株式を1株から売買できる単元未満株取引サービスが広がっています。まとまった資金が無いが投資に興味がある場合に利用しやすいと言えます。今回は、株式を1株から売買できる単元未満株取引サービスを比較してみます。
単元未満株は1株から株式の売買が可能
近年、投資に関する関心が高まっている状況の中、若年層を中心にまとまった資金を持たない状況においても、株式の売買が可能なサービスとして単元未満株取引サービス(少額投資、ミニ株)を提供する金融機関が増えています。
単元未満株とは、1単元(100株)未満の株式のことで、株式を取引する場合、通常1単元あたり100株単位で売買を行います。ただし、銘柄によっては多額の資金が必要になることから、まとまった資金がない場合、取引が難しくなります。また、株式投資を始めて行う方にとって、高額な資金を一気に投資するのは敷居が高いこともあり、少額から投資可能な取引サービスの需要が増えています。
単元未満株では、1株から売買可能で数千円から数万円で株式投資を始めることができます。また、保有株式数に応じて配当金を受領することが可能です。一方で、単元未満の場合、議決権が付与されないことや株主優待が受けられない場合がある、取引や注文に制約があるなど短所もあります。
単元未満株を取り扱っている証券会社
現在単元未満株を取り扱っている証券会社は、ネット証券であれば、SBI証券の他、マネックス証券、auカブコム証券が単元未満株による取引サービスを提供しています。
また、近年では若年層を主要顧客とした、単元未満株の取引に特化したサービスも登場しています。
LINEと野村證券が提携してサービスを提供しているLINE証券では、対話アプリLINE上で取引が利用できます。
SBI証券とカルチャーコンビニエンスクラブ(CCC)と提携してTポイントで株式が購入できるSBIネオモバイル証券の他、スマートフォンのアプリで日本株と米国株が取引できるPayPay証券(旧OneTapBUY)があります。
ネット証券の単元未満株取引サービスを比較
SBI証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
名称 | S株 | ワン株 | プチ株 |
取扱銘柄数 | 東証上場全銘柄 (名証・札証・福証は売却のみ) |
東証、名証上場全銘柄 (札証・福証は売却のみ) |
東証、名証上場全銘柄 (札証・福証は売却のみ) |
手数料 | 0.5%(最低50円) | 0.5%(最低48円) | 0.5%(最低48円) |
取引時間 | 0:00~10:30(当日後場始値) 10:30~21:30 (翌営業日前場始値) 21:30~24:00 (翌営業日後場始値) |
0:00~11:30(当日後場始値) 17:00~0:00(翌営業日前場始値) |
0:01~10:00(当日後場始値) 10:01~23:00 (翌営業日前場始値) 23:01~24:00 (翌営業日後場始値) |
NISA口座 | 可 | 可 | 可 |
ポイント利用可否 | 不可 | 不可 | 不可 |
証券会社各社の単元未満株取引サービスは、SBI証券が「S株」、マネックス証券が「ワン株」、カブドットコム証券が「プチ株」という名称でサービスを提供しています。
取扱銘柄数として東証上場企業はすべてをカバーしており、SBI証券を除いて名証上場企業の取引も可能です。一方で、札証と福証は売却のみが可能となっています。
取引時間は、証券取引所に直接発注できない関係上、証券会社が取りまとめを行う関係から、約定はその場で成立せずに、次の取引開始時の始値となります。
また、各社ともに少額投資非課税制度(NISA)での取引も可能となっています。
単元未満株専用の証券会社を比較
LINE証券 | SBIネオモバイル証券 | PayPay証券(旧OneTapBUY) | |
名称 | LINE証券 | ネオモバ | PayPay証券 |
取扱銘柄数 | 東証300銘柄、ETF15銘柄 | 東証上場全銘柄 (名証・札証・福証は売却のみ |
東証131銘柄 |
手数料 | 0.05% | 定額制(1月あたり50万円まで200円) | 0.5%から1% |
取引時間 | 9:00~11:20(当日後場始値) 11:30~12:20 (当日後場始値) 12:30~14:50 (当日後場始値)17:00~21:00 (翌営業日前場始値) |
0:00~10:30(当日後場始値) 10:30~21:30 (翌営業日前場始値) 21:30~24:00 (翌営業日後場始値) |
9:00~14:59(当日) |
NISA口座 | 不可 | 不可 | 不可 |
ポイント利用可否 | LINEポイント | Tポイント | 不可 |
単元未満株の取引を専門とした新興系の証券会社では、ユニークさを全面に出しており、独自のサービスと連携して取引ができます。
なお、上記3社は各社ともNISA口座に対応していませんので注意が必要です。
LINE証券
LINE証券では、単元未満株取引サービスの中では夜間取引(17:00~21:00)の時間帯を除いて、0.05%と取引手数料が安い特徴があります。また、投資資金にLINEポイントgが利用できるのも特徴です。一方で、取扱銘柄数がETFを含め315銘柄と限られているので注意が必要です。
SBIネオモバイル証券
SBIネオモバイル証券は、Tポイントを使って株式が可能で、システムとしてはSBI証券のS株を踏襲しています。また、定額制手数料形態を採用しており、1ヶ月あたりの取引金額が0円~50万円は200円、50万円超300万円は1000円、300万円超500万円は3,000円、500万円超1,000万円は5,000円に設定されており、頻繁に売買する方にとっては安心して取引ができると言えます。
PayPay証券(旧OneTapBUY)
PayPay証券(旧OneTapBUY)は、取扱銘柄数が約130銘柄と同社が厳選した銘柄に投資が可能です。取引手数料は、0.5%から1%に設定されています。さらに、米国株を取り扱っているのも特徴で、米国株も同様に0.5%から取引できます。ただし、為替手数料として1回につき35銭発生します。