ロボアドの運用中は投資先の上場投資信託(ETF)から分配金が支払われますが、株式投資においては確定申告を行うことで配当控除が適用できますが、ロボアドでも配当控除が適用可能であるか調べてみましたので解説します。
配当控除とは二重課税の場合に税額を調整する措置
株式投資において投資先の上場企業から、利益分配として配当金を受領することがあります。
上場企業が支払っている配当金は、企業が法人税を支払った後に、手元に残った利益の一部を株主に支払っているものです。一方で、株主が配当金を受け取る場合、20.315%源泉徴収されてしまいます。
そのため、上場企業が支払った法人税と、株主が受け取った配当金より源泉徴収した税金と合わせると二重課税していることとなり、それを調整する目的で配当控除の措置が設けられています。
配当控除を適用する場合は、確定申告が必要となり、給与収入や事業収入と合わせて申告する総合課税を選択する必要があります。一方で、他の銘柄などで売却損が発生した場合は、受領した配当金と合わせて損益通算が可能ですが、損益通算を行う場合は配当控除の利用はできません。
https://kabutoshimichi.com/2018/12/20/dividend-deduction/
海外の上場投資信託(ETF)からの分配金は配当控除の対象外
配当控除が適用できるのは、国内の上場株式からの配当金と国内の証券取引所に上場している上場投資信託(ETF)が対象となっています。
一方で、外国の証券取引所に上場している上場企業からの配当金や上場投資信託(ETF)の分配金、不動産投資信託(REIT)の分配金については、配当控除の対象外となっています。
ロボアドのウェルスナビやTHEOは、バンガード社やブラックロック社が運営している米国市場に上場している上場投資信託(ETF)を活用していますので、運用中に得た分配金に対して配当控除を適用することはできません。
詳しい運用銘柄については各社が公開しているホワイトペーパーを御覧ください。
配当控除は適用できないが外国税額控除の適用は可能
ロボアドの運用で得た分配金については、配当控除の適用はできませんが、外国税額控除の適用は可能です。
外国税額控除は、分配金を支払う場合、現地で源泉徴収された後に、国内の証券口座に入金されますが、その段階で、国内の課税標準である20.315%が源泉徴収され、二重課税となります。
確定申告で外国税額控除を利用することで、二重課税状態を調整を行うことができます。
その他、ロボアド以外に、他の証券口座で保有している銘柄で利益確定した場合や損益通算を行う場合など、確定申告を行う必要がある場合がありますので、運用状況に合わせて確定申告を行います。