確定拠出年金(iDeCo)で老後資金を運用にあたり、複数の銘柄を組み合わせて運用している場合、運用状況に応じて各銘柄の掛け金の配分を見直すことも重要となります。今回は確定拠出年金(iDeCo)において、掛金の配分変更について概要を解説します。
配分変更は運用資産の配分割合を変更すること
確定拠出年金(iDeCo)の配分変更とは、現在運用している運用資産と商品の中において、次回以降の拠出から資産や商品の配分割合を変更することを言います。
例えば、株式で運用している運用商品が60%、債券で運用している運用商品20%、不動産で運用している運用商品に20%の割合で運用していた場合、株式の運用割合を40%減らし、債券の運用割合を20%上げるイメージです。
すでに運用している運用商品の割合については変更とはならず、後述している通り、次回の拠出時より配分変更を適用した割合でそれぞれの運用商品に対して金額が配分されます。
一方で、既存で運用している運用資産や商品について変更したいという場合は、2019年12月5日に記載したスイッチング(預け替え)を利用することになります。
配分変更すると次回の拠出時より各運用商品の金額が変更となる
配分変更を行った場合、次回の拠出時より、各運用商品に割り当てる金額が変更となります。配分変更を行う前の資産や運用商品の割合については変更は行われません。
例えば、1万円毎月拠出している場合、前述した通り、元々株式に60%、債券に20%、不動産に20%だったのを、株式を40%、債券を40%、不動産を20%にしたい場合、次回の拠出時より、株式に4,000円、債券に4,000円、不動産に2,000円という形で割り当てられます。
手続き自体は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券といったネット証券であれば、インターネット上の専用ページで簡単に手続きが可能です。
確定拠出年金(iDeCo)の配分変更のポイント
確定拠出年金(iDeCo)において、運用資産や商品の配分変更を行うポイントとしては、相場状況によって見直すことや、年齢や生活状況などに合わせて配分変更を行うことが重要となります。
例えば、相場状況として、株式相場が好調となり、確定拠出年金の運用商品の中でも株式の保有割合が高まった場合などについて、運用商品の割合を一定にするために、株式の割合を減らすことができます。逆に、株式相場が低迷している場合は、その後の好転に向けて、株式の配分割合を高めるといったこともできます。
また、年齢や生活状況を考慮した点としては、20から30代であれば、リスクが取れるため株式の保有割合と高くすることができます。一方で、40代から50代など、教育費などで出費が増えるなどリスクを中程度にしたい場合などは株式の保有割合を減らすといったことができます。
いずれにしても、確定拠出年金(iDeCo)の運用後は、最低でも年に1回は見直しを行い、そのときの状況に応じて配分変更を検討するか、もしくはスイッチング(預け替え)を行うかを検討することが重要となります。