株式投資では基本的には株価が上昇することで利益を得るものですが、このように株式相場が下落局面においても利益が狙うには、インバース型のETFを活用する方法があります。今回は、日経平均株価の逆の値動きを行うインバース型ETFを比較して紹介します。
インバース型ETFとは?
インバース型ETFとは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など特定の指数に対して逆の値動きで推移するように設計されたETFです。
ETFは、特定の指数に連動するように銘柄が組み入れられており、基本的には上昇局面で利益を狙うものになります。ただし、株価は需給関係で価格が決まりますので、経済に何かしらの懸念材料が出た場合、株を売る人が増えますので株価は下落することになります。
今回紹介するインバース型ETFを活用することで、指数と反対の値動きを行いますので株価が下落局面でも利益を狙うことができます。
インバース型ETFの詳細については以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
日経平均株価の逆の値動きを行うインバース型ETF7本
証券コード | 銘柄 | 運用会社 |
1571 | NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 | 野村アセットマネジメント |
1580 | 日経平均ベア上場投信 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
1456 | ダイワ上場投信日経平均インバースインデックス | 大和証券投資委託 |
1357 | NEXT FUNDS日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投資信託 | 野村アセットマネジメント |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
1366 | ダイワ上場投信日経平均ダブルインバースインデックス | 大和証券投資委託 |
1459 | 楽天ETF日経ダブルインバース指数連動型 | 楽天投信投資顧問 |
日経平均株価の逆の値動きを行うインバース型ETFは2018年11月時点で7本となっています。7本の内4本は、日経平均株価に対してマイナス2倍の値動きを行うダブルインバースとなっています。
ETFのため、証券取引所を通じて売買することができます。そのため、インバース型のETFを購入する場合は証券会社を通じて購入することになりますが、証券会社ごとに売買手数料が異なりますので、あらかじめ取引のある売買手数料を確認した上で購入することをおすすめします。
後述していますが、SBI証券や楽天証券、マネックス証券を活用することで売買手数料を安く抑えることができます。
売買単位と最低買付け価格の比較
証券コード | 銘柄 | 売買口数 |
1571 | NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 | 1口単位 |
1580 | 日経平均ベア上場投信 | 10口単位 |
1456 | ダイワ上場投信日経平均インバースインデックス | 1口単位 |
1357 | NEXT FUNDS日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投資信託 | 1口単位 |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 10口単位 |
1366 | ダイワ上場投信日経平均ダブルインバースインデックス | 1口単位 |
1459 | 楽天ETF日経ダブルインバース指数連動型 | 1口単位 |
売買単位と最低買付け価格を比較してみました。売買単位は1口もしくは10口となっており、少数から売買することが可能となっています。
1口から売買できるETFは数千円、10口から売買できるETFは数万円で取引ができますので、少額から購入することができます。
既存の株式投資のリスクヘッジとして購入する場合などは、既存の株式投資している金額と同額程度の資金でインバース型ETFを購入しなければリスクヘッジはできませんので注意が必要です。例えば、株式投資で100万円投じている場合、日経平均ベア上場投信を10口購入しただけではリスクヘッジはできませので、最低でも200口程度の買付けが必要となります。
ETFは個別株とは異なり、1口もしくは10口と少数単位で売買できますので状況におうじて保有口数を調整しやすいのもメリットであると言えます。
信託報酬は0.8%程度が目安
証券コード | 銘柄 | 信託報酬 |
1571 | NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 | 0.88% |
1580 | 日経平均ベア上場投信 | 0.825% |
1456 | ダイワ上場投信日経平均インバースインデックス | 0.825% |
1357 | NEXT FUNDS日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投資信託 | 0.88% |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 0.825% |
1366 | ダイワ上場投信日経平均ダブルインバースインデックス | 0.825% |
1459 | 楽天ETF日経ダブルインバース指数連動型 | 0.385% |
日経平均株価の逆の値動きを行うインバース型ETFは、運用会社に運用管理手数料として支払う信託報酬を支払う必要があります。信託報酬は概ね0.8%程度に設定されています。
7本のETFの中でも信託報酬が安いのは楽天投信投資顧問が運用する楽天ETF-日経平均ダブルインバース指数連動型(1459)が0.35%と低く設定されています。
インバース型ETFは通常のETFと比べて長期投資を行うものではありませんが、信託報酬は安いに越したことはありませんので、銘柄を選定する場合は信託報酬をしっかりと確認した上で売買する銘柄を選択します。
インバース型ETFは分配金には期待できない
インバース型ETFは、あくまでも下落局面において既存の株式投資のリスクヘッジとして短期間で運用したい場合や、下落局面でも運用パフォーマンス維持したいと考えている場合に短期的に運用する目的で設定されているETFです。
長期的に保有すると、下落局面が連続して続けば良いですが、株価は上下を繰り返すため、価格が価格が乖離してしまい運用パフォーマンスが十分に得られないことにもなります。また、分配金の支払いも現時点では行われていませんので、あくまでも短期的な運用に適した商品であるといえます。
証券会社の売買コストも重要
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | SBIネオトレード証券 | 松井証券 | |
売買手数料(※) | 50~487円 | 50~487円 | 100~1500円 | 50~800円 | 0~1000円 |
定額手数料(※) | 0円 | 0円 | 2,500円 | 400円~600円 | 0円~1000円 |
(※)約定代金100万円までの税抜手数料
インバース型のETFを売買する際、運用も短期間で行うことから、売買頻度が高くなることが予想されます。その為、証券会社の売買手数料についてもしっかりと調べておくことが重要です。
売買手数料はネット証券を利用することで、手数料を抑えて売買できます。また、インターネットがあればいつでもどこでも取引できますので、わずかな取引機会を逃すことはありません。売買する際は、取引毎に毎回手数料を支払うプランの他、売買頻度が高めな方に、1日あたりの取引が定額で利用できるプランが利用できます。
インバースETFは売買頻度が高いことも多いかと思いますが、定額プランを利用することで、SBI証券と楽天証券では1日あたりの約定代金が100万円までは0円、松井証券では50万円までが0円で取引できます。
ネット証券各社の取引手数料の詳細は以下の記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。