株式投資は買いだけではなく、空売りを利用することで下落局面でも短期的に利益を得ることが可能です。日本株では空売りの需要は高いですが、米国株においても一時的な下落時など空売りしたいと考える方は多いかと思います。今回は、米国株で空売りができるのか、またその方法と利用可能な証券会社を紹介します。
米国株の信用取引はネット証券3社が2022年7月より利用可能に
空売りは、信用取引の取引方法の一つで、証券会社から株を借りてそれを売却を行い、株価が下落した状況を見計らって購入し証券会社に返却することで利益を得る取引方法です。
例えば、1株2,000円の株を空売りする場合、2,000円で100株を証券会社から借り売却します。その後、1株1,000円まで下落したタイミングで買い戻しを行い証券会社に返却を行います。この時点で、10万円の利益が得られます。
空売りは、日本であれば株主優待取得を目的として現物買と信用売を同時に施行する「クロス取引」で使われることも多く、下落時のリスク回避手段としても活用可能です。
米国株については、SBI証券やマネックス証券、楽天証券、サクソバンク証券で現物取引を提供していますが、2022年7月より米国株の信用取引に対応し、信用取引を利用した空売りも可能になりました。
米国株を利用した信用取引については以下の記事も合わせて御覧ください。
信用取引以外では個別株CFDを利用すれば売り注文を利用できる
信用取引以外では、個別株CFDを利用した売り注文を行えば、空売りと同様の取引が可能となります。
CFDとはContract For Differenceの略で、日本語では差金決済取引と言います。これまで一般的に利用されている現物株は株式そのものを売買しますが、CFDは実際の株式の受け渡しは行わず、証券会社に証拠金を提供することで、その株価の値動きを利用して差金を決済する取引です。
外国為替証拠金取引(FX)の株価版という位置づけでもあり、預けた証拠金の数倍の金額を取引できる「レバレッジ」を活用した取引の他、売り注文からの施行も可能です。
現物株とは異なり、売買時に売買手数料として手数料を徴収するわけではなく、購入時と売却時の価格差であるスプレッドとして、本来の価格に上乗せされます。また、日を跨いだ場合は、借り入れ金利が発生する場合がありますので注意が必要です。
一方で、配当金の権利日にCFDを保有している場合、保有数量に応じた配当金を受領することもできます。
また、FX同様に証拠金使用率が100%に達した場合(証拠金で損失分を補えない場合)は強制的に売却もしくは買付が行われるロストカットが行われ、現物株に比べると取引上のリスクは高いと言えます。
米国株の個別株CFDを提供している証券会社はサクソバンク証券となります。
サクソバンク証券の米国株CFD取引の概要
出典:サクソバンク証券
サクソバンク証券は、デンマークの投資銀行であるサクソバンク傘下の証券会社です。
日本では2008年よりFX取引事業者として金融取引業に参入して以降、同社の国際的な知見と事業網を生かして外国株式の売買事業を展開を行い、今では、米国株が6,000銘柄以上と国内証券会社では最多で、中国株が2,000銘柄以上、欧州株が2400銘柄以上の取り扱いがあります。
また、国内の証券会社では唯一、米国株の個別株CFDの取り扱いがあります。個別株CFDではレバレッジは最大5倍まで取引が可能です。空売りについても多くの銘柄で利用できますが、一部利用できない銘柄も存在しますので注意が必要です。
取引手数料としては、取引数量に0.025ドルを乗算した価格で、最低手数料は10ドルとなります。その他、日を跨いでポジションを保有した場合に発生する金利である「オーバーナイト金利」、配当金を受領するときに発生する「配当等調達金」、証拠金よりレバレッジを利用した場合に発生する「借入金利」、日本円から米ドルに両替する時に発生する「両替コスト」が発生します。
口座開設および米国株CFDについての詳細は以下、公式サイトよりご確認いただければ幸いです。口座開設の際は個人番号カード(マイナンバーカード)があれば手続きが迅速に行えます。