極力リスクを抑えた投資を行うには投資対象地域を分散した投資も有効です。その中でも、割安感があり配当利回りが高い市場として欧州株式市場が挙げられます。今回は欧州株の投資する上での利点について考えてみました。
日本でも馴染みのある企業も多く上場する欧州株式市場
欧州株式市場は、これまで世界経済を牽引してきた実績もあることから、日本国内でも知名度があり、世界的に事業展開している伝統的な企業も多く上場しています。
例えば、一般消費財の英蘭ユニリーバ(ULVR.L)、食品のネスレ(NESN.SW)自動車のダイムラー(DAI.F)、BMW(BMW.F)など、欧州を本拠地としている企業は国内でも多く事業展開を行っています。
欧州株式市場は、英国のロンドン証券取引所を中心に、ドイツのフランクフルト証券取引所、フランスのユーロネクスト・パリ、スイスのスイス証券取引所など複数の証券取引所で構成されています。
英FTSE100指数の値動き
参照できる指数としては、ロンドン証券取引所の売買高が高い100銘柄を集めた「FTSE100指数」の他、ドイツの「ドイツ株価指数」、フランスの「CAC40指数」などがあります。
国内からだと欧州株の取り扱う証券会社が少なく、国内の投資家にとってあまり馴染みが高い市場であるとは言いづらいですが、地域分散を行うにあたり、米国株式市場や中国株式市場に次いで、投資検討余地が高い市場であると言えます。
安定的な利益を確保し高い配当利回り
欧州株式市場へ投資検討する場合における利点としては、安定的な利益を確保しており、高い配当利回りが得られるところにあります。特に、欧州株式市場では、生活必需品や一般消費財、医療関連(ヘルスケア)といった、景気の影響を直接大きく受けづらい銘柄も多いことも、安定した利益率が期待ができます。
インベスコ・アセット・マネジメントによると、2018年から2021年間にかけて、欧州企業全体の利益率は約41%の増益が期待できるとしています。ただし、足元では新型コロナウイルスに感染症が欧州市場でも拡大したことで、経済活動が一部停止の影響もあり、足元では鈍化も避けられませんが、長期的にみると経済回復とともに早かれ遅かれ利益回復が期待できることに加え、感染症を機会に医療関連へのさらなる恩恵も考えられそうです。
また、配当金利回りも高い特徴もあります。米国株式における配当金利回りは2%前後ですが、欧州株式は3.7%程度と、欧州市場では銀行預金のマイナス金利政策が続く中、欧州企業では、米国企業同様に株主還元が積極的に行われていることや、長期的な利益成長余地が高いことを考えると、株安になっている時点での投資は大きな利回りが得られることに期待できます。
過去10年間のユニリーバ(ULVR.L)の株価推移
例えば、個別銘柄を見てみると、一般消費財のユニリーバ(ULVR.L)の2020年3月時点における配当金利回りは4.25%、食品のネスレ(NESN.SW)は2.65%、医療関連のノバルティス(NOVN.SW)は3.72%となっています。
欧州株は割安感がある
欧州株は、先進国で代表的な米国株と比べて割安感があると言えます。米国株の場合は、情報技術関連を筆頭に成長余地が高い企業が多いことに加え、世界経済の牽引役として機能していることなど、世界中の投資家からの資金が集まっていることから、総体的に割高となる傾向にあります。
欧州の場合は、英国のEU離脱などでEU経済にとって不透明感が続いていることや、GDPの落ち込みが続いていたことなどから、経済的な懸念も多いもの要因として考えられます。
景気循環調整後のPER(株価収益率)において、欧州市場全体の長期的な平均倍率は20.4倍なのに対し、2019年9月時点において19.8倍となっています。
足元では、新型コロナウイルスの影響で、経済鈍化は避けられないことが考えられますが、Bloombergの調査では、英国EU離脱に関する見通しが見えてきたことなどから、2020年を底に欧州全体のGDP成長は回復傾向になる予想しており、長期的に見ると回復までの間、欧州株を仕込む上での適切な時期に来ていると考えられます。
いずれにしても、投資を始める場合は株価が割安な時期に投資するのが適切であり、新型コロナウイルスで大きく株価が下落している状況において、欧州株への投資を検討する絶好の好機であると考えられます。
欧州株の取引はサクソバンク証券がおすすめ
配当利回りが高く割安感が強い欧州株ですが、株安が続く現在において投資を準備する絶好の時期であります。ただし、国内では欧州株を取り扱っている証券会社が少なく、取り扱っていても割高な手数料など、気軽に投資しづらいのが現状です。
そこでおすすめできる証券会社として、デンマーク投資銀行傘下の「サクソバンク証券」です。
ロンドン証券取引所 | フランクフルト証券取引所 | ユーロネクスト・パリ | |
銘柄数 | 約1000銘柄 | 600銘柄 | 800銘柄 |
手数料 | 0.5%(最低8ポンド) | 0.5%(最低12ユーロ) | 0.5%(最低12ユーロ) |
サクソバンク証券は、イギリスが約1,000銘柄、ドイツが約600銘柄、フランスが約800銘柄と欧州株トータルで約2400銘柄取り扱っています。また、欧州株以外にも米国株が約6,000銘柄、中国株が2,000銘柄程度取り扱っており、世界分散投資を行う上では是非利用したい証券会社です。
欧州株の売買手数料は約定代金の0.5%と安価に設定されています。ロンドン証券取引所に上場している銘柄であれば最低手数料は8ポンド、フランクフルト証券取引所とユーロネクスト・パリであれば12ユーロに設定されています。
欧州市場にも分散して投資したいと考えている場合、手数料などのコストや取り扱い銘柄数などを加味するとサクソバンク証券が取引しやすいと言えます。サクソバンク証券の詳細については以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧いただければ幸いです。