信用取引と差金決済取引(CFD)は、取引手法などに似ている部分がありますが、両者ともに異なる投資商品となります。今回は、信用取引と差金決済取引(CFD)の違いを解説します。
目次
信用取引と差金決済取引(CFD)は似て異なるもの
通常株式を売買する際、株価に応じて購入株式数に応じた投資資金を用意する必要があります。一方で、手持ち資金は少ないが、大きなリターンを得たいといった場合、お金を借りてレバレッジをかけて取引することができます。
株式投資では一般的に信用取引を利用することで、証券会社よりお金を借りて取引することができます。また、空売りを行うことで、下落局面でも利益を狙うことが可能となります。
また、似たような取引手法として差金決済取引(CFD)もあります。こちらも、レバレッジをかけて売買が可能になり、下落局面においても、売りから入ることで利益を狙うことが可能です。
両者ともに、売買手法については似ていますが、それぞれ似て異なる投資商品となります。今回は信用取引と差金決済取引(CFD)の違いを、取引制度の他、運用対象商品、取引手数料の3つの側面から見ていきます。
信用取引と差金決済取引(CFD)の取引制度の違い
信用取引と差金決済取引(CFD)は、取引する場合における制度は全く異なります。
信用取引の場合、証券会社からお金を借りた上で現物株式を対象に売買が可能となります。お金を借りる場合、担保となる現金や株式が必要になりますが、その担保に対して約3倍の金額まで取引が可能です。
差金決済取引(CFD)は、信用取引とは異なり現物の株式を取引するわけではなく、対象の株価の値動きのみを利用し、売買価格の差額に相当する金銭の受け渡しが行われます。外国為替証拠金取引(FX)の株式版とも言えます。担保となる資金である証拠金を用意し、その証拠金に対して個別株は5倍、株価指数は10倍、商品は20倍、債券は50倍まで取引可能です。
信用取引と差金決済取引(CFD)の運用対象商品の違い
信用取引と差金決済取引(CFD)は、運用対象商品にも違いがあります。
信用取引は、国内の証券取引所に上場している個別株や上場投資信託(ETF)を対象に取引ができます。一方で、外国の証券取引所に上場している個別株や上場投資信託(ETF)については、信用取引はできません。
差金決済取引(CFD)は、前述しましたが個別株の他、ETFに該当する株価指数、商品、債券の値動きに対して運用ができます。また、国内だけではなく、外国株を対象とした差金決済取引(CFD)もありますので、世界中の投資商品に対して取引ができます。ただし、国内個別株の差金決済取引(CFD)を取り扱っているのはサクソバンク証券など取り扱い証券会社が少ないのが現状です。
信用取引と差金決済取引(CFD)の取引手数料の違い
信用取引と差金決済取引(CFD)は、取引手数料にも違いがあります。
信用取引の場合は、取引金額に応じて証券会社が独自で手数料が決められていることが一般的です。例えば、ネット証券のSBI証券であれば、約定代金10万円までであれば99円、20万円までであれば148円に設定されています。
差金決済取引(CFD)の場合は、取引毎に手数料という形では徴収しておらず、外国為替証拠金取引(FX)同様のスプレッドという形で、取引時の価格に手数料を上乗せして徴収しています。そのため、実際の株価と取引時の価格は異なることが一般的です。
信用取引と差金決済取引(CFD)の金利の違い
信用取引と差金決済取引(CFD)は、取引期間中に金利が発生するのも特徴ですが、その仕組みも異なります。
信用取引では、資金もしくは株式を借りて取引しますので金利もしくは貸株料が発生します。利率は証券会社によって異なりますが、SBI証券や楽天証券やマネックス証券券の場合は2.80%程度の金利が発生します。
差金決済取引(CFD)の場合は、買いポジションを入れ日を跨ぐ場合はオーバーナイト金利を日毎に支払う必要があります。逆に、売りポジションを入れている場合は、金利を受け取ることができます。
日本株個別銘柄のCFDはサクソバンク証券がおすすめ
差金決済取引(CFD)の取引を行う場合、国内の証券会社では株価指数に連動するCFDサービスは多いですが、個別株でCFD取引を行える証券会社は少ないのが現状ですが、欧州投資銀行サクソバンク傘下のサクソバンク証券では日本株のCFDを取り扱っています。
サクソバンク証券は、日本の個別銘柄を約1,500銘柄取り扱っている他、米国株、欧州株、中国株といった外国個別株のCFDを約8,000銘柄、その他、株価指数CFD、商品価格CFDなど取り扱っています。スプレッドは日本株が0.05%、米国株が0.15%、中国株が0.2%、欧州株が0.25%で取引可能で、低コストでの取引ができます。
サクソバンク証券では外国株を中心に現物株の取り扱いも多く、米国株が約6,000銘柄、欧州株が2,000銘柄、中国株が2,400銘柄と国内で最も多く、取引手数料も米国が0.20%、欧州が0.5%、中国が0.20%と低コストで取引できますので、CFDとうまく組み合わせて取引可能です。