累投(るいとう)とは何か?その概要と特徴をわかりやすく解説

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個別株を購入する場合、株価によっては金額が高く購入に踏み切れないとこともあります。この様な場合に便利なのが株式を積み立てて購入する「累投(るいとう)」を使うことです。今回は累投について概要を解説します。

毎月1万円以上1,000円単位で同一株を買い付ける

累投は、株式を毎月積み立てて購入するもので、1万円以上1,000円単位で指定した銘柄を毎月買い続けていきます。

通常、個別株を購入する場合、予め決められた1単元あたりの株式数に合わせた金額を用意する必要があります。日本の株式市場では1単元あたり100株もしくは1000株となっていますが、1株あたり1,000円で1単元が100株である場合は、最低でも10万円の資金が必要になります。

手元に資金がない場合でも、毎月積み立てることで、少しづつ資産形成を行うことができます。

個別株の他、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)も利用可能

累投は、主に個別株を対象に利用されることが多いですが、個別株以外にも上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い付けにも利用することができ、証券取引所で取引されている投資商品であれば累投が利用できます。

ただし、証券会社によって累投で買い付け可能な銘柄が決まっていますので、ご自身が買いたい銘柄の取り扱いがあるかを事前に証券会社に問い合わせておく必要があります。

ETFやREITの場合は、銘柄にもよりますが1口(ETFやREITは株ではなく「口」を使う)や10口単位で購入できる銘柄も多いため、購入するのに多くの金額を必要とするケースは少ないです。

累投を利用して積み立てて株式を購入する場合、1人1口座あたり20銘柄まで選ぶことができます。

そのため、分散したポートフォリオを構築することが可能となり、リスクを分散した投資が可能となります。

累投の手数料については後ほど解説しますが、手数料を考えると、通常の購入方法を利用したほうがコストを抑えられることもあります。



ドルコスト平均法により時間を分散できる

累投は毎月積み立てて株式を購入しますので、時間と相場状況に応じて買い付け数を調整して購入する「ドルコスト平均法」が利用できるメリットがあります。

例えば、株式相場が低迷時には金額を多く買い付け、逆に、株式相場が上昇局面にある場合は買い付け金額を少なくすることで、平均的な損益を調整することが可能です。

また、相場に左右されずに長期的に運用できるメリットもあります。



累投は議決権は無いが配当金は受領可能で再投資される

累投で株式を購入した場合、注意が必要な点としては、株主総会に出席して議決権を行使する権利が無いことです。

累投で購入した株式は、証券会社の株式累投投資口名義となっており、証券会社が取りまとめることになります。そのため、議決権は証券会社に与えられることになり、議決権行使は証券会社が行うことになります。

ただし、配当金の受け取りについては受領可能です。受け取った配当金は再度株式の購入資金として再投資されることになります。

累投で積み立て1単元あたりの株式数まで達した場合は、名義人がご自身に移り、議決権の行使などが可能になります。



取り扱い証券会社が限定的かつ手数料が割高

累投のデメリットとしては、累投を取り扱っている証券会社が限定的で、購入時の手数料が割高であることです。

2018年8月時点で累投を取り扱っている証券会社は以下5社です。

1.SMBC日興証券
2.大和証券
3.野村證券
4.三菱UFJモルガンスタンレー証券
5.岡三証券

手数料については、証券会社にもよりますが、SMBC日興証券と大和証券の場合は、1売買単位の約定代金が100万円以下の銘柄であれば1.242%野村證券は均一1.188%となっています。

さらに、証券会社によっては「株式累積投資口座管理料」を徴収している場合もあります。



ネット証券では単元未満株の利用も可能

累投は手持ちの資金がなくても毎月1万円から積み立ててこつこつと購入できますが、取り扱いの証券会社が少なく手数料が高いというデメリットがあります。

SBI証券マネックス証券では、累投に似たサービスとして、1単元未満の株式を購入できる単元未満株サービスを提供しています。累投と比べると、インターネットでいつでも購入できることに加え、手数料が低いのが特徴です。ご自身で毎月注文することで積立投資も可能となります。

ミニ株(単元未満株)についての詳細は以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧いただければ幸いです。

日本株の場合、1単元あたりの株式数が決められており、投資を始めるのにある程度のまとまった資金が必要ですが、単元未満株(ミニ株)を使うことで、1万...

SBI証券

https://www.sbisec.co.jp/

SBI証券は、単元未満株購入サービスとして「S株」の名称でサービスを展開しています。東証に上場している銘柄であれば1株から購入と売却が可能となっています。更に、少額投資非課税口座(NISA口座)を利用した買い付けも可能です。

取引については、0時~10時30分の注文は当日後場始値10時30分~21時30分の注文は翌日の前場始値21時30分~24時の注文は翌日の後場終値に買い付けもしくは売却が行われます。

手数料は約定代金に対して0.5%を乗算した額で最低手数料は50円です。

SBI証券公式サイト

マネックス証券

マネックス証券は、単元未満株購入サービスとして「ワン株」という名称でサービスを展開しています。東証と名証に上場している銘柄であれば購入と売却が1株単位で可能です。(福証と札証に上場している銘柄は売却のみ可能)

当日分の買い付けについては前場が終了する午前11時30分となっており、それ以降の買い付け注文については翌営業日の注文となります。

取引手数料は約定代金の0.5%で最低手数料は48円となります。

マネックス証券公式サイト

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