香港を代表する株価指数として「香港ハンセン指数」があります。香港は中国本土と外国の金融の窓口として中国本土の企業も香港証券取引所に上場することで外国から資金調達を行っています。今回は香港ハンセン指数の概要を解説します。
香港ハンセン指数は香港を代表する株価指数
香港ハンセン指数(香港恒生指数)は、香港の株式市場全体を代表する株価指数であると同時に、中国市場を代表する株価指数としても使われています。
同指数は、香港の銀行である恒生銀行(はんせんぎんこう)傘下の指数提供サービス会社である「恒生服務有限公司」により算出されています。
香港証券取引所に上場する銘柄ののうち、時価総額など流動性が高い銘柄を選出して構成される、時価総額加重平均型株価指数です。日本では東証株価指数(TOPIX)などが時価総額加重平均型株価指数を採用しています。
香港証券取引所は、香港の地元企業だけではなく、中国本土に国籍を構える企業も多数上場しており、中国企業が外国から資金調達を行う手段として活用している他、中国のみならずアジアを代表する株価指数としても機能しています。
メインボード | GEM | ||
香港H株 | レッドチップ | その他 | |
中国本土企業 | 中国企業香港法人 | 現地企業 | 新興企業 |
香港証券取引所では、東京証券取引所の東証1部に該当する「メインボード」と、マザーズに近い新興企業の「GEM」に別れます。メインボードは、中国本土に籍を置いている企業は「香港H株」と中国企業の香港法人が上場する「レッドチップ」、香港地元企業の「その他」に分けられます。
香港ハンセン指数の株価推移
香港ハンセン指数は、1964年7月31日を起点として指数を100として算出を開始しています。算出を始めた時点における銘柄数は33銘柄となっていますが、2019年9月現在では50銘柄程度となっています。
香港ハンセン指数の場合は組み入れられる銘柄数は一定ではなく状況などに応じて変動します。
これまでの株価の推移を見てみると、1987年時点では2500ポイント前後で推移していましたが、2019年9月時点では26,000ポイント前後で推移しており、30年間で約10倍程度まで上昇しています。
2008年のリーマンショック前までは30,000ポイントを超えましたが、その後は大きく下落し、10,000ポイント台まで下落後、再び上昇基調となっており、2018年1月に33,000ポイントを突破し、リーマンショック前の最高値を更新しました。
2019年9月時点では、米中貿易摩擦の影響や香港の逃亡犯条例をめぐるデモの影響などにより軟調に推移しています。
香港ハンセン指数の組み入れ銘柄
証券コード | 銘柄名 | 業種 |
0101 |
恒隆地産 | 不動産 |
1038 |
長江基建集団 | 建設 |
1044 |
恒安國際集団 | 日用品 |
1088 |
中國神華能源 | エネルギー |
1093 |
石薬集団 | 製薬 |
1109 |
華潤置地 | 不動産 |
1113 |
長江実業集団 | 不動産 |
1177 |
中國生物製薬 | 製薬 |
0011 |
恒生銀行 | 金融 |
1299 |
友邦保険控股 | 金融 |
0012 |
恒基兆業地産 | 不動産 |
1398 |
中國工商銀行 | 金融 |
0151 |
中國旺旺控股 | 食品 |
0016 |
新鴻基地産発展 | 不動産 |
0175 |
吉利汽車控股 | 自動車 |
0017 |
新世界發展 | 不動産 |
1928 |
金沙中國 | 娯楽 |
1997 |
九龍倉置業地産投資 | 不動産 |
0019 |
太古(スワイヤーグループ) | 金融 |
0001 |
長江和記実業 | 不動産 |
2007 | 碧桂園控股 | 不動産 |
2018 |
瑞声科技 | 電子機器 |
2313 |
申洲國際集団控股 | 衣料 |
2318 |
中國平安保檢(集団) | 金融 |
2319 |
中國蒙牛乳業 | 食品 |
2382 |
舜宇光学科技(集団) | 電子機器 |
2388 |
中國銀行(香港) | 金融 |
2628 |
中國人寿保檢 | 金融 |
0267 |
中國中信 | 金融 |
0027 |
銀河娯楽 | 娯楽 |
0288 |
万洲國際 | 食品 |
0002 |
中電控股 | 電力 |
3328 |
交通銀行 | 金融 |
0386 |
中國石油化工 | 石油 |
0388 |
香港交易及結算所 | 金融 |
3988 |
中國銀行 | 金融 |
0003 |
香港中華煤氣 | ガス |
0005 |
HSBCホールディングス | 金融 |
0669 |
創科実業 | 機械 |
0066 |
香港鐵路(MTR) | 陸運 |
0688 |
中國海外發展 | 不動産 |
0006 |
電能実業 | 電力 |
0700 |
騰訊控股(テンセント) | 情報通信 |
0762 |
中國聯通 (チャイナユニコム) | 情報通信 |
0823 |
領展房地産投資信託基金 | 金融 |
0083 |
信和置業 | 不動産 |
0857 |
中國石油天然氣 (ペトロチャイナ) | 石油 |
0883 |
中國海洋石油 (CNOOC) | 石油 |
0939 |
中國建設銀行 | 金融 |
0941 |
中國移動 (チャイナモバイル) | 情報通信 |
香港ハンセン指数に組み入れられている銘柄は2019年9月時点で50銘柄となっています。中国企業が多いほか、金融や不動産の組み入れ割合が多いのが特徴です。
香港証券取引所上場銘柄の売買方法
香港証券取引所に上場している銘柄を売買を行う場合は、国内の証券会社のうち、中国株の取り扱いがある証券会社を選ぶ必要があります。
国内のネット証券で中国株の取り扱いが豊富なのは、デンマークの投資銀行サクソバンク傘下のサクソバンク証券の他、マネックス証券、SBI証券、楽天証券がおすすめです。
サクソバンク証券 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | |
手数料 | 0.20% | 0.5% | 0.26% | 0.25% |
上海証券取引所 | 161銘柄 | 235銘柄 | 取扱なし | 取扱なし |
深圳証券取引所 | 97銘柄 | 取扱なし | 取扱なし | 取扱なし |
香港証券取引所 | 1733銘柄 | 719銘柄 | 1500銘柄 | 2058銘柄 |
サクソバンク証券は香港証券取引所のみならず上海証券取引所、深圳証券取引所に上場している銘柄の取引が可能で取扱銘柄数は1733銘柄となります。香港証券取引所に限っては、マネックス証券が2058銘柄と国内の証券会社では取扱数は首位となります。
ネット証券における中国株の取扱銘柄数と手数料についての詳細は以下の記事でまとめていますので合わせてご覧ください。