原油価格が高騰すると実経済にとってもマイナスの影響を与えることも多く原油価格の上昇は株価下落要因となります。一方、リスクヘッジとして、原油価格が上昇することでその恩恵を受けられる投資として原油価格に連動する上場投資信託(ETF)を活用する方法があります。
原油価格はジェットコースターのように乱高下する
原油価格は需要と供給のバランスによって決められますが、これまでの原油価格の推移を見ると、ジェットコースターのように乱高下していました。
近年では2018年5月頃に米国のトランプ大統領がイラン核合意から離脱を表明したことでイラン制裁再開を懸念し原油価格が上昇し、NY原油価格は1バレル70ドルを超えました。その頃は、日本では5月の連休もあり、ガソリン需要が高まる時期でもあったことから、ガソリン代の上昇など家計にとっても負担が大きいものとなりました。
その後は、夏頃まで上昇を続けていましたが、2018年9月移行下落に転じ2018年12月24日に1バレル42.53ドルと安値をつけた後、再び上昇に転じ、2019年5月時点で1バレル63ドル前後で推移しています。2019年5月は天皇陛下即位に伴う10連休とあり、出かける方が多いさなかガソリン代まで値上がりしました。
また、2020年にはいって、新型コロナウイルスによる感染症拡大により、航空機需要などが大きく減少したことで、原油価格は大幅に下落しその後低迷を続けています。
原油価格の上昇は実経済と日常生活にも影響を及ぼす
原油価格が上昇することは、前述した通りガソリン代が値上がりするなど、普段使用している燃料価格が値上がりすることになりますので日常生活にも影響を及ぼすことになります。
燃料価格が上がるため、極端ではありますが外出を控える、無駄な消費を控えるといった行動が予想されますので、実経済にもお金の供給が減少し、経済へにもマイナスな影響を及ぼします。
そのため、株価にとっても下落要因となり、電気やガス、運輸など原油を燃料として事業を展開している企業の株価が下落する他、消費低迷等を懸念して製造業や小売業などにもその影響を及ぼします。一方で、石油を調達して販売している石油株や商社株は逆に上昇する傾向にあります。
原油価格連動型ETFを使ってリスクヘッジが可能
原油価格が上昇すると、日常生活の家計への負担が増す他、株価が下落するなどあまり良いことは無いですが、家計への負担を減らしたい、株価の下落の影響を少しでも抑えたいと考えた場合、原油価格に連動するETFを使ってリスクヘッジすることが可能です。
これらは原油価格に連動するETFですので、原則として値上がり益のみを狙うものとなりますので、長期的に保有するのではなく原油価格が上昇したタイミングで利益確定を行うことが重要です。商品ですので分配金の支払いもありません。
今回は東京証券取引所で売買できる2銘柄を紹介します。
原油価格連動型上場投資信託(ETF)
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 | WTI原油価格連動型上場投信 | |
連動指数 | WTI先物 | WTI先物 |
証券取引所 | 東京証券取引所 | 東京証券取引所 |
証券コード | 1699 | 1671 |
運用会社 | 野村アセットマネジメント | シンプレクス・アセット・マネジメント |
基準価格 | 117円前後 | 956円前後 |
信託報酬率 | 0.50% | 0.935% |
取引単位 | 10口 | 1口 |
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信の過去2年間の値動き
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信は、WTI先物に連動したNOMURA原油インデックスに連動する原油価格連動型のETFです。
2020年12月30日時点で1口あたり117円で取引を終了しています。売買単位は10口単位となっており、1,000円前後で売買できます。信託報酬は0.50%に設定されています。
WTI原油価格連動型上場投信(1671)
WTI原油価格連動型上場投信の過去2年間の値動き
WTI原油価格連動型上場投信は、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する原油価格連動型ETFです。
2020年12月30日時点で1口あたり950円前後となっています。売買単位は1口単位で売買することが可能です。信託報酬は0.935%に設定されています。
上場投資信託(ETF)の取引におすすめな証券会社
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | SBIネオトレード証券 | 松井証券 | |
ETF銘柄数 | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) |
売買手数料(※) | 50~487円 | 50~487円 | 100~1500円 | 50~800円 | 0~1000円 |
無料対象ETF | NEXT FUNDSなど113銘柄 | MAXISシリーズETFなど118銘柄 | iシェアーズETF11銘柄 | 無し | 無し |
(※)約定代金100万円までの税抜手数料
原油価格に連動する上記2銘柄は全国の証券会社で取り扱っています。よりコストを抑えて取引したい方は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券、SBIネオトレード証券といったネット証券を活用することで売買手数料がお得に利用できます。
また、SBI証券や楽天証券ではNEXT FUNDSシリースやMAXISシリーズを中心に無料で購入できるETFを取り扱っており、取引手数料を抑えて投資することが可能です。
また、SBI証券や楽天証券、マネックス証券では、少額投資非課税制度(NISA)を活用することでも売買手数料を無料にできます。
証券会社各社の取引手数料詳細は以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。