額が高い上位250銘柄を対象に指数が構成されることになります。
マザーズ指数については、当初廃止する予定で検討が進められていましたが、存続希望が多いことから指数としての算出を継続し、その代わり時価総額が高い250銘柄に絞り、定期的に銘柄を入れ替えていく方針としています。
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