米国株は四半期毎に配当金を支払う企業も多く、配当重視の投資家に多く活用されています。一方で、米国株の配当は国内とは異なり、米国と国内で課税されます。今回は、米国株で配当を得た場合の税金について詳しく解説します。
米国株の配当は現地と国内で二重課税となる
米国株を保有していて、配当金を受領した場合、米国と日本国内で二重課税が行われます。
米国では企業が株主に対して配当金を支払った場合、所得税として10%が源泉徴収されます。その後、国内で支払われる場合、国内の所得税と住民税として20.315%が課税されます。合計すると30.315%が課税されることになります。
一方で、米国株を売却した場合は、米国内では売却益への譲渡所得としての課税はありませんので、現地で税金を徴収されることはありません。一方で、国内の証券口座に売却資金が入った段階で、国内の課税標準として20.315%が課税されます。
米国株の配当受領時に現地で所得税として10%課税
米国株で配当金を受領する場合、米国内で所得税としてはじめに10%課税されます。
例えば、Microsoft(MSFT)を1,000株保有していたと仮定した場合、2019年12月度に支払われる配当金は1株あたり0.51ドルとなっています。そのため、1,000株で得られる配当金は510ドルとなります。そこから、10%米国内で課税されますので、510ドルから10%の51ドルが差し引かれて得られる配当金額は459ドルとなります。
510ドル(1000株)-51ドル(10%)=459ドル
国内で投資家に受け渡す際に国内の所得税として20.315%課税
米国で10%課税された後、国内の証券口座に入金された後、投資家に受け渡す段階で、国内の所得税と住民税をあわせて20.315%課税されます。
20.315%の内訳としては、15%が所得税、5.315%が住民税となります。
先程の、Microsoft(MSFT)の例で見ると、現地で10%源泉徴収された後の459ドルに対して20.315%の93.25ドルが差し引かれ、最終的に得られる配当金額は365.75ドルとなります。
459ドル-20.315%=365.75ドル
外国税額控除制度を活用すると二重課税の調整が可能
米国株で配当金を得た場合、米国と国内で二重課税となりますが、外国税額控除制度を活用することで、この二重課税状態を調整することができます。
外国税額控除制度は、外国で発生した所得に対して現地で支払った税金と国内で支払った税金を調整する制度で、課税された翌年の3月15日までに確定申告が必要になります。
ただし、外国税額控除制度を利用した場合においても、外国で課税された金額の全額が還付されるわけではなく、ご自身の所得に応じて限度額が定められています。計算方法は以下となります。
外国税額控除限度額=年間所得税額×外国所得税額÷年間総所得額
配当金再投資制度(DRIP)を利用して再投資することで課税回避可能
米国株で配当金を受領した場合、現地と国内で合計30.315%が課税され、以外と大きな金額が差し引かれることになります。そのため、長期的に資産を増やすためには、この課税を極力減らして、得た配当金を再投資することが重要となります。
そこで、最適な制度として配当金再投資制度(DRIP)の利用ができます。同制度では、得られた配当金を自動で投資する制度で、再投資の際に、売買手数料が発生しないことに加え、配当金が入った場合に源泉徴収が行われませんので、30.315%の源泉徴収を回避することができます。
配当金再投資制度(DRIP)は国内の証券会社ではデンマーク投資銀行傘下のサクソバンク証券のみが取り扱っています。同社は、米国株が約6,000銘柄、欧州株が2400銘柄、中国株が2,000銘柄以上の取り扱いと外国株の投資に強みを持っています。
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売買手数料 | 0.20% | 0.50% | 0.20% |
米国株の売買手数料は約定代金に対して0.20%で、最低5ドル、最高15ドルに設定されており、国内のネット証券の平均0.45%の手数料に比べるとお得に取引ができます。
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