中国で急速に発展する深圳を代表する株価指数「深圳総合指数」の概要を解説

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中国広東省深圳市(しんせん)は、中国の経済特区として、急速な経済成長を遂げています。中国株式市場において、成長期待が高い企業が多く組み入れられている指数として「深圳総合指数」があります。この指数の概要を解説しました。

アジアのシリコンバレー深圳市

深圳市は中国南部の広東省に位置する都市で、香港と中国大陸の節点として機能しています。中国政府主導で、同国の経済成長を促すために様々なインフラを構築し、企業進出や設立を後押していることで、ハイテク企業を中心に新興企業が生まれ、事業活動が行われています。

中国の主要都市、北京市、上海市、広州市、深圳市の4大都市に数えられ、経済特区に指定されています。人口は約1,400万人で、中国を代表するIT企業である騰訊控股(テンセント)(0700.HK)、通信インフラ機器大手の華為技術(ファーウェイ)など、中国を代表するハイテク企業の多くが本社を構えています。

お隣の香港は、海外と中国本土との中継地点としての役割を果たしていましたが、中国政府では深圳の更なるテコ入れを急いでおり、2018年には深圳の経済規模が約2兆8700億香港ドル規模となり、香港の約2兆8500香港ドルを超えたとしています。

香港では政府に対するデモの長期化などで世界の金融都市としての地位が危ぶまれる中、経済鈍化も懸念される中、中国政府は深圳はハイテク企業のみならず金融都市としての地位向上(世界金融センターのランキングでは深圳14位、香港は3位、東京は6位)を目指し、香港を上回る経済都市として発展させていく長期計画を掲げています。

深圳証券取引所に上場する全銘柄で構成した「深圳総合指数」

中国政府主導により経済発展を目指している深圳において、上海証券取引所についで、重要な証券取引所として深圳証券取引所があります。

深圳証券取引所は、1990年2月に設立され、約1200以上の企業が上場しています。時価総額は約3.2兆ドル規模となります。(上海証券取引所が4.1兆ドル、香港証券所が約3.2兆ドル)

上海証券取引所 深セン証券取引所
A株 B株 A株 B株
人民元 米ドル 人民元 香港ドル

深圳証券取引所に上場する銘柄は、人民元建てで発行されており中国国内在住者向けのし上A株と、香港ドル建てで発行されている外国向けに開放された市場B株に分かれています。

A株
メインボード 中小企業版 創業版
大手企業 中小企業 新興企業

深圳証券取引所は、主に新興企業が多く上場しており、大企業が中心となる上海証券取引所と棲み分けが行われています。深圳証券取引所のA株は、東証1部に相当するメインボード、中小企業向けの中小企業版、新興企業向けの創業版の3つに分かれています。

A株とB株を含め、深圳証券取引所に上場する全銘柄で構成された株価指数として「深圳総合指数(SZSE Composite Index)」が算出されています。

中国の株式市場は、2019年9月23日に紹介した上海証券取引所と深圳証券取引所の2つで賄っています。前述したとおり、深圳は政府主導で更なるテコ入れが図られている他、世界に名を連ねるまでに至ったハイテク企業が多くが拠点を構えるなど、今後も更に注目したい指数であります。

中国株式市場を代表する株価指数として上海総合指数があります。上海証券取引所に上場している全銘柄で構成されており、中国市場の経済指標としても多く活...

深圳総合指数の株価の値動き

深圳総合指数は、1991年4月3日を基準日に、その日時価総額を100として時価総額加重平均型株価指数として算出されています。

これまで、1991年から2000年にかけて100ポイントから500ポイントと徐々に株価が上昇していましたが、2000年に、中国の経済成長が進んできたこともあり、多くの投資マネーが集まり、リーマンショック前の2008年1月の時点で1500ポイントまで上昇しました。

その後、リーマンショックで大きく売られますが、その後は回復し1000ポイント前後で推移します。また、2015年半ばに中国で株式バブルが発生し3100ポイントまで高値をつけますが、その後大きく下落し、2019年現在では米中貿易摩擦の影響などで1600ポイント前後まで落ち込んでいます。

近年では、世界的に深圳への注目が集まる中、投資マネーが集まってきており、乱高下がやや激しい状況が見受けられますが、今後も世界に名を連ねる企業が登場する可能性を秘めているなど今後も成長性には期待できると考えています。



深圳総合指数に組み入れられている銘柄

深圳総合指数に組み入れれている銘柄の業種として、資本財、情報通信、一般消費財、素材が多くの割合を占めており、それぞれ20%前後を占めています。一方で、上海証券取引所は金融の割合が約30%と高いのに比べると、ハイテク企業が多く集結する深圳市場の特徴が伺えます。

深圳証券取引所に上場している銘柄を上位10位までを紹介します。

証券コード 銘柄名 業種

000001

平安銀行 金融

000166

申万宏源集團 金融

002415

杭州海康威視數字技術 情報技術

002024

蘇寧雲商集團 一般消費財

000333

美的集團 一般消費財

000725

京東方科技集團 情報技術

002252

上海莱士血液製品 ヘルスケア

002736

國信証券 金融

000651

珠海格力電器 一般消費財

000002

万科企業 金融

深圳総合指数に構成された銘柄の売買方法

深圳総合指数に構成された銘柄を売買を行う場合は、国内の証券会社のうち、中国株の取り扱いがある証券会社を選ぶ必要があります。ただし、外国株は手数料が国内株に比べて割高になりますのでネット証券を活用することをおすすめします。

国内のネット証券で深圳証券取引所に上場している銘柄を扱うのは、デンマークの投資銀行サクソバンク傘下のサクソバンク証券の1社となっています。

サクソバンク証券 楽天証券 SBI証券 マネックス証券
手数料 0.20% 0.5% 0.26% 0.25%
上海証券取引所 161銘柄 235銘柄 取扱なし 取扱なし
深圳証券取引所 97銘柄 取扱なし 取扱なし 取扱なし
香港証券取引所 1733銘柄 719銘柄 1500銘柄 2058銘柄

サクソバンク証券は上海証券取引所、深圳証券取引所、香港証券所に上場している銘柄の取引が可能で取扱銘柄数は約2,000銘柄となります。

深圳証券取引所の売買手数料は約定代金の0.20%に設定されており、最低手数料は40人民元となります。香港証券取引所上場銘柄については0.25%となります。

株式投資で外国市場に分散投資するにあたり、国内の証券会社であれば取扱銘柄が少ない問題があります。今回紹介するサクソバンク証券は米国と欧州を始めと...

また、中國に投資したい場合は、香港証券取引所を経由であれば、日本においても、サクソバンク証券の他に、楽天証券や、SBI証券マネックス証券を利用して取引が可能となります。

ネット証券における中国株の取扱銘柄数と手数料についての詳細は以下の記事でまとめていますので合わせてご覧ください。

世界一の人口を有しており、今後も世界を牽引する経済成長が期待できる中国市場は長期的に株式投資においても有望な市場です。今回は国内で展開しているネ...

 

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