株式投資で外国市場に分散投資するにあたり、国内の証券会社であれば取扱銘柄が少ない問題があります。今回紹介するサクソバンク証券は米国と欧州を始めとした銘柄の取扱数が多く手数料も低い特徴があります。同社の概要と特徴をまとめました。
デンマークの投資銀行サクソバンク傘下の証券会社
サクソバンク証券は、デンマークを拠点に展開している投資銀行「サクソバンク」傘下の証券会社です。
国内であれば実店舗を構えている野村證券や大和証券、ネット証券はSBI証券、楽天証券、マネックス証券の知名度は高いですが、欧州をはじめ大手の投資銀行として知名度があります。
日本での事業は2008年より行っており、もともとはFX取引業者としてサービスを提供していましたが、同社のグローバルネットワークを活用して外国株式の売買サービスにも力を入れています。
同社では外国株式の他、FXやCFD、オプション、先物取引のサービスを提供しています。今回は外国株式のサービスに特化してその概要と特徴を紹介します。
サクソバンク証券の口座開設の手順については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご検討中の方は合わせてご覧ください。
米国株約6,000銘柄、欧州株約2,400銘柄と外国株の取り扱いが豊富
サクソバンク証券の大きな特徴は米国をはじめ欧州(イギリス、ドイツ、フランス)や中国といった外国株の取り扱いが豊富なことにあります。
米国株 | 欧州株 | 中国株 | |
取扱銘柄数 | 約6,000銘柄 | 約2,400銘柄 | 約2,000銘柄 |
米国株の取り扱いは約6,000銘柄となっており、国内の米国株取り扱い数最多のネット証券であるマネックス証券の約3,000銘柄に比べると2倍の銘柄数を取り扱っていることになります。
また、現時点では国内のネット証券で取り扱いが無い欧州株の取り扱いも豊富で、イギリスが約1,000銘柄、ドイツが約600銘柄、フランスが約800銘柄と合わせて2,400銘柄の取り扱いです。
中国については、中国本土の上海証券取引所と深セン証券取引所に上場している約600銘柄に加え、香港特別行政区の香港証券取引所に上場している銘柄が約2,000銘柄取り扱っています。
具体的な取扱銘柄につきましてはサクソバンク証券公式サイトでご確認ください。
売買手数料が低く低コストで投資が可能
サクソバンク証券は、国内のネット証券とほぼ同様かそれ以下の手数料水準となっており、取扱銘柄数が多いだけではなく、低コストにグローバル投資が可能となります。
米国株の売買手数料
サクソバンク証券 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
売買手数料 | 0.20% | 0.45% | 0.45% | 0.45% |
最低手数料 | 5米ドル | 0米ドル | 0米ドル | 0米ドル |
上限手数料 | 15米ドル | 20米ドル | 20米ドル | 20米ドル |
SBI証券と楽天証券、マネックス証券の国内3社の米国株式の売買手数料は2019年7月時点で約定代金の0.45%に設定されていますが、サクソバンク証券では0.20%としており、国内ネット証券3社の2分の1の手数料水準を実現しています。
サクソバンク証券の最低手数料は5米ドル、上限手数料が15米ドルであり、上限手数料もネット証券3社の20米ドルに比べると安くなっています。
https://kabutoshimichi.com/2019/08/13/usstock-commision/
欧州株の売買手数料
ロンドン証券取引所 | フランクフルト証券取引所 | ユーロネクスト・パリ | |
売買手数料 | 0.50% | 0.50% | 0.50% |
最低手数料 | 8ポンド | 12ユーロ | 12ユーロ |
欧州株については、売買手数料として約定代金の0.50%となっています。最低手数料としてロンドン証券取引所に上場している銘柄であれば8ポンド、フランクフルト証券取引所とユーロネクスト・パリに上場している銘柄は12ユーロに設定されています。
中国株の売買手数料
香港証券取引所 | 上海・深セン証券取引所 | |
売買手数料 | 0.20% | 0.20% |
最低手数料 | 40香港ドル | 40人民元 |
中国株については香港証券取引所に上場している銘柄であれば、約定代金の0.20%で最低手数料が40香港ドルとなります。上海証券取引所と深セン証券取引所に上場している銘柄は約定代金の0.20%とし、最低手数料は40人民元となります。
中国株を取り扱っている国内のネット証券、SBI証券とマネックス証券の手数料をあわせて見てみると、SBI証券が約定代金の0.26%で最低手数料が47香港ドル、マネックス証券が約定代金の0.25%で最低手数料は45香港ドルとなり、ややサクソバンク証券がお得に取引できます。
個別株CFDを利用して外国株の空売りやレバレッジ取引も可能
サクソバンク証券は、国内の証券会社では取り扱いが無い個別株CFDを利用した外国株の空売りやレバレッジを利用した取引も可能となっているのが特徴です。
米国株であれば、日本株とは異なり右肩上がりに推移する銘柄が多いため、あまり空売りの需要は低く、ほとんどが長期投資として利用されていますが、株式市場が低迷しているときににも短期的に利益を上げたい場合や、乱高下が激しい個別銘柄を利用して短期的な利ざやを稼ぐといったことも可能となります。
また、レバレッジを利用することで、手元資金より多くの金額の取引が実現できます。そのため、少ない金額でもより多くの利益を獲得できることが期待できます。
サクソバンク証券の個別株CFDの詳細については、サクソバンク証券公式サイトでご確認ください。
NISA口座には非対応のため注意が必要
サクソバンク証券は、対応口座種別として一般口座と特定口座(源泉徴収有り・無し)に対応しています。一方で、少額投資非課税口座(NISA)口座には対応していませんので、その点あらかじめ留意しておく必要があります。
サクソバンク証券への口座開設の手順については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。口座開設時はマイナンバーカード(個人番号カード)といった身分証明書を画像データに取り込んで用意しておくことで迅速に手続きが可能です。