ロボットで自動で投資の運用ができるウェルスナビの口座開設する際に戸惑う部分として口座種別を「一般口座」もしくは「特定口座(源泉徴収あり・なし)」のどれかを選ぶ必要があります。今回は、一般口座と特定口座どちらを選ぶべきか解説していきます。
ウェルスナビで得た収益は課税される
https://www.wealthnavi.com/
はじめに、ウェルスナビではロボットが自動で運用を行ってくれる投資運用サービスですが、投資であるため元本以上に評価額が上昇したときに売却する、もしくは、分配金が得られたときは、得られた運用収益はまるまるご自身の所得になるのではなく、その所得に対して課税されます。つまり、投資で収益が得られたらきちんと税金を払う必要があるわけです。
投資で得た収益の場合は、収益に対して20%の課税されます。さらに、2018年8月時点では復興特別所得税としてプラスして0.315%となっていますので、合計で20.315%を所得税として支払う必要があります。
例えば、100万円で投資を行い1年間に200万円まで上昇し売却した場合、200万円から投資額の100万円を差し引いた、残りの収益部分である100万円に20.315%課税されます。そのため、20万3150円を所得税として支払うことになります。
そのため、手元に残る金額は80万円程度となってしまいます。そんなもの払いたくないと思う方は多いかと思いますが、これは法で決められているので従う以外には方法はありません。
ただし、収益が20万円以下の場合であれば各種控除を考慮すると申告しても所得税が発生しない場合があります。また、税金の支払い方法を適切に選択することで、税金のコントロールが可能になります。その方法として口座開設時に後述している最適な口座種別を選ぶことになります。
ウェルスナビにおける税金の扱いや口座種別についての詳細は公式サイトをご参照ください。
ウェルスナビでも一般口座と特定口座のどちらかを選ぶ
ウェルスナビで資産運用を行う場合、口座種別として通常の証券会社同様に一般口座もしくは特定口座(源泉徴収あり・なし)のどちらかを選ぶ必要があります。
ここで選択する口座種別は、運用者ご自身がどのようにして運用で得た利益や分配金に対する所得税を収めるかによって、選ぶべき口座種別が異なってきます。
一般口座
一般口座は、運用者ご自身で年間の収益を計算して納税を行うための口座です。1月1日から12月31日までの1年間の取引を証券会社の取引履歴を参考にしてご自身で集計を行い、1年間で得た利益や分配に対してご自身で確定申告を行う必要があります。
特定口座(源泉徴収あり)
特定口座とは、取引がある証券会社(今回の場合はウェルスナビ)が、1年間の取引履歴を集計し「年間取引報告書」を発行します。年間取引報告書に記載されている内容に基づいて、証券会社がご自身に代わって納税をしてくれます。つまり、利益や分配金に対して自動的に源泉徴収されることになります。そのため、確定申告の作業は不要になります。
特定口座(源泉徴収なし)
特定口座(源泉徴収なし)は、証券会社が1年間の取引履歴を集計して「年間取引報告書」を発行してくれますが、納税は運用者ご自身で行う必要があります。つまり、利益や分配金が得られた場合は毎年確定申告を行い納付します。そのため、証券会社では源泉徴収は行われません。
一般口座と特定口座の違いについての詳細は以下の記事で解説していますので合わせてご覧ください。
一般口座と特定口座どちらを選ぶべきか
3種類の口座種別から選ぶことができますが、一般口座と特定口座(源泉徴収あり・なし)はどれを選ぶべきなのか考えていきます。
投資額が少ない方は特定口座(源泉徴収なし)で良い
ウェルスナビで運用を始める方の多くは、投資経験がない方が多いかと思いますが、ウェルスナビでは2018年8月時点で初期投資額10万円から始めることができ、殆どが10万円程度の資金で始める方も多いのではないかと考えられます。
ただ、10万円の投資で1年間運用して、売却益と分配金の受領を考慮しても収益が20万円を超える可能性は低いと言えます。そのため、各種控除を考慮すると所得税の支払い義務は免除される可能性が高くなります。
他のウェブサイトやファイナンシャルプランナーのアドバイスで、「特定口座(源泉徴収あり)をおすすめする」との記述を見かけますが、収益が20万円以下の場合、無駄に税金を払ってしまうことになりますので、筆者としては「源泉徴収あり」にするのはおすすめできません。払ってしまった税金は払いすぎたとしても戻ってくることがないと肝に銘じておく必要があります。
しかしながら、投資以外の収益で20万円を超える収入(給与所得は除く)があるといったケースでは、確定申告が必要になりますので、運用収益が20万円以下であっても申告義務が生じます。(投資に対して課税されるかは別)また、個々の状況によって申告義務の有無や課税有無については異なりますので、税理士に相談することをおすすめします。
投資額が多く確定申告をしたくない場合は特別口座(源泉徴収あり)を選ぶ
投資額が多く、ご自身で確定申告をしたくないと考えている場合は、特別口座(源泉徴収あり)をおすすめします。
金額は数百万円から数千万円単位で運用しており、給与所得以外の事業所得など申告義務が生じる所得がない場合に有効です。また、最初は数十万円で始めたが、積み立てや運用益が大きくなり大きな金額になったといった場合も、このタイミングで特定口座(源泉徴収あり)に変更しても良いでしょう。
ウェルスナビの場合、以下の記事でも記載していますが、口座種別を変更する際は、現状としてお問い合わせフォームより口座種別の変更依頼をかける必要があります。また、年の途中では変更の受付ができませんので注意が必要です。
ご自身で運用益を集計して申告したい方は一般口座を選ぶ
ご自身で運用益を集計して、確定申告をすべて行いたいと考えている方は一般口座となります。一般口座は複雑なことを考えることなく、全てご自身でなんでもできるという場合はベストな方法であるといえます。
ただ、年間取引報告書の発行有無の違いだけですので、納税のみをご自身で行いたい方は「特定口座(源泉徴収なし)」でも構いません。
投資額が多くてもご自身で確定申告を行いたい方や、事業所得などで毎年確定申告の義務がある所得がある方はであれば、「一般口座」もしくは「特定口座(源泉徴収なし)」を選択しましょう。
ちなみに筆者は、ウェルスナビではありあませんが、個別株で数千万円単位で運用しており、特定口座(源泉徴収なし)で毎年事業所得をあわせて確定申告を行っています。