株式投資を行うには、株を買うタイミングが重要です。特に、参考にしたい指数として「VIX指数」があります。VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれ、投資家の心理状況を知る手がかりとなります。今回は、VIX指数の概要とその使い方を解説します。
VIX指数は投資家の心理状況を知ることができる指数
株式投資を行う上で、是非合わせて確認したい指数として「VIX指数」があります。VIX指数は、Volatility Indexの略で、米国の株価指数であるS&P500指数を対象に、米国シカゴにあるシカゴオプション取引所がオプションの価格から推計される予想変動率を元に算出している指数です。
一般的に、VIX指数は、冒頭でも記載していますが、別名「恐怖指数」とも言われており、数値が高くなればなるほど、投資家が先行きに対して不安や恐怖を感じていることがわかります。
株式市場が平常時であれば、10から20程度で推移していますが、何かしらの経済にとって負の影響を与える大きな出来事が発生した場合、VIX指数は一気に跳ね上がり、30以上の値を記録することもあります。
数値が高い状態であれば、当然ながら株価が大きく下落しますので、多くの投資家が先行きに対して不安を感じることになり、VIX指数は大きく上昇します。
VIX指数はリーマンショック時は60台まで上昇
VIX指数推移
過去のVIX指数を見てみると、値が上昇するときは一気に上昇していることがわかります。1990年以降一番高い値として、2008年のリーマンショックが発生したときの60台があります。
その他、1997年のアジア通貨危機において40半ばまで上昇したほか、2000年以降では米国同時多発テロの発生から、これを起因としたイラク戦争、中国南部で発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)など経済にとっての負の影響を及ぼす出来事が頻発し2002年に40台まで上昇、その後は、リーマン・ブラザーズが倒産したことをきっかけに、世界の金融市場が壊滅的な打撃を受けたリーマンショック時の60台があります。
また、2011年に南欧諸国財政危機、2015年のチャイナ・ショック、2020年の新型コロナウイルスの感染者拡大によって40台を突破しています。
VIX指数が30以上を記録している状況では米国株は10%以上大きく下落する
VIX指数は投資家の心理を表したものですが、前述したとおり、経済にとって負の影響を及ぼす出来事が発生すると値が一気に上昇する傾向にあります。投資家が安心している状況である10前後の場合に、ちょっとした出来事をきっかけに大きく値の上昇が見られます。
VIX指数が一気に30以上上昇している時期は、米国株は大きく乱高下することとなり、一気に10%を超える下落を記録することも多いです。
2001年に米国の同時多発テロが発生したときは、米国株は12%程度の下落を記録したほか、2008年のリーマンショック時は、高値から50%を超える下げ幅を記録しています。
VIX指数が35以上の時期に米国株を買うと利益はが大きくなりやすい
VIX指数は、投資家が先行きに不安になっているタイミングで値が上昇しやすいことをお伝えしていますが、多くの方は値が上昇したタイミングでは株を買うのは危ないと考えてしまう方が多いかと思います。ただし、株式投資の原則としては、「安く買って高く売る」です。そのため、みんなが売っているタイミングで株価が安くなっているときに購入するのが得策であると言えます。
したがって、VIX指数は逆張りを行うための指数としても有効活用ができます。VIX指数が30を超えると米国株は大きく下落することを記載しましたが、逆に、VIX指数が35を超えたタイミングであれば、株が大きく売られていますで、ここで買うと長期的に大きなリターンが得られやすいといえます。
VIX値毎の年別リターン(各種資料から筆者作成)
当方で各種資料を元にVIXの値別のリターンを調べたところ、値が15以下のときに株を買った場合、1年後の平均リターンは10%、2年後は15%、3年後が35%となりました。一方で、VIX指数が20から25のときに株を買った場合は、1年後の平均リターンは3%、2年後は10%、3年後が20%となりました。また、損失については最大がマイナス20%前後と大きくなります。と続いて、VIX指数が30から35のときに株を買った場合は、1年後の平均リターンは15%、2年後は27%、3年後が35%となりました。損失については、最大でもマイナス10%前後となるなど、損失の影響も少なくできます。
そのため、米国株に投資する場合は、定期的にVIX指数を確認し、値が35を超えたタイミングで買いを入れると、長期的に大きなリターンが期待出来ると言えそうです。
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