株式投資における議決権とは何か?その権利の詳細と仕組みを詳しく解説

【当サイトには広告が含まれます】

株式投資において、株式を保有すると保有している企業に対して議決権が付与されます。また、株主総会の時期になると議決権行使書が郵送されますが、議決権とはなんの権利であるか気になっている方も多いかと思います。今回は、議決権は、具体的にどのような権利であるかについて解説します。

議決権は株主総会で議案に対して投票する権利のこと

株式を保有すると、対象の企業の株主になり、そこで様々な権利が付与されます。

株主の権利として、大きいのは、対象の企業が稼いだ利益を受け取れる権利「受益権」、対象の企業が解散したときに、残った財産を受け取る権利「残余財産分配請求権」、企業の経営に参加する権利「議決権」があります。

議決権を保有する場合、株主総会の時期になると、手元に「議決権行使書」が郵送されます。株主総会では、会社における経営の方向性を決めるための会議になりますが、そこて提示される議案に対して賛否を投票することになります。

議決権を有すると、議決権行使書に記載された議案に対して賛否を投票することが可能となり、会社の経営に参加することが可能になります。



行使可能な議決権数は保有株式数によって異なる

議決権は、対象の企業の株を保有すると一株一議決権の原則に基づいて議決権が付与されることになりますが、政治の投票とは異なり、一人一票ではなく、保有する株式数に応じて、議決権数は増えることになります。

例えば、1株につき1議決権付与される場合は、100株保有している場合と、1,000株保有している場合とでは、後者のほうが、多く議決権を行使できることになり、より多くの意見を経営に反映させることができます。



株式の種類によっては議決権が付与されない場合もある

一方で、株式を保有しているからと言って無条件に議決権が付与されるとは限らないことにも注意が必要です。

日本の企業においては、1単元100株につき1議決権と約定で定めている場合が多く、100株に満たない株式を保有している場合は、議決権は付与されません。また、会社が自社の株式を取得する「自己株式」や、会社同士で株式を持ち合う、「相互保有株式」についても議決権は付与されません。

また、米国上場企業などでよく見かけますが、議決権を付与しない「無議決権株式」を発行している場合や、議決権の行使を制限している「議決権制限株式」の場合など、議決権が行使できな、もしくは一部が制限される場合もあります。

議決権を多くの株主に行使できれば、経営の相互監視が強まり企業統治の観点においては良いですが、議決権が制限もしくは付与されない株式の割合が強い場合は、経営者の意思決定は迅速に行える一方、企業統治の観点から懸念される事項も増えると言えます。

関連記事

配当金再投資制度(DRIP)とは何か?その概要と日本国内で利用可能な証券会社

米国企業決算で見かけるEBITDA(利払い・税引前、償却前利益)とは何か?

株価収益率(PER)とは何か?株価の適正を判断する指標を解説

投下資本利益率(ROIC)とは何か?投資前に確認しておきたい経営指標を解説

特別買収目的会社(SPAC)とは何か?その概要を詳しく解説

米国預託証券(ADR)とは何か?その概要と仕組みをわかりやすく解説