日本特有の親子上場の問題点とは何か?

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日本国内においても親子上場の是非について議論が行われています。それに伴い、親子上場に関する注目が集まり、外国人投資家を中心に疑問を投げかける声が聞かれています。今回は日本国内の親子上場の問題点について考えてみました。

親子上場とは何か?

親子上場とは、上場している親会社の子会社を株式市場に上場させることで、親子で株式市場に上場している状態のことを言います。

冒頭でも記載しましたが、2018年12月にソフトバンクグループ(9984)の携帯通信子会社ソフトバンク(9434)が上場したのは記録に新しい出来事です。それ以外にも、NTT(9432)もNTTドコモ(9437)、NTTデータ(9613)と親子で上場しています。

また、近年、元トップの不正が疑われているガルロス・ゴーン氏が率いていた日産自動車(7201)も仏ルノー(RNO)が大半の株式を保有しており、実質親子上場状態であると言えます。

親子上場は日本における特有のことであり、米国や欧州において親子上場している企業はほぼ皆無であるのが現状です。ただし、国内でも親子上場を改善する動きは出始めています。少し古いデータですが、2017年10月10日付けの日本経済新聞の記事によると、「東京市場では06年度に417社あった親子上場が直近で270社まで減った。」としており、ここ10年の間半数に減っていることになります。



親子上場の企業側から見た長所と短所

親子上場を行うことは、株主より企業側にとって利点が大きい側面があります。親会社であれば子会社を売却することで、資金調達が可能になる他、上場により親会社の経営の影響力は少し下がりますが、引き続き経営への影響力を残しておくことも可能です。

ただし、子会社側の情報開示も必要になるなど、情報開示範囲が広がる短所があります。また、これまで子会社が稼いだ利益も、上場することで一部が外部の株主に流れることになり、利益の取り分が減少してしまいます。

子会社にとっては、上場することで知名度が向上することになります。ただし、親会社が一部株式を市場で売却することになりますので、経営の裁量権が増えることに繋がるデメリットがあります。また、親会社だけではなく、外部の株主の利益を考えた経営を行う必要も出てきます。



親子上場の株主側の立場にたった問題点

親子上場を行うことで、株主側にとってはメリットよりもデメリットが大きくなります。

親会社の株主であった場合、前述したとおり子会社の一部を売却することで、その利益が子会社の外部の株主に出ていくことになります。そのため、親会社がグループで稼いだ利益が減ることになり、株主側の取り分としても実質減ることに繋がります。

子会社側の株主の場合、一部が売却されたといえども、親会社の影響が強く残っていますので、親会社の意向に左右されやすく、少数の株主の意向が反映されづらくなる問題があります。親会社の意向だけ左右されない経営体制を構築するためにも、社外取締役の数を増やすなど企業統治体制をしっかりと構築することが求められます。



政府も上場子会社に統治方針を検討

親子上場は日本特有で少数の株主の利益を損なう恐れがあることから、企業統治の側面で考慮すると望ましいとは言えません。政府も日本の株式市場において投資の魅力を高め、投資マネーを呼び込み経済成長を促すために、企業統治の策定などにも動いていますが、2019年3月7日に開催された未来投資会議においても上場子会社への統治方針を検討しました。

親会社に左右されない経営体制を構築し、株主全体の利益を守っていくためにも、社外取締役の比率を過半にする指針を検討しています。

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