SBI証券は、確定拠出年金(iDeCo)において新プラン「セレクトプラン」を2018年11月1日より提供することを明らかにしています。これまで提供してきたiDeCoはオリジナルプランとして存続し、新たに提供するプランと合わせて、ニーズに応じて2つのプランから選べるようになります。
2018年5月の制度改定により削減運用商品の穴埋めとしてセレクトプランを設定
SBI証券が、iDeCoに新プランとして「セレクトプラン」を2018年11月1日より提供を開始しますが、これまで同社はiDeCoで取り扱っている商品として63本の運用商品を取り揃えていましたが、2018年5月の制度改定により最大35本の運用商品に絞られることになりました。
そのため、SBI証券の確定拠出年金(iDeCo)公式サイトでも記載されている通り、除外される運用商品が公表されています。ただ、運用商品が35本に限定されることで、あらゆるニーズに対応した運用商品を取り揃えることが難しくなり他社との差別化が難しくなるといった問題があります。
そこで、今回の制度改定により除外した運用商品の穴埋め役として、低コストと多様性にこだわって選定した34本の運用商品から選べるセレクトプランをリリースすることで、トータルの運用商品の数を減らすことなく、あらゆるニーズに応えられるサービスを提供していくものと思われます。
iDeCoは2018年10月1日の記事でも記載しましたが、2018年8月時点で加入者が100万人を突破するなど、将来の年金不安などを背景に加入者が増えており、金融機関としても多くの顧客を取り込む必要があることから他社と差別化していくことが必須をなりそうです。
低コストと多様性にこだわって選定した34商品から選べる
今回のセレクトプランでは、低コストと多様性に渡って選定した34本の運用商品から選ぶことができます。指数に連動した運用成果を目指すインデックスファンドが18本に加え、指数を上回る運用成果を目指すアクティブファンドが13本、コモディティとターゲットイヤー、元本保証型の商品をそれぞれ1本取り揃えています。
運用商品についてはSBI証券の確定拠出年金(iDeCo)公式サイトで確認できますが、運用コストである信託報酬が1%以下の運用商品を中心に取り揃えられているのが特徴です。
特筆すべき点は、これまで既存のプランにおいても選定されていなかった、三菱UFJ国際投信が運用する低コストで運用できるインデックスファンド「eMAXIS Slimシリーズ」が追加されています。信託報酬は年率0.11%から0.2%程度で運用できます。
また、SBIアセットマネジメントの全世界の株式に投資できるインデックスファンド「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」が新たに追加されており、年率0.15%の信託報酬のみで低コストに全世界に投資できるのも魅力の一つです。
両プランとも諸費用は同一
既存のオリジナルプランと今回リリースされたセレクトプランにおいては、両プランともに発生する諸経費は同一となっています。SBI証券のiDeCoで発生する諸経費は以下に設定されています。
加入時・移換時手数料:2829円(国民年金基金に支払う加入手数料のみ)
口座管理手数料:毎月171円(国民年金基金(毎月105円)と事務委託金融機関(毎月66円)に支払う手数料のみ)
オリジナルプランからセレクトプランに移換する際は一度現金化が必要
すでにSBI証券のiDeCoに加入しており、これを機会にセレクトプランに移換する場合、これまで運用してきたオリジナルプランの運用商品は一度現金化した上で、セレクトプランに移換することになりますので注意が必要です。
移換には2ヶ月から3ヶ月程度の時間を要することになり、その間の拠出や運用はストップすることになります。
また、移換時に運用商品で元本割れしている商品がある場合、全商品を売却した上で現金化することになりますので、損失が確定してしまうことにも留意しておく必要があります。移管における詳しい手続き内容については以下の公式サイトをご覧ください。
SBI証券のiDeCoについて
https://site0.sbisec.co.jp/marble/dc/
SBI証券は、iDeCoについても2005年より運用を開始するなど長い実績を持っている証券会社です。
加入・移換時の手数料は、国民年金基金に支払う2829円のみに設定されている他、口座管理手数料が無料となっていますので、毎月支払う手数料はたったの171円で運用できる点も魅力の一つです。