日本株の売買は、外国人投資家が7割を超えており、外国人投資家の動向によって日本株のの動向が大きく左右されるといっても過言ではありません。そのため、日本株を取引する場合、外国人投資家の動向をしっかりと把握した上で投資する必要があります。
今回は日本の株式市場において外国人投資家に動向を確認する方法をお伝えします。
日本株式市場の7割以上は外国人投資家によって売買されている
日本の株式市場は、冒頭でもお伝えしている通り、7割以上が外国人投資家によって売買されています。
株式投資を始める方の多くは、はじめ日本株から取引を始める方は多いかと思いますが、日本株を売買しているのは、日本人の個人投資家の割合は約2割と以外と少なく、外国人によって相場が支えられているのが現状です。
外国人投資家とは、日本国外に拠点を置いている機関投資家や個人投資家のことで、多くの売買は外国の機関投資家によって行われています。機関投資家と一言に言っても様々で、年金を運用している年金基金の他、投資信託を受託して運用している金融機関、ヘッジファンドなど様々です。
日本取引所グループが公開している投資部門別売買状況を確認
日本株の約7割を占めている外国人投資家の動向を知るには、日本取引所グループが公開している「投資部門別売買状況」で確認することができます。
ここで公開されているのは、あくまでも過去の情報ではありますが、過去1ヶ月前までの週間における売買動向、過去10年間の月間の売買動向、過去10年間の年間の売買動向が公開されています。
例えば、2018年の東証1部上場の50社の年間の売買動向を見てみると、委託内訳の項目に法人と個人、外国人、証券会社の売買動向が記載されています。ここでいう委託とは、東京証券取引所が誰から委託して売買したのかを記載されています。
2018年の年間の個人における売買比率は約17%であることがわかります。一方で、外国人投資家の比率を見てみると約74%となっています。
2018年度は、米中貿易摩擦などの影響で相場が不安定な年であったことから、個人と外国人投資家共に、売りが多いことがわかります。個人であれば約3,000億円の売り越し、外国人投資家は約5兆4,000億円の売り越しとなっています。
東証1部上場の49社の2019年10月第3週(10月15日~10月18日)
一方で、直近の売買動向として東証1部上場の49社の2019年10月第3週(10月15日~10月18日)を見てみると、左側の2019年10月7日~11日、右側の2019年10月15日~18日の両期間において、個人は依然として売りが多い状況でありますが、外国人投資家は、買いの金額が徐々に増えていることがわかります。
日本株は製造業が多く景気の先行きで外国人投資家の動向がわかる
日本の株式市場は、米国とは異なり乱高下が激しい印象がありますが、近年外国人投資家が多く参入しているだけではなく、景気に左右されやすい業種が多いことも理由に挙げられます。
日本は、特段の資源が発掘されたわけではなく、古来より農業やものづくりを中心とした産業で発展してきました。そのため、現代においてもその流れを引き継ぎ、製造業を中心とした企業が多く上場しています。
ただし、製造業は景気が良くなれば需要が増えるため、収益も期待できますが、景気が悪くなれば、需要が低迷し収益が悪化する傾向にあります。そのため、外国人投資家は、景気が悪くなる予兆があれば、すぐに日本市場より資金を引き上げる傾向にあります。
一方で、景気が回復する予兆があれば、日本市場に資金を流入する傾向が強まるため、日本株の上昇に繋がります。
2019年10月時点でこの記事を執筆している状況においては、トランプ大統領が米中貿易交渉で部分合意を行ったことで、僅かながらに景気が回復し、製造業などの需要も増えていくのではないかと期待され、外国人投資家による買い戻しが行われているものと予想されます。
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