政府は2019年11月22日に、投資信託などを毎月積み立てて運用した場合において最長20年間、売却益などが非課税となる「つみたてNISA」において、2037年の運用開始期限までの期間内であればいつ始めても最長20年間に渡って非課税期間となるように制度改定が行われました。
つみたてNISAは最長20年間運用益などが非課税
つみたてNISAは2018年1月より開始した、少額投資非課税制度(NISA)の積み立てに特化した制度です。
年間40万円までの投資に対して、最長20年間に渡って運用で得た利益や分配金が非課税となります。
通常であれば、株式や投資信託を売却した場合は、20.315%の所得税が発生しますが、政府では将来的な資産形成を支援する目的で、2037年までの期間内でつみたてNISAで運用を始めた場合、税優遇制度を提供しています。
2018年からつみたてNISAを始めた場合、最長で20年間非課税で運用できますので、最大800万円分の運用額に対して非課税となります。
つみたてNISAは金融庁が指定した一定の条件を満たした投資信託もしくはETFを使って運用を行うもので、運用成績が著しく悪い運用商品や手数料が割高な運用商品を避けることができるなど、運用者にとっても安心して運用できるのが特徴です。
金融庁が選定したつみたてNISA対象の投資信託については、金融庁のホームページをご覧ください。
つみたてNISAを利用するには、金融機関への口座開設が必要です。SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券 といったネット証券を活用することで自宅にいながら口座開設から取引までが可能に成るほか、投資に関する情報も豊富に用意されています。
つみたてNISA運用を2037年まで開始すれば非課税期間は20年に
つみたてNISAは、最長20年間までの運用において最大800万円までが非課税となりますが、これは同制度が開始された2018年に始めた場合においてのみ適用となっていました。
つみたてNISAの運用開始期限は2037年までとなっていますが、これまでの制度は2019年以降に始めた場合、非課税期間が減少し、投資可能枠も年ごとに40万円づつ減ることになっていました。
例えば、2019年につみたてNISAを始めた場合、非課税期間が1年減って19年となり、投資可能枠も最大760万円となります。一方、開始期限の2037年に始めた場合、1年のみの運用期間となり、投資枠もたったの40万円となっていました。
しかしながら、今回の制度改定において、2037年までの間であれば、いつ始めても非課税期間が20年間となるほか、最大800万円までの運用枠が利用できます。
そのため、運用開始期限の2037年につみたてNISAをはじめた場合であっても、2057年まで非課税で運用できることになります。
運用開始期限は2037年で現行と変わらず
つみたてNISAの運用開始期限は2037年と定められていますが、これについては現行を維持する形となります。
そのため、2037年を過ぎた場合、今後制度が改定しない限り、つみたてNISAの運用ができなくなります。
また、株式などで運用する通常のNISA制度とは異なり、つみたてNISAの場合、運用期限が2037年までと設定されている以上、運用期間が終えた後もそのまま新たな非課税枠で運用を続ける「ロールオーバー」制度は利用もできません。
20年以内を目安とした運用を行う場合は、つみたてNISAの活用を行い、老後資金など20年以上の運用を非課税で行いたい場合などは、確定拠出年金(iDeCo)制度を利用が最適であると言えそうです。
確定拠出年金(iDeCo)を始めるには、金融機関に確定拠出年金(iDeCo)専用の口座開設が必要になります。SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券といったネット証券を活用するといつでも口座開設手続きができる他、加入時の手数料も2,777円から、毎月167円と低コストで運用できるのも特徴です。