普段ニュース等で耳にする日経平均株価といった指数に連動する運用成績を目指す投資商品として上場投資信託(ETF)があります。日本を代表する株価指数である日経平均株価に連動する上場投資信託(ETF)8銘柄を比較して紹介します。
上場投資信託(ETF)とは?
上場投資信託(ETF)とは、Exchange Traded Fundsの略で、日本語で言うと「上場投資信託」といいます。投資信託は複数の銘柄や資産を組み合わせて運用する投資商品ではありまあすが、この投資商品を証券取引所に上場させることで、市場価格でリアルタイムで売買することができます。
現在国内で上場しているETFは、日経平均株価や東証株価指数といった特定の指数に連動するインデックス型となっています。そのため、運用する際に発生するコストが低く抑えられる他、運用者にとっても、個別銘柄を発掘する手間を省け、市場全体に投資できますので分散投資できるメリットがあります。
ETFの詳細については以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
https://kabutoshimichi.com/2018/01/05/etf/
日経平均株価に連動するETF8銘柄
証券コード | 銘柄 | 運用会社 |
1320 | ダイワ上場投信日経225 | 大和証券投資信託委託 |
1321 | 日経225連動型上場投信 | 野村アセットマネジメント |
1330 | 上場インデックスファンド225 | 日興アセットマネジメント |
1329 | iシェアーズ日経225ETF | ブラックロック・ジャパン |
1346 | MAXIS日経225上場投信 | 三菱UFJ国際投信 |
1578 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) | 日興アセットマネジメント |
1369 | One ETF 日経225 | アセットマネジメントOne |
1397 | SMAM日経225上場投信 | 三井住友アセットマネジメント |
2020年12月時点で東京証券取引所に上場している日経平均株価に連動するETFは8銘柄あります。
日経平均株価に連動するETFの中でも運用会社が異なるほか、運用会社に支払う運用管理手数料である信託報酬が異なります。ただし、日経平均株価に連動するため、多少指数と乖離する場合もありますが、株価の推移については大幅な相違はありません。
また、ETFを運用する場合においては、証券会社を通じて購入する必要があります。売買については証券取引所が仲介しますので、一般的な個別株と同様に、証券会社が定めた売買手数料を支払う必要があります。
そのため、ETFを運用する場合は、各ETFの信託報酬と証券会社における売買手数料をしっかりと確認した上で、銘柄を選定することが重要です。
信託報酬の比較
証券コード | 銘柄 | 信託報酬 |
1320 | ダイワ上場投信日経225 | 0.16% |
1321 | 日経225連動型上場投信 | 0.22% |
1330 | 上場インデックスファンド225 | 0.23% |
1329 | iシェアーズ日経225ETF | 0.11% |
1346 | MAXIS日経225上場投信 | 0.17% |
1578 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) | 0.23% |
1369 | One ETF 日経225 | 0.16% |
1397 | SMAM日経225上場投信 | 0.14% |
東京証券取引所に上場している日経平均株価連動型のETFの信託報酬は0.22%から0.14%程度に設定されています。特に、長期運用する場合は信託報酬が低いETFを選定することをおすすめします。例えば、0.22%と0.14%を10年間運用した場合のトータルで支払う信託報酬は、前者が2.2%になるのに対して、後者が1.4%となり約1%の差が発生します。
上記8銘柄の中で信託報酬が安いのは、ブラックロック・ジャパンが運用している「iシェアーズ・コア 日経225 ETF 」が0.105%、三井住友アセットマネジメントが運用している「SMAM 日経225上場投信 」が0.14%、三菱UFJ国際投信が運用している「MAXUS 日経225上場投信」が0.17%です。
分配金利回りの比較
証券コード | 銘柄 | 分配金利回り |
1320 | ダイワ上場投信日経225 | 1.73% |
1321 | 日経225連動型上場投信 | 1.55% |
1330 | 上場インデックスファンド225 | 1.54% |
1329 | iシェアーズ日経225ETF | 1.54% |
1346 | MAXIS日経225上場投信 | 1.48% |
1578 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) | 1.19% |
1369 | One ETF 日経225 | 1.44% |
1397 | SMAM日経225上場投信 | 1.85% |
ETFは、年に1回もしくは2回決算を行います。その際に運用で得た収益を分配金として支払います。分配金は1口あたりの金額で計算され保有口数に応じて支払われます。
2018年10月時点における日経平均株価に連動する8本のETFの内、分配金利回りが高い銘柄上位3本は、三井住友アセットマネジメントが運用するSMAM日経225上場投信で分配金利回りは1.85%となります。続いて、大和証券投資信託委託が運用するダイワ上場投信ー日経225の1.73%、野村アセットマネジメントの日経225連動型上場投資信託の1.55%となります。
分配金利回りが高いSMAM日経225上場投信は、毎年4月8日と10月8日の年2回決算を行います。直近に支払われた分配金は1口あたり406円支払われました。
ダイワ上場投信ー日経225と日経225連動型上場投資信託は、前者が毎年7月10日、後者が7月8日の年1回の決算となっており、直近で支払われた分配金は1口あたり、前者が389円、後者が350円支払われています。
ただし、分配金利回りは将来的な運用状況によって変わってきますので、分配金利回りだけを見て運用銘柄を選択するのではなく、信託報酬や後ほど紹介する証券会社の売買手数料を優先的に考慮すべきであると言えます。
ネット証券のETF売買手数料比較
日経平均株価に連動する8本のETFを比較しましたが、信託報酬の安さと分配金利回り、運用パフォーマンスをトータルで考慮した場合、三井住友アセットマネジメントのSMAM日経225上場投信が運用を行う上ではバランスが良いと言えます。
ETFは信託報酬や分配金利回り、運用パフォーマンス以外に考慮すべき点として、証券会社における売買手数料に関わるコストを考慮する必要があります。以下の記事でも記載しましたが現在、ネット証券を中心にETFの流動性を高めるべく特定のETFの売買手数料を無料で売買可能な場合があります。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | SBIネオトレード証券 | 松井証券 | |
ETF銘柄数 | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) | 国内上場全銘柄(221銘柄) |
売買手数料(※) | 50~487円 | 50~487円 | 100~1500円 | 50~800円 | 0~1000円 |
無料対象ETF | NEXT FUNDSなど113銘柄 | MAXISシリーズETFなど118銘柄 | iシェアーズETF11銘柄 | 無し | 無し |
(※)約定代金100万円までの税抜手数料
楽天証券では、三菱UFJ国際投信が運用するMAXISシリーズのETFを中心に118銘柄の売買手数料を無料としています。日経平均株価に連動するETFでは、これまで紹介した「MAXIS日経225上場投信」の売買手数料が無料となります。また、SBI証券ではNEXT FUNDSを中心に113銘柄が無料で取引できます。
証券会社毎の詳細な売買手数料は以下の記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。