米国の株価指数として近年注目を集めている指数として「ラッセル2000指数」があります。同指数は景気に敏感に反応する指数としても知られており、米国株に投資する多くの投資家が活用しています。今回は、ラッセル2000指数の概要を解説します。
米国の小型株で構成された株価指数
ラッセル2000指数(Russell 2000 Index)は、米国の小型株で構成された株価指数です。指数の算出はラッセル・インベストメントが行っています。
ニューヨーク証券取引所やナスダック、NYSE Americanの3つの取引所において、時価総額が上位3,000社の内、上位1,000社を除き、1,001社から2,000銘柄で構成された、時価総額加重平均型の株価指数になります。
そのため、時価総額があまり大きくない銘柄で構成されているのが特徴です。そのため、大型株に比べ流動性が低い特徴があることから、景気に敏感に反応する傾向があります。
そのため、暴落時の先行指数として活用している投資家もいます。
ラッセル2,000指数の値動き
ラッセル2000指数連動型上場投資信託「iシェアーズ ラッセル 2000 ETF」の値動き
ラッセル2000指数は、1986年12月31日を基準日として算出を開始しており、135ポイントから開始しています。
同指数は全体的には右肩上がりで推移しており、リーマン・ショック前後の2008年は390ポイント台まで下落しますが、その後は、徐々に回復し、2020年3月に新型コロナの影響で1,000ポイントまで下がりますが、2021年1月時点では2000ポイント前後と最高値で推移しています。
ラッセル2000指数組い入れ上位10銘柄
銘柄コード | 銘柄名 | 業種 |
PLUG | PLUG POWER Inc | 資本財 |
PENN | Penn National Gaming Inc | 娯楽 |
CZR | Caesars Entertainment Corporation | 不動産 |
RUN | Sunrun Inc | 資本財 |
DAR | Sunrun Inc | バイオテクノロジー |
MRTX | Mirati Therapeutics Inc | バイオテクノロジー |
IIVI | II-VI Incorporated | 情報通信 |
DECK | Deckers Outdoor Corporation | 生活必需品 |
FATE | Fate Therapeutics, Inc | バイオテクノロジー |
NTRA | Natera, Inc | バイオテクノロジー |
ラッセル2000指数上位10銘柄です。指数全体で組入割合が高い業種としてはバイオテクノロジーが約20%、資本財が16%、金融が15%、情報通信が13%と続いています。
米国市場では、多くの指数において情報通信の割合が高い傾向にありますが、ラッセル2000指数については、バイオテクノロジーの割合が多いのが特徴です。バイオテクノロジー関連に投資したい場合は、日々確認しておきたい指数になりそうです。
近年、バイオテクノロジーについては注目が高まっていますが、銘柄を個別でみると、研究開発費が多い特徴もあり、利益がまだ得られていない企業も多いのが事実です。そのため、後述している通り、バイオテクノロジー分野へ投資したいがリスクを減らしたいと考えている場合は、ラッセル2000指数に連動する上場投資信託(ETF)を活用するのも一つの方法です。
ラッセル2000指数に連動する上場投資信託
iシェアーズ ラッセル 2000 ETF | バンガード・ラッセル2000 ETF | |
証券取引所 | NYSE Arca | ナスダック |
証券コード | IWM | VTWO |
基準価格(※1) | 210米ドル前後 | 172米ドル前後 |
取引単位 | 1口 | 1口 |
信託報酬率 | 0.19% | 0.10% |
分配金利回り(※2) | 1.04% | 0.86% |
分配金支払い基準日 | 3月、6月、9月、12月 | 3月、6月、9月、12月 |
(※1)1口当たりの基準価格
(※2)2020年1月16日時点
日本国内で取り扱いがあるラッセル2000指数に連動するETFは、ブラックロック社の「iシェアーズ ラッセル 2000 ETF」と、バンガード社の「バンガード・ラッセル2000 ETF」があります。
こちらは、米国市場に上場しているETFになりますので、外国証券口座を開設する必要があります。外国証券口座はサクソバンク証券の他、SBI証券、マネックス証券、楽天証券といったネット証券を利用することで手数料が抑えた上で取引が可能です。
2ETFともに、信託報酬は0.1%前後と経費を抑えて運用ができる他、年間3月と6月、9月、12月の年4回分配金が支払われ、分配金利回りは概ね1%前後となっています。
外国市場上場ETFはネット証券がおすすめ
サクソバンク証券 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
ETF銘柄数 | 米国:約1000銘柄 欧州:約1700銘柄 香港:約70銘柄 |
国内:221銘柄 外国:約300銘柄 |
国内:221銘柄 外国:約300銘柄 |
国内:221銘柄 外国:約300銘柄 |
売買手数料 | 米国:0.025% 欧州:0.5% 香港:0.25% |
国内:50円~ 米国:0.45% 中国:0.26% 韓国:0.9% |
国内:50円~ 米国:0.45% 中国:0.26% |
国内:50円~ 米国:0.45% 中国:0.26% |
上記ETFは、外国株式を専門に取り扱っているサクソバンク証券の他、国内の主要ネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券で取り扱っています。
ネット証券でありますので売買手数料も安く抑えられる他、サクソバンク証券を除き3社ともに少額投資非課税制度(NISA)が利用可能で、NISA口座を利用することで買付手数料が無料になるなど、お得に投資が始められます。
また、外国市場に幅広く投資したい場合は、米国市場に上場しているETFを国内で最多の約1,000銘柄のETFを扱っているサクソバンク証券がおすすめです。また、国内では最安値の取引手数料を実現しており、米国市場は約定金額に対して0.025%に設定されています。
※バンガード社の「バンガード・ラッセル2000 ETF」については、SBI証券では取り扱いがありません。