決算で株価はどう動く?企業決算から投資のヒントを得るポイントを解説

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上場企業では四半期毎に事業活動で得た売上や利益などを報告する決算を行います。上場企業の決算は投資する上で重要な判断材料となるだけとあり、決算内容で株価が大きく動くこともあります。今回は上場企業の決算から投資のヒントを得るためのポイントを解説します。

上場企業は四半期毎に「決算短信」を発行し業績を公表する

株式投資を行う上で、一番重要な投資判断材料となるのが企業の業績です。企業は、公表した業績については、四半期毎に証券取引所に提出が義務付けられている「決算短信」に業績の概要が記載します。

決算短信は、企業で言うと「成績表」に該当するものですが、注目すべき点としては、今期の「売上高」の他、経費を差し引いた本業の儲けである「営業利益」、本業以外の収支を加味した「経常利益」、最終的に手元に残る「純利益」、純利益を一株当たりの株式数で割って算出する「一株当たりの純利益(EPS)」です。特に、株主の利益につながる「営業利益」と「一株当たりの純利益」については強く重視する投資家は多いです。

決算短信は、日本企業の場合は3月決算が東京証券取引所に上場している企業の6割と多く、4月から翌年3月末までを1年間として計算する企業が多いです。例えば、2019年3月期の決算であれば、2018年4月から2019年3月末まで稼いだ売上や利益などを計算します。

年間4回決算を公表することとなっていますので、四半期ごとにおける事業の進捗率を確認できます。3月決算の企業であれば、4~6月期、4~9月期、4~12月期、4月から翌年3月期は連結決算として「本決算」となります。上場企業は、本決算のタイミングにおいて次年度の決算予想を公表します。そのため、多くの投資家はこの決算予想に基づいて、予想が達成できるかを判断を行います。

決算短信は、企業のホームページで公表される他、日本取引所グループのホームページでも確認することができます。また、SBI証券楽天証券マネックス証券などネット証券を活用することで、最新の決算情報を入手できるほか、無料口座開設でアナリストの解説も閲覧することができます。

当初予定していた予想に届かなかった場合は目標を修正することもある

企業は年間の本決算において、次年度の予想を公表を行いますが、年度内で予想以上に売上が増えたり、逆に予想外に売上が減ったりした場合、予想を修正することがあります。

当初予定していたより、売上が増え当初開示した予想より大きく収益が増えそうであると判断した場合は、目標を「上方修正」を行います。逆に、年度内に想定外の出来事が発生し収益が予想に比べて大幅に減少すると判断した場合は、目標を引き下げる「下方修正」を行います。

決算で目標が変わった場合は、決算でその事実が公表されたタイミングで株価がその事実を織り込んでいいない場合は、株価が大きく変動することになります。決算内容を上方修正したのであれば株価は上昇し、逆に下方修正したのであれば株価は下落します。もちろん、四半期ごとの進捗である程度その内容が織り込まれている場合もあり、必ずしも目標修正で記述したとおり株価が動くとは限りません。

また、これから投資したいと考えている企業についても、過去の目標修正有無をしっかりと確認することをおすすめします。目標どおりしっかりと達成できていることは重要ですが、過去に下方修正を繰り返している場合は投資判断を行うには注意が必要です。



決算の予想に基づいて株価は大きく変動する

Microsoftの株価(2019年4月24日の決算では市場予想を上回り翌日は130ドル台まで上昇した)

決算が株価に与える影響としては、その殆どが業績予想であると言えます。

単純に売上と利益が増えたから株価があがる、逆に減ったから株価が下がるというわけではありません。売上と利益が増えたが、投資家の予想を下回っていた場合は株価が下がる傾向があります。逆に、収益が減っていてもそれが予想以上の減少が見られなかった場合は株価が上がることもあります。

あらかじめ提示された決算予想にもとづいて、四半期ごとの決算内容から目標修正の有無を問わず、決算内容が目標を上回ると判断した場合は株価が上昇するケースが見られます。

そのため、投資先の決算については、公表された後は速やかに目を通す他、ご自身で進捗率を管理しておくことも重要です。また、過去の決算で目標達成ができているのか、過去の下方修正は多くないかなど、過去の実績もしっかりと確認しておくことが重要です。

進捗率を確認するには、決算短信だけではご自身で前回の決算と見比べるなどの手間が発生しますが、SBI証券楽天証券マネックス証券などネット証券であれば、無料口座開設で進捗率の確認も可能です。

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