少額投資非課税口座(NISA)は証券会社と銀行どちらが良いのか?

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年間120万円の投資で得た売却益と分配金が最長5年間非課税となる少額投資非課税制度(NISA)を利用するには、証券会社もしくは銀行にNISA専用の口座を開設した上で利用する必要があります。

ただし、証券会社と銀行では取り扱っている投資商品は異なっているため、あらかじめ両者の違いを理解した上で、ご自身の運用ニーズにあった金融機関を選ぶ必要があります。

今回は、NISAを利用するには証券会社と銀行どちらが良いのかを考えてみます。

証券会社と銀行の違い

証券会社と銀行のどちらにNISA口座をするかについては、同じ金融機関でも両者の違いを明確にした上で口座開設を検討する必要があります。

証券会社は有価証券の取次ぎを行う

これまで投資を行ってこなかった方の多くが馴染みはあまり無いと思いますが、証券会社とは有価証券の取次ぎや引受けを行う金融機関のことです。

有価証券とは、株式や債券、投資信託などのことで、このような有価証券を購入するには証券会社を通じて購入する必要があります。例えば、株式を購入するとなった場合、顧客の注文内容に応じて証券会社が証券取引所と個人に間に入って売買を取次ぎます。株式の売買は証券取引所が一括して行っており、複数の証券会社の売買注文を一括して仲介しています。

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銀行はお金を貸すところ

投資を行っていなくても、日常生活の資金を預ける場合、日常的に銀行を利用しているかと思いますが、銀行は企業などお金を必要としている人にお金を貸す金融機関です。

よく勘違いされやすいのが、我々が持っているお金を大切に保管してくれる所ではなく、正式には個人や法人から預かったお金を手元に、お金を必要としている企業などにお金を貸しています。

銀行は企業にお金を貸すことで、金利収入を得ますが、我々個人から預かったお金を手元に企業にお金を貸しているため、個人に対しても利息として金利を支払う必要がありますが、銀行は企業から支払われた金利と、個人に支払う金利の差(利ざや)で収益を得ています。

銀行は、基本的にはお金を貸す所であるため、株式や債券といった有価証券の取り扱いはできませんが、1998年12月より銀行でも投資信託のみ取り扱いが解禁されたことで、顧客のお金を預かるだけではなく運用も合わせて支援するなどお金のトータルサービスを提供できるようになりました。

ただ、近年では2014年2月から日銀の黒田総裁が発動したマイナス金利政策の影響で、銀行の収益は厳しくなっており、投資信託などの販売による手数料収入で稼ぐ傾向が強まっています。

証券会社と銀行では取り扱っている投資商品が違う

証券会社と銀行では、前章の説明でおわかりいただいたとおり、取り扱っている投資商品が異なります。

証券会社

証券会社は株式や債券、投資信託など多彩な投資商品を取り扱っています。株式については基本的には証券取引所で売買を仲介する販売形態を採用しているため、証券会社によって取扱銘柄が大きく異なることはありませんが、債券や投資信託の取り扱いについては、証券会社によってさらにばらつきがあるのが現状です。

近年ではインターネットの普及でSBI証券楽天証券マネックス証券といったネット証券の活用が増加しています。また、ネット証券は実店舗を構えている証券会社と比べてサービス展開にコストが抑えられるため、株取引の手数料が安いことや、債券の販売、投資信託の取扱数が多い特徴があります。

例えば、SBI証券では2018年10月時点での投資信託の取り扱い数は2674本、楽天証券が2646本となっています。

銀行

銀行は、基本的にはお金を貸すことが本業となり、投資信託の販売は顧客の運用ニーズに答えるための付加的なサービスである副業であることなどから、銀行が売りたい投資信託のみを取り扱っており、銀行にもよりますがその本数もそんなに多いとは言えません。

近年では、銀行も低金利で収益が厳しくなる中、投資信託の販売手数料で稼ごうとする銀行が増えており、顧客に手数料が高い投資信託を勧める傾向があります。

手数料が高いことは、将来的に得られる利益も手数料が多く差し引かれることとなり、運用パフォーマンスを落とす要因となります。

株式や投資信託など幅広く低コストに投資したいのであれば証券会社がおすすめ

NISAでは証券会社と銀行のどちらが良いかと聞かれると、筆者としては証券会社をおすすめします。証券会社であれば株式や投資信託といったNISAで投資できる投資商品の取り扱いや投資の選択肢が多いことや、コストを抑えた運用が可能になることにあります。

特に、ネット証券を使うことで、NISAでの株の売買手数料が無料になるほか、投資信託の取り扱い数うも多いことに加え、販売手数料が掛からないノーロードファンドの取り扱いも充実しています。ノーロードファンドであれば、SBI証券は2018年10月時点で1335本、楽天証券が1337本、マネックス証券は723本、松井証券はブル・ベア型の投資信託を除き556本がノーロードファンドとなっています。

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