株主優待は楽しみな制度である反面、企業が提示した優待制度がこの先も長く続くとは限りらず、何かしらの理由で改悪されることも考えられます。今回は、株主優待で改悪される3つのパターンを紹介します。
株主優待優待制度とは?
株主優待制度とは、以下の記事で詳しい内容を解説していますが、企業が株主に対して日頃の感謝の気持ちを込めて自社製品や自社サービスの割引券を提供する株主還元制度です。
株主優待は、企業が独自に設けることになりますので、すべての上場企業が株主優待を行っているわけではありません。
そのため、株主優待は企業が独自に行なっている制度でありますので、状況によっては制度そのものが改悪される、廃止されるということもありえます。
企業ごとに株主優待情報は各上場企業のIRページで確認できる他、日経会社情報といった企業情報データベース、SBI証券、楽天証券、マネックス証券といったネット証券を使って調べることができます。
優待内容が豪華すぎる同業他社より利回りが高い優待は要注意!
株主優待を確認する上で、確認しておくべきこととしては、株主優待で何が提供されるかです。自社商品、割引券、金券など様々ですが、確認すべきポイントとして、提供される優待が豪華である、もしくは、金額に換算して高額で、同業他社に比べて優待利回りが高くなる場合は注意が必要です。
高額な優待を提供している場合、何かしらのきっかけで優待制度に対する知名度が上がった場合、株主が増えすぎてしまい、企業が優待制度を提供する負担が増してしまい、翌年には改悪されてしまうことも考えられます。
特に、新しく株主優待を導入した直後に、高額な優待を提供する企業については注意が必要です。例えば、同業他社が優待で2,000円の商品券を提供しているのに対し、今年から株主優待を新設して1万円の商品券を提供すると聞いた場合、客観的に考えると「そんなうまい話はあるか?」と疑ってしまいます。
ただし、高額であっても長年に渡って同様の優待を提供し続けている場合は、よほどのことが無い限り改悪の可能性は低いと言えます。
企業業績や財務状況が著しく悪いもしくは悪化している
投資先の企業業績や財務状況についても常にウォッチしておく必要があります。これまで長年優待制度を提供していたが、事業環境が悪化して急に業績が悪化し財務状況が著しく悪化した場合は、株主優待制度そのものが廃止される可能性は高くなります。
企業業績や財務状況が悪化するとまずは、配当金の支払いがなくなることになりますが、株主へ還元する余裕がなくなれば、株主優待制度そのものがなくなるもの不思議ではありません。
ただし、業績や財務状況が良くても株主優待制度そのものを廃止する場合もあります。ただこのケースでは、株主優待制度を廃止した分、配当金で還元することになるケースが一般的です。そのため、これまでの株主優待制度で提供された商品の価値に換算して、今後受領予定の配当金が同様もしくはそれを上回る配当金が支払われるのかをしっかりと確認しておくことが重要です。
企業の業績や財務状況については、日経会社情報の他、SBI証券や楽天証券、マネックス証券といったネット証券を活用して調べることもできます。
東証1部昇格を目的に個人株主を集めるために一時的に優待を導入するケースもあり
このようなケースはまれですが、東証2部やマザーズなど新興市場に上場している企業が、東証1部への昇格を目指して一時的に個人株主を集めるために株主優待制度を導入するケースが存在します。
東証1部へ昇格する条件は様々ですが、その一つとして株主数が2200人以上必要となります。東証1部への昇格を目指すために株主数が2200人に満たない企業は、株主優待で個人株主を釣って、一時的に株主数を水増ししようとする作戦として株主優待を導入して、話題性を高めます。
無事に東証1部に上場した後、しばらくして株主優待を廃止もしくは改悪をするケースも存在します。そのため、東証1部以外の企業が株主優待制度を新設した場合は、必ず株主数をチェックし、IRニュースをチェックして東証1部への昇格をいつ目指しているかなどもしっかり確認した上で投資判断を行うことが重要です。
こうした情報についても、日経会社情報の他、SBI証券や楽天証券、マネックス証券といったネット証券を活用して調べることもできます。