少額投資非課税制度(NISA)を活用すると年間120万円までの投資で得た利益が非課税となり、節税した上で資産運用が可能になりお得な制度ですが、今回はこの非課税という利点に加え、NISAで運用する場合における5つの利点を紹介します。
年間120万円までの投資で得た利益が非課税に!
少額投資非課税制度(NISA)は、年間120万円までの投資で得た売却益と配当金、分配金が非課税となる制度で、最長5年間に渡り、最大600万円までの投資の利益が非課税となる制度です。
また、投資信託の積立運用に特化した「つみたてNISA」も2018年1月から始まっており、年間40万円まで(毎月3.3万円の積立)の投資が最長20年間の運用で得た売却益と分配金が非課税となります。
通常、株式投資や投資信託で得た売却益や配当金、分配金には所得税として20.315%が課税されますが、これがすべて非課税となります。
そのため、長期的な投資で株式や投資信託を活用して運用したいと考えている場合には、NISA制度を使って運用することで、支払うべき税金をすべて節約できる利点があります。
NISA運用では確定申告が不要
NISA運用の利点として、ご存知の通り投資で得た利益が年間120万円まで(積立NISAの場合は40万円)が非課税となりますので、売却益もしくは配当金、分配金を得た場合において、確定申告が不要となります。
通常であれば、証券口座種別に応じて確定申告の要不要が異なりますが、一般口座と特別口座(源泉徴収なし)の場合はご自身で申告する必要があります。
一方で、特別口座(源泉徴収あり)の場合は、売却益を得た時点で証券会社が自動的に源泉徴収を行うことで納税が行われますので、基本的には確定申告は不要ですが、他の銘柄などで損失が発生した場合は損益通算を行えますので確定申告が必要になります。
そのため、NISAの運用で売却益もしくは配当金、分配金を得るだけであれば確定申告が不要になりますので、その点においては楽になります。ただし、損失が出た場合は損益通算ができないので注意が必要になります。
売買手数料が無料で利用できるなどお得に取引ができる
NISA制度を利用することで、取引する証券口座においてNISA口座を利用することで売買手数料が無料で利用できる証券会社が存在するなど、税金だけではなく、取引手数料についてもお得にすることができます。
例えば、インターネット証券のSBI証券や楽天証券、マネックス証券では、NISA口座を開設後、株式や上場投資信託(ETF)、上場投資証券(ETN)をNISA口座を指定して買い付けを行うことで、買付手数料が無料となります。また、利益確定後に売却する際にも売却手数料が無料になります。
NISA口座を利用する場合における取引金融機関の選び方は以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。
つみたてNISAでは投資信託の販売手数料なしで信託報酬が安い銘柄から選べる
つみたてNISAを利用する場合、投資信託を利用して毎月積み立て運用を行います。通常投資信託を購入する場合、金融機関が定めた販売手数料と、毎月の運用手数料である信託報酬を支払う必要があります。
つみたてNISAの場合は、金融庁が定めた一定の要件を満たした銘柄のみが運用可能となっており、その要件として、販売手数料が無料である投資信託(ノーロードファンド)であること、信託報酬が指数に連動する投資信託(インデックスファンド)の場合は0.5%以下であるとった条件が定められています。
これまで投資信託を購入する場合、金融機関側で販売手数料や信託報酬が高い銘柄を勧められる事例が多くありましたが、運用者が不利になりやすい投資信託での運用を極力避けられる利点もあります。
つみたてNISAの対象銘柄については金融庁のホームページよりご確認ください。
NISA口座は他の金融機関に移すことも可能
開設したNISA口座については、複数の金融機関でNISA口座の開設はできませんが、後日他の金融機関に移したいと考えた場合、一定の手続きを行うことで、NISA口座を他の金融機関に移すことができます。
NISA口座を他の金融機関に移す場合は、既存で取引している金融機関に対しては「金融商品取引業者変更届書」に必要事項を記入し提出する必要があります。無事に受領が行われると、「勘定廃止通知書」が手渡されますので、この通知書を持って、新しい金融機関に提出の上、「非課税口座開設届出書」を記入して提出します。税務署側で確認後問題なければNISA口座を新しい金融機関で開設(移す)ことができます。
ただし、既存の金融機関のNISA口座で運用している株式や投資信託といった個別の運用商品については、移すことができず既存の金融機関でそのまま非課税で運用できます。
これまで、なんとなく普段利用している銀行や証券会社でNISA口座を開設していたが、手数料の高さが気になるといった場合は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券といったインターネット証券を利用することで、株式の売買手数料が無料で取引できる他、販売手数料が発生しないノーロードの投資信託を豊富な品揃えの中から選定して運用することができます。
NISA口座の金融機関を移す場合についての詳細は以下の記事で詳しくまとめていますので合わせてご覧下さい。