株式投資で地域分散において欧州株を検討する際に、予め投資する利点に加え短所についても把握しておくことが重要です。今回は、欧州株に投資する場合に考えられる短所とその対処方法をまとめました。
外貨建の取引となるため為替手数料の支払いが必要
欧州株は、欧州にあるロンドン証券取引所やフランクフルト証券取引所、ユーロネクスト・パリといった欧州各地の証券会社を通じて取引を行うため、始めに英ポンドもしくはユーロを用意しておく必要があります。
そのため、日本から投資する場合、投資資金を日本円のみ保有している場合は、ロンドン証券取引所で取引する場合は英ポンド、それ以外はユーロに両替する必要があります。その際に、為替手数料が発生することになります。
また、為替手数料が発生することに加え、為替の動向にも左右されることになりますので注意が必要です。
日本円からユーロに両替した後に、為替が円高になった場合、日本円でみると評価損が生じます。特に、欧州株を売却した場合、売却した際に、円高が進んでいると、株価として売却益が出ていても、日本円に換算すると為替の影響で評価額が減少するとこともあります。
欧州株の取引が可能なネット証券であるサクソバンク証券では、為替手数料として0.2%が発生します。実店舗を構える証券会社に比べると、為替手数料も抑えて両替することが可能です。
日本語での情報収集が限定的である
欧州株は、日本国内から日本語での情報収集が限定的であると問題もあります。
情報量としては多くないですが、日本経済新聞において英国やドイツを中心とした株式市場の動向が記載されている他、金融専門誌の日経ヴェリタスにおいても外国市場の情報やコラムが記載されています。
更に、詳しく知りたい場合は、英フィナンシャル・タイムズやロイター、ブルームバーグといった英語による情報をウェブサイトの翻訳機能を活用して情報収集を行うことになります。
株主総会や議決権行使ができない
欧州株は、証券会社が注文を取りまとめて株式保管機関を通じて売買を行うことから、直接株式を保有ができず、株主名簿にも記載されないため、株主総会や議決権の行使ができません。
ただし、株式保有数に応じて配当金の受領は可能となっていますので、配当利回りが高い欧州株を活用することで、安定した配当収入を目的とした投資が可能になります。
取り扱いの証券会社が少ない
欧州株は、日本国内で取り扱っている証券会社が少ないのも現状です。一部実店舗を構えている証券会社でも取り扱いは行っていますが、取引手数料が割高なのが難点となっています。
SBI証券やマネックス証券といった外国株の取り扱いが豊富なネット証券でも欧州株は取り扱っておらず、唯一取り扱いがある証券会社としては、デンマーク投資銀行であるサクソバンク傘下のサクソバンク証券となります。
ロンドン証券取引所 | フランクフルト証券取引所 | ユーロネクスト・パリ | |
銘柄数 | 約1000銘柄 | 600銘柄 | 800銘柄 |
手数料 | 0.5%(最低8ポンド) | 0.5%(最低12ユーロ) | 0.5%(最低12ユーロ) |
サクソバンク証券、取扱銘柄数と売買手数料一覧
同社はデンマークを本拠地としているため、欧州株に強く、取扱銘柄数としては約2,400銘柄以上を取り扱っています。
また、売買手数料は約定代金に対して0.5%に設定されており、ロンドン証券取引所上場銘柄は最低8ポンド、フランクフルト証券取引所とユーロネクスト・パリは最低手数料は12ユーロに設定されています。
サクソバンク証券の詳細につきましては、以下の公式サイトをご覧ください。