株価の暴落は株式投資を行う上で避けては通れない事象です。暴落が発生する場合投資家心理が悪化することになりますが、これを客観的に知る「日経平均VI指数」という指標が活用できます。
投資家心理を示す日経VI指数
世界的な景気減速が懸念される場合、株価は先手して景気に敏感に反応しますので投資家は株を売却して債券や金など安全資産に資金を移す動きを行います。そのため、債券価格や金といった商品価格が上昇することになります。
株価が急に下落した場合は大抵投資家心理が悪化していることを示しているのですが、それを客観的に示す指数として活用されているのがボラティリティ・インデックス(VI)です。
日経平均VI指数とは、投資家心理を数値化して表したもので、日経平均株価の先行きにどのように感じているかを判断することができる指数となります。
別名「恐怖指数」と呼ばれることもあります。ボラティリティとは、英語で「Volatility」に該当するもので、日本語でいうと「変動率」に該当します。
日本の日経平均VI指数以外に、米国のS&Pの価格変動に対して投資家心理を示した「VIX指数」があります。
米VIX指数推移
VIX指数や日経平均VIは、15から20程度で推移していますが、投資家心理が悪化すると急に数値が急上昇します。そのため、のこぎり型のチャートを形成します。
日経平均VI指数が15を下回れば株価の下落を予測
VI指数は平常時であれば15から20程度で推移していますが、これが15を下回った場合は、投資家が相場に対してあまりにも楽観視しすぎていることとなり、少しでも経済を脅かす悪材料が出ると一気に投資家が反応し株価が急落し調整局面に入りやすくなる傾向があります。
日経平均VI指数推移
過去の日経平均VI指数の動向を見た場合、概ね15を下回ったタイミングで、値が一気に上昇していることがわかります。直近では2017年においては株式市場は大変良好でしたが、VI指数は15を下回って推移していました。その後、2018年2月に米国のFRBが利上げを示唆したことで一気に投資家心理が悪化し、日経平均VI指数は36まで上昇しました。
VI指数が15を下回ったタイミングでは、他の投資家が楽観視している状況であっても何かしらの材料で急落の可能性があるということを予測し、保有株を整理するなど急落がいつ起きても良いように備えておくことが重要であると言えそうです。
VI指数は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券といったネット証券でいつでも確認できますので普段の株価チェックと合わせて利用してみると良いでしょう。