感染症拡大時においても業績や株価への影響が軽微な業種とその投資方法は?

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2020年2月に中国武漢市を発症とした新型コロナウイルスのよる感染症が拡大し、株式市場にも大きな影響を及ぼしました。感染症が拡大すると経済活動が制限されることから株式市場においても負の影響を及ぼすことになりますが、以外にも感染症への影響が軽微な業種も存在します。

感染症拡大による経済への影響はこれまでより大きい

2020年に突入し、株式市場を襲った出来事としては、新型コロナウイルスによる感染症が世界各地に広がり、感染者が増える中、経済活動が制限されたことより、企業業績への懸念により大きく株式が売られたことでした。

過去にも感染症が拡大する出来事は多くありましたが、飛行機で世界各地へ短時間に行くことが出来るようになった今、経済活動においても感染症拡大の脅威は無視することはできないと言えます。また、世界では国を超えて経済活動が行われる機会も過去に比べると一段と増えており、特に中国による世界経済への影響も強くなっていることも要因としてあります。

2020年3月から過去2年間のNYダウの推移

2020年の新型コロナウイルスの拡大では、直前に米国株を筆頭に企業業績改善の期待から、上昇局面が続いていましたが、これまで中国や東アジアを中心に拡大していた感染症が欧州などにも広がったことで、世界的な大流行(パンデミック)に繋がること、これまで株価に織り込まれていた企業業績の改善への期待が縮小されることが懸念されたことで、一気に株価が売られ、NYダウは10%を超える下げ幅となり、一時2万5000ドル台まで下落しました。

1990年からのVIX指数推移

NYダウを始め、世界各地で株価が大きく下落するなか、恐怖指数であるVIX指数についても、2008年のリーマンショック以降2番目の高さとなる40ポイントまで上昇しており、新型コロナウイルスの影響が、経済にとって大きな影響を及ぼすことを伺わせます。



感染症拡大はあらゆる業種にとって業績に悪影響を及ぼす

感染症拡大は、世界中に一気に拡散する脅威が高まっている現代において、事業活動を行う上でのリスクの一つとして考えておく必要性を認識させられた出来事でした。

国内では自然災害などが起きた場合でもすぐに事業活動が継続してできるように、その対策を文書化しておくBCP(事業継続計画)を策定する企業も増えましたが、感染症による拡大については、あまり盛り込まれていないのも事実です。

感染症拡大の局面では人の移動が制限されることになりますので、空輸や陸運、旅行業、宿泊業にとって業績に悪影響を及ぼすほか、製造業についても、従業員が出社できない、交通が制限された物流網が限られるなどで、物を作れず業績に影響を及ぼします。さらに、それを売る小売業や作られたものを使ってサービスを提供するサービス業についても物が来ないことから事業が限定されます。さらに、人の外出が減るという観点からも業績にとってマイナス影響となります。

そのため、感染症拡大が大きくなると、これらの経済的な連鎖が十分に機能しなくなることから、2020年の新型コロナウイルスの場合、これまで以上に大きく感染症が拡大していることから、経済的な損失もこれまで以上に膨らむことが懸念されています。

2020年1月に中国で新型肺炎コロナウイルスが発見され、世界中で死者が出るなど世界経済にとって大きな影響を与えたのは記憶に大きく残りました。今回...

感染症拡大局面でも堅調なのは通信業

感染症局面で期待される業績として、医薬品などを上げる方も多いかと思いますが、もちろん、新型の感染症に有効な医薬品などが出れば、一時的に大きく株価は上昇すると考えられますが、あくまでも、一時的に過ぎず、情報が出尽くしとなれば、すぐに株価は戻ることが考えられます。

感染症拡大局面においても業績や株価への影響が軽微となるのは通信業があげられます。

まず、通信は感染症だけではなく、景気の動向に左右されづらい業種でもあります。通信は人々の生活や事業活動においてなくてはならないものであり、景気の動向を問わずサービスが使われることになります。特に感染症拡大局面では、在宅など遠隔地で仕事(リモートワーク)をする需要も今後増えていくことを考えると通信の需要は逆に増えていくことも考えられそうです。

AT&T(T)の過去2年間の株価推移

2020年2月末のコロナショック時の米国最大の通信事業者AT&T(T)の株価を見てみたところ、一時的に34ドルを下回って入るものの、その後は元の38ドルまで値を戻しています。



データセンターや通信塔に特化した不動産投資信託(REIT)も有望

感染症拡大時だけではく、景気の動向を気にすることなく投資先として、特に注目しているのは、データセンターや通信塔を保有して、IT事業者や通信事業者に貸し出して賃料を得る不動産投資信託(REIT)です。

サーバや通信設備を貸し出すことで賃料を得る事業のため、定期的な点検などは必要ですが基本的には設備を保有するだけで、事業収益を得ることができます。また、REITになりますので、得られた賃料は投資家に分配されることになり、固定収入を得ることができるのも特徴です。感染症が広がる局面であれば、在宅業務の拡大で通信やサーバの需要が増えることに加え、将来的に人工知能(AI)や高速無線通信(5G)など、将来的にもさらに、需要が見込まれます。

Equinix(EQIX)の過去2年間の株価推移

例えば、データセンターを保有して貸し出している、Equinix(EQIX)は、2020年2月末で一時的に下回っていますが、その下げ幅は小さく、翌月の3日には元の650ドル近くまで値を戻しています。同社の配当利回りは2%前後と長期的な保有も向いています。

Crown Castle(CCI)の過去2年間の株価推移

4万以上の通信塔を保有するCrown Castle(CCI)についても、2020年2月末に株価は140ドル近くまで下がっていますが、その後、160ドル台と元の水準まで回復をしています。

データセンターや通信塔を関連のREITの取り扱いは、国内で取り扱っている証券会社がサクソバンク証券のみとなります。そのため、これらのREITに投資したい場合は、同社への口座開設が必要です。

同社は、米国株の取り扱い銘柄数も6000銘柄以上と国内では最多で有ることに加え、手数料も約定代金の0.2%で最低5ドルから最大15ドルと、手数料を抑えた取引ができます。口座開設は無料で可能ですので、米国株を活用して分散した投資を行う場合は口座開設を是非おすすめします。

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