JPX日経インデックス400とは何か?指数の概要について徹底解説

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株式市場では市場全体の値動きを客観的に把握するために日経平均株価に代表される各種指数が設定されています。国内で新しい指数として2013年8月に設定された「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」は、経営効率と資本効率が良い400銘柄を組み入れた指数で、株式投資での資産形成を後押しする有力な指数として注目を集めています。

JPX日経インデックス400とは

JPX日経インデックス400(JPX日経400)とは、東京証券取引所の株式取引所を運営している日本取引所グループと、日本経済新聞社が共同で開発した指数です。指数の算出は2014年1月6日より開始されました。

東京証券取引所に上場している銘柄数は3400銘柄以上ありますが、その内、自己資本利益率(ROE)の値が高く経営効率と資本効率が高い企業を400銘柄を組み入れた指数です。

経営が優れており、投資家への還元が積極的に行われている企業を選別することで、国内においても個人マネーを筆頭に貯蓄から投資へ資金を振り向けてもらうべく、資産形成を確実にサポートする目的で設定されました。

日経算出の指数として日経平均株価がありますが、こちらは225銘柄に対して平均値動きを示す指標となっており、経営効率や資本効率とは関係なく組み込まれています。

株式投資を行う方ににとって、日本の株式相場を判断する指数として「日経平均株価」があります。普段のニュースでもよく耳にすることから、株式投資を行っ...

JPX日経インデックス400が設定された背景

JPX日経インデックス400が設定された背景としては、2012年に安倍内閣が発足し経済成長を加速させる戦略を進める中、長年低迷していた株価の底上げと経済の活性化を図る狙いがあります。

日本の企業は、上場企業であっても株主を第一に考える企業が少なく、経営効率や資金効率が悪いことが指摘されていました。稼いだ資金を溜め込み、次への成長に向けた投資が消極的になるなど、企業成長が乏しくなり株価が低迷する要因ともなっていました。

近年では、外国人投資家の進出で日本企業に対しても、経営効率に関する圧力が強まっていることに加え、経済を活性化させるために資金循環を活性化させる上で、上場企業に対して経営効率の向上への意識を振り向けることに加え、これまで貯蓄として貯め込まれていた個人マネーを投資に振り向けることで資金循環をより活性化を行う必要があります。

また、同指数が設定された2014年には、年間120万円の投資で得た利益に対する課税を最長5年間非課税となる少額投資非課税制度(NISA)もスタートしており、個人に対する資産形成が着実にできる環境を提供することも重要となります。

そこで、経営効率や資本効率が良い企業を組み込んだJPX日経インデックス400を設定することで、企業への経営効率意識の向上と、個人が着実に資産形成を行えるための環境づくりであると言えます。


JPX日経インデックス400の銘柄選定基準

JPX日経インデックス400は、東京証券取引所に上場している銘柄の中から、経営効率と資本効率が良い企業を400銘柄組み入れます。対象の市場は東証一部と東証二部、マザーズ、JASDAQとなります。

銘柄の選定基準としては、上場して3年未満の銘柄や財務状況が債務超過である銘柄、3年連続して営業赤字を出している銘柄、最終赤字を出している銘柄ははじめの段階で除外されます。

次に、直近3年間における売買代金と時価総額を踏まえて上位1000銘柄を候補として算出し、その中から、資本効率を示す「自己資本利益率(ROE)」と「営業利益」、「時価総額」の3つを材料に400銘柄に絞り込みます。

その他にも、社外取締役が2人以上確保出来ていることや英文での決算資料開示の有無、国際会計基準(IFRS)採用なども点数として加味されます。

株式投資を行うに当たり、しっかりと稼ぎを得ている企業に投資することが重要ですが、それを判断できる指数として「自己資本利益率(ROE)」があります...

毎年8月最終営業日に銘柄を入れ替え

JPX日経インデックス400は、2013年8月30日を基準として10,000と計算され、2014年1月6日から算出を開始しています。その後、定期的に銘柄の入れ替えが行われており、毎年1回8月の最終営業日に入れ替えが行われます。

銘柄の入れ替え時には8月に入った5営業日に組み入れが行われる銘柄の公表が行われます。これまで入れ替わった銘柄数は2014年には31銘柄、2015年には43銘柄、2016年には34銘柄が入れ替わっています。

JPX日経インデックス400の最新の採用銘柄はSBI証券楽天証券マネックス証券などのネット証券で確認することができます。

JPX日経インデックス400の推移

JPX日経インデックス400推移(筆者作成)

JPX日経インデックス400の推移は、2014年1月に算出を開始して移行、ほぼ右肩上がりで推移しています。2015年7月に起きたチャイナ・ショックにより2016年半ばまで下落局面となりましたが、2016年後半になると株価は回復し、2018年1月の時点で最高値となる16,937.63ポイントを記録しました。

その後は、2018年2月に米国の利上げに関する株式相場への懸念を発端にNYダウが下落し、その後はトランプ大統領による貿易摩擦など世界経済成長の足かせの懸念となる材料が続出していることで、JPX日経インデックス400についても小幅に下落となっています。

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