株式投資は、銘柄ごとに売買高(出来高)が異なり、世界中に名が知れた大手企業であれば売買高は大きく、中小企業などであれば知売買高低いケースもあります。今回は、株式投資を行うに当たり、売買高が少ない銘柄を売買するにあたりその利点と注意点を解説します。
株の売買高(出来高)は売買が行われた数量
売買高は株式が証券取引所などにおいて売買が行われた数量のことです。売買高の他に出来高という言葉も使われますが、基本的には同じ意味になります。
例えば、とある銘柄で買いが1,000株、売りが1,000株の売買取引が成立すれば、売買高は1,000株となります。
売買高は、数が多くなればなるほど活発に取引が行われている事となり、数が低ければ売買は閑散としているということになります。
株の売買高は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券、SBIネオトレード証券、松井証券といったネット証券に口座開設後、毎日の売買を確認することができます。
売買高が少ない場合に意味していること
株式投資において、特に個人の場合、売買高が少ない銘柄に先回りして投資して、後々急騰を狙うという考えて投資する方も見受けられます。
まず、売買高が少ないことを意味していることとしては、機関投資家や外国人投資家などに気づかれていない、事業内容に期待できない、業績が思わしくない状況が続いている、ガバナンスに問題があるなどが考えられます。
もし、事業内容に将来性が高く、業績も良好な状態が続いていおり、株主構成としても機関投資家や外国人投資家が少なければ、将来的に知名度が高まるにつれて、売買高が増え、長期的に株価が上昇することも考えられ、先手して投資した場合は大きな利益が確保できる可能性も高まります。
ただし、売買高が少ない銘柄に投資することは、得られるリターンは高い反面、その分、リスクも高い投資になることを承知しておく必要があります。
売買高が少ない銘柄は流動性低く株価が上昇しづらい
売買高が少ない銘柄は、売り買いが少ないため、流動性が低いというデメリットがあります。
流動性が低いことは、ご自身が買いたいもしくは売りたい値段で売買がしづらいということになります。もちろん、成行注文で注文を出せばよいのですが、流動性が少ないため、ご自身が想定していない価格で約定する場合も多いです。
また、株式相場が全体的に大きく売られる局面において、リスク回避のために、売り注文を入れたとしても、売買高が少ない銘柄の場合、買い手が少ないため、いつまで立っても売ることができないこともあります。
また、売買高が少ない銘柄は機関投資家や外国人投資家にとっては、想定した価格での注文がしづらいことから、投資の対象外となることも多く、余程注目すべき出来事がなければ、株価の大きな上昇を狙いづらいともいえます。
売買高が少ない銘柄は株価の変動が激しい
意外にも売買高が少ない銘柄は株価の変動が激しい傾向にあります。
売買高が多い銘柄のほうが変動が激しいという印象を持たれる方も多いかと思いますが、大手企業でも製造業など景気の影響を受けやすい銘柄であればその傾向もありますが、売買高が少ない銘柄は、売り手と買い手のバランスが一定に確保しづらいため、特段の理由がなくても大きく下落しているケースもありますし、その逆もあります。
そのため、数量が少なくても株価が大きく動くことも多く、多額の金額を投資している場合、全体的な相場に比べて、数パーセントも大きく変動しているということはめずらしくありません。
前述していますが、売買高が少ないため、多くの注文を出すことも難しく、機関投資家や外国人投資家が疎遠する理由にもなっています。