確定拠出年金(iDeCo)を積立運用中に株式相場が大きく下落した場合はどうすれば良いか?

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確定拠出年金(iDeCo)で老後に向けて毎月一定額を積み立てて運用している場合、株式を組み入れていると株式相場に大きく左右され、株価が大きく下落した場合、積立運用中に不安に感じる方も多いかと思います。

今回は、確定拠出年金(iDeCo)を積立運用中に株式相場が大きく下落した場合どうすればよいのか考えてみました。

確定拠出年金(iDeCo)は既存年金に上乗せして老後資金を運用する制度

確定拠出年金(iDeCo)は、既存の年金制度に上乗せして、運用していく年金制度です。

日本の年金制度は、3段階で構成されており、第一段階として「国民年金(基礎年金)」第二段階として「厚生年金」、「国民年金基金」、第三段階として今回紹介する「確定拠出年金(iDeCo)」の他、「確定給付企業年金」、「厚生年金基金」があります。

確定拠出年金(iDeCo)をはじめるには、最低でも国民年金を加入(保険料の納付)が必要になります。

毎月、最低5,000円から1,000円単位で拠出(積み立て)が可能で、職業によって上限が異なります。企業年金制度が無い会社員の場合は最大2万3,000円、国民年金のみ加入している自営業者であれば6万8,000円となります。

運用するにあたり、証券会社などの金融機関に確定拠出年金(iDeCo)の口座開設が必要です。運用商品は、金融機関によって異なり、金融機関が選定した投資商品の中から選択して運用を行います。

運用するにあたり手数料が必要になります。手数料は金融機関にもよりますが、加入時は加入時手数料として最低2,829円、運用時は最低でも171円の口座維持手数料が必要です。その他、運用商品が個別に設定している運用手数料(信託報酬)の負担が必要になります。

確定拠出年金(iDeCo)を運用する際は、SBI証券楽天証券マネックス証券松井証券であれば、加入時は2,829年、運用時は毎月171円で運用可能となっている他、SBI証券が最大60本以上の手数料が安い運用商品を豊富に取り揃えています。

各種税優遇制度が適用可能で、確定拠出年金を拠出した分は全額所得控除が適用できる他、運用益に対して非課税、受取時も公的年金等控除、退職所得控除が適用できます。一方で、年齢が60歳になるまで、原則として拠出したお金は引き出すことはできませんので注意が必要です。

2017年1月より老後の資金を運用する確定拠出年金(iDeCo)の加入対象者が広がりました。普段耳にするニュースなどで年金不安が聞かれる中、老後...

株式相場が大きく下落した場合でも積立は継続

確定拠出年金(iDeCo)は、老後まで長期で運用していく必要がありますが、大なり小なり運用中に株式相場が大きく下落する局面に何度も出くわすことになります。

運用を始めたばかりであれば、運用商品に株式を組み入れている場合、相場下落時に大きく不安を感じてしまう方も多いかと思いますが、相場が大きく下落しても、運用は継続して行うことが重要であると考えています。(確定拠出年金(iDeCo)は、運用を開始後原則として運用を止めることはできません)

毎月一定額積み立てている場合、購入する時期を分散することができますので、大きく下落した時に買付を行うことで、下落前に一括で投資した場合と比べると、下落時に積み立てた分、相場回復時における運用状況の回復も早まるほか、時間分散ができますので、長期で運用していくことで、大きな下落においてもその影響を最小限にすることも可能となります。

キャピタル・グループのデータを基に筆者作成

確定拠出年金(iDeCo)の運用商品ではないですが、米国の運用会社キャピタル・グループが提供している全世界の株式に投資を行う、「キャピタル世界株式ファンド」を2005年から2019年までより10万円づつ積立投資を行った場合、2019年12月末の時点で積立した元本は1800万円となりますが、この15年間の運用で2146万円の運用益が得られたというデータを公開しています。その間、リーマンショックなどで200万円近い、評価損を出す時期もありましたが、長期で運用した結果、大きな利益に結びついていることがわかります。



株式相場が大きく下落したときは株式の比率を高める

株式相場が大きく下落した時は、株式の積立する金額の割合を高めにすることが有効です。確定拠出年金(iDeCo)では、毎月の積立金額の中から、銘柄ごとに拠出する金額の割合を変更する「配分変更」ができます。

例えば、これまで株式に50%、債券に50%の割合で拠出していた場合において、株式相場が大きく下落した場合は、株式を70%、債券を30%の割合に変更する感じです。

確定拠出年金(iDeCo)で老後資金を運用にあたり、複数の銘柄を組み合わせて運用している場合、運用状況に応じて各銘柄の掛け金の配分を見直すことも...

また、これまで積み立ててきた一部の運用商品に対して、全てを株式で運用する運用商品に変更したい場合は、スイッチング(預け替え)の手続きを行うことで、運用商品の変更が可能となります。

確定拠出年金(iDeCo)を運用していると、何かしらの理由で運用銘柄を他の銘柄に入れ替えを検討することもあるかと思います。確定拠出年金(iDeC...

株式相場が大きく下落した局面であれば、株式で運用している運用商品の割合は減少することになりますので、運用商品の組入比率を調整するという意味でも、下落したタイミングで株式の運用比率を引き上げるのは有効であると言えます。



株式は国内だけではなく全世界の株式で運用している運用商品を選ぶ

確定拠出年金(iDeCo)で株式を運用する運用商品を選ぶ場合は、国内を対象に運用する銘柄だけではなく、外国株など全世界の株式を対象に運用する銘柄を組み入れることが重要であると言えます。

長期的に運用する場合は、投資対象を分散しておくことが重要になります。さらに、株価指数に連動して推移する、インデックス型の運用商品を選ぶことで、運用手数料(信託報酬)を抑えることができます。特に手数料を安く抑えて運用できる運用商品としては、日本生命グループのニッセイアセットマネジメントが運用しているインデックス型投資信託の知名度が高いです。

例えば、国内株の場合は、日経平均株価に連動して推移する「ニッセイ日経225インデックスファンド(信託報酬0.275%)」、外国株を運用する「DCニッセイ外国株式インデックス(信託報酬0.154%)」があります。

確定拠出年金(iDeCo)におけるニッセイアセットマネジメントの運用商品は、ネット証券のSBI証券楽天証券マネックス証券にて取り扱っていますので、各証券会社のサイトで詳細を知りたい場合は確認してください。

その他にも、指数に連動し運用手数料が安い運用商品も多く取り扱っています。運用商品毎の比較も可能となっていますので、是非ご参考いただければ幸いです。

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