運用で資産形成を行うには日本のみならず世界の経済が成長を取り込むことが重要となります。今回は、世界の成長の見通しと世界への投資で確実な資産形成を行うためのポイントをお伝えします。
中国やインドなどアジアが世界経済の牽引役として期待
中長期的に見ると世界経済を牽引するのは中国やインドなどアジア諸国となりそうです。
特に将来的に期待が高まっているITといったハイテク産業においては、中国やインドを始めとしたアジア勢の勢いがましており、ハイテク産業を牽引した米国においてもサプライヤーとしてアジアの存在は不可欠な存在となっています。目先では貿易摩擦の影響でハイテク産業への影響も懸念されつつあり、短期的にはどのような結果になるかは不明確ではあるものの、ハイテク産業を下支え役としての地位は揺らぎることは無いものと考えられます。
中国人口推移(総務省統計局のデータを元に筆者作成)
また、アジアはインドや東南アジア諸国をはじめ人口が増加しているのも経済成長として期待できる理由でもあります。中国についても日本同様に少子高齢化の懸念が取り上げられていますが、政府が一人っ子政策を廃止したことで、2030年までは人口増加が予想されています。総務省の「世界の統計2018」の予測では2020年に14.2億人、2030年に14.4億人、2040年には14.1億人と予想されています。
インド人口推移(総務省統計局のデータを元に筆者作成)
インドについては、今後の更に人口が増える見通しで、2020年には13.8億人、2030年には15.1億人、2040年には16億人と予想されています。
これまで地球規模でみると欧州の近代までは欧州の影響力が強い時代が続きましたが、産業革命以前は中国やインドなどアジアの経済規模が大半を占めていたと言われています。歴史は繰り返すと言われますが、今後はアジアにおける世界経済の影響力はますます大きくなるは確実となりそうです。
増え続ける世界の人口、2050年には95億人以上も
世界の人口推移(総務省統計局のデータを元に筆者作成)
前述したとおり、アジアを筆頭に世界の人口はまだまだ増え続けているもの無視できません。総務省の「世界の統計2018」では、世界人口は2050年までに97.7億人になると推測しています。上記グラフでおわかりの通り、10年間で約10億人程度人口が増える計算となります。
もちろん、人口増加によって経済が確実に成長するとは言い切れず、地球の気温の上昇をもたらす、食料が不足するなど、人口が増えれば増えるほど懸念事項も大きくなるもの事実です。
ただし、中期的に見るとアジアを中心に発展を続けており、人口が増えることで生産年齢人口も増加することから、その発展をさらに加速させていくことが期待できます。
世界分散投資は上場投資信託(ETF)がおすすめ
アジアを中心に世界に分散して投資するには、上場投資信託(ETF)の活用がおすすめです。
ETFは、株価指数などに連動するように銘柄を組み入れて証券取引所に上場することで、個別株と同様に売買できる投資商品です。ETFを活用することで市場全体に投資できることに加え、低コストでの運用が可能になります。
https://kabutoshimichi.com/2018/01/05/etf/
その中でもおすすめなのが、バンガード社がて提供している「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」です。SBI証券が2014年に発表した海外ETFのランキングでは1位を獲得しています。
同ETFは、英国の経済紙ファイナンシャル・タイムズが算出している「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」指数に連動したETFで、先進国と新興国をあわせて世界47カ国の大型、中型、小型株の約8,000銘柄に幅広く分散した投資できます。2018年5月時点で経費率は0.10%となっており、非常に低コストで運用が可能です。
同ETFは、国内ではサクソバンク証券の他、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で取り扱っています。バンガードETFについての詳細は以下に詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
上場投資信託(ETF)がお得に取引できる証券会社
サクソバンク証券 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
ETF銘柄数 | 米国:約1000銘柄 欧州:約1700銘柄 香港:約70銘柄 |
外国:約300銘柄 | 外国:約300銘柄 | 外国:約300銘柄 |
売買手数料 | 米国:0.025% 欧州:0.1% 中国:0.25% |
米国:0.45% 中国:0.26% 韓国:0.9% |
米国:0.45% 中国:0.26% |
米国:0.45% 中国:0.26% |
無料ETF | – | 9銘柄 | 9銘柄 | 27銘柄 |
取引手数料についてもインターネット証券を活用することで、安価に売買できることも特徴です。
外国市場に上場しているETFを約2,700銘柄を取り扱っているサクソバンク証券では、米国の証券取引所に上場しているETFの売買手数料は0.025%となっています。
SBI証券で楽天証券、マネックス証券は、外国株式市場に上場しているETFを300銘柄超取り扱っており、世界で人気が高いバンガード社のETFやブラックロック社のETFなど対象の9銘柄で買付手数料が無料となっています。マネックス証券では、ウィズダムツリー社のETF27銘柄の売買手数料が無料で利用できます。