将来の資産形成を目指してロボットを活用したロボアドで運用を行なう方が増えています。ロボアドはウェルスナビを始め、THEO、楽ラップ、ROBOPROと複数のサービスから選択できます。今回はこの4社のロボアドの手数料やその他の運用詳細を比較してみました。
ロボアドとは?
ロボアドは、ロボットアドバイザーの略で、ロボットを活用して自動で投資の運用が行えるサービスです。これまで、投資の運用目的に組入銘柄を選定してご自身で運用を行う必要がありましたが、ロボアドを活用することで、難しいことを考えることなく、自動で運用を行なうことができるようになります。
そのため、運用に多くの時間を費やすことが難しい方、投資経験がなく運用に苦手意識をお持ちの方などであれば、運用をロボットにおまかせすることができます。
ロボアドは、運用者数が多いウェルスナビの他、お金のデザインのTHEO、THEOとドコモが提携して展開しているTHEO+docomo、楽天証券の楽ラップ、テーマ投資のFOLIOが提供しているROBOPROがあります。
今回は、ロボアド4社を比較してみました。
ロボアド4社を徹底比較
以下にウェルスナビとTHEO、THEO+docomo、楽ラップ、ROBOPROのロボアドサービス内容を比較してみました。
ウェルスナビ | THEO/THEO+docomo | 楽天証券 |
ROBOPRO | |
初期投資額 | 10万円 | 10万円/1万円 | 10万円 | 10万円 |
積立 | 1万円以上1円単位 | 1万円以上1,000円単位 | 1万円以上1円単位 | 1万円以上 |
年率手数料 | 1%(税込1.1%)※ | 0.65%~1%(税込0.715%~1.1%)※ | 1%前後(税込) | 1%(税込1.1%)※ |
運用資産 | 上場投資信託(ETF) | 上場投資信託(ETF) | 国内投資信託 | 上場投資信託(ETF) |
運用銘柄数 | 7銘柄 | 30~40銘柄 | 15銘柄 | 8銘柄 |
運用パターン | 5通り | 231通り | 9通り | 1通り |
運用見直頻度 | 入出金時・半年毎 | 入出金時・毎月1回 | 四半期毎 | 毎月1回 |
※:3,000万円を超える部分は年率0.5%(税込0.55%)
初期投資額と積立投資

初期投資額は、4社ともに10万円から始めることができます。一方で、THEOとNTTドコモが提携して提供しているTHEO+docomoは、1万円から始めることができます。
また、ウェルスナビと楽ラップは1万円以上1円単位で積立できます。THEOとTHEO+docomoは1万円以上1,000円単位で積立が可能です。一方で、ROBOPROの場合は積立投資に対応していませんので、積立運用したい場合は、ご自身で追加入金が必要になります。
運用手数料

運用手数料は、概ね1%程度を運用手数料として徴収しています。
ウェルスナビ
ウェルスナビは、運用残高が3,000万円未満であれば1%(税込1.1%)、3,000万円を超える部分については0.5%(税込0.55%)を徴収しています。
THEO/THEO+docomo
手数料 | 運用残高 | |
ホワイト | 1%(税込1.1%) | 1万円未満 |
ブルー | 0.9%(税込0.99%) | 1万円以上50万円未満 |
グリーン | 0.8%(税込0.88%) | 50万円以上100万円未満 |
イエロー | 0.7%(税込0.77%) | 100万円以上1000万円未満 |
レッド | 0.65%(税込0.715%) | 1000万円以上3000万円以下 |
THEOとTHEO+docomoについては、運用残高に応じて段階わけされ手数料が決まる形態を採用しており、運用残高が3,000万円未満であれば最低0.65%~1%(税込0.715%~1.1%)となります。運用残高が3,000万円を超えた場合は超過分は0.5%(税込0.55%)となります。例えば、THEOで1万円以上50万円未満の運用であれば0.9%(税込0.99%)、50万円以上100万円未満は0.8%(税込0.88%)で運用ができます。
楽ラップ
楽天証券の楽ラップは、運用状況や運用残高によって手数料が変動する形態を採用しており、概ね年率1%(税込)で運用できるように設定されています。
ROBOPRO
ROBOPROは、運用残高が3,000万円未満であれば1%(税込1.1%)、3,000万円を超える部分については0.5%(税込0.55%)を徴収しています。
運用銘柄とその見直し頻度

ロボアドでは、分散投資を目的に、株式と債券、商品(金など)、不動産の価格に連動した上場投資信託(ETF)もしくは投資信託を活用して運用を行います。そのため、前述している通り1%程度と手数料を抑えて運用ができる他、定期的に運用状況を見直す(リバランス)が可能となります。
ウェルスナビ
ウェルスナビの場合は、米国株・日欧株・新興国株・米国債券・物価連動債・金・不動産価格に連動したETF7銘柄で運用しており、入出金時と定期的に6ヶ月毎に運用状況を見直して銘柄を入れ替えを行います。
THEO/THEO+docomo
THEOとTHEO+docomoは、米国株、欧州株、新興国株、先進国債券、新興国債券、金、不動産価格に連動した30~40銘柄のETFを活用して運用を行います。入出金時と毎月運用状況の見直しと銘柄入れ替えを行います。
楽ラップ
楽天証券の楽ラップは、国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券・不動産に連動する15銘柄の投資信託を活用して運用を行い、四半期毎3ヶ月毎)に運用状況の見直しを行います。
ROBOPRO
ROBOPROは、米国株、先進国株、新興国株、米国債、新興国国債、
ハイイールド債、不動産、金に連動したETF8銘柄で運用を行い1ヶ月ごとに運用状況を見直しを行います。
ロボアド4社の運用成績

ロボアド4社の運用実績を比較してみました。各社サービス開始当初から2020年6月までの運用実績となります。(運用開始がサービスによって異なるため、正確な比較ではなくあくまでも参考となります)
ウェルスナビ
https://www.wealthnavi.com/
ウェルスナビは、2016年1月から2020年6月までの運用実績として、リスク許容度が低い順に許容度1は12.5%、許容度2は15.4%、許容度3は16.3%、許容度4は17.6%、許容度5は17.4%となっています。(いずれも円建て)
THEO/THEO+docomo
https://theo.blue/
THEO/THEO+docomoは、運用開始よりのデータが公開されていないため不明ですが、金融危機前の2007年からのシミュレーションによると、過去11年間で70%以上の収益としており、年率で換算すると8.4%となるとしています。
楽ラップ
楽天証券の公開データを元に筆者作成
楽ラップは、保守型とやや保守型、やや積極型、積極型、かなり積極型(いずれもTVTなし)の5つを2016年7月4日のサービス開始以来の運用実績を見ると、保守型が12.5%、やや保守型が17.88%、やや積極型が23.95%、積極型が29.43%、かなり積極型が34.03%となっています。
FOLO ROBO PRO
https://folio-sec.com/robopro
ROBOPROは、サービス開始が2020年1月15日のため十分なデータは無いですが、仮に2014年11月20日から運用を開始した場合シミュレーションとして40%以上の運用成績を出しています。