2017年1月から個人向けの確定拠出年金制度と(iDeCo)がスタートしました。金融機関によって運用できる投資信託は異なっていますが、運用可能な投資信託が多すぎて分かりづらいという方も多いかと思います。
今回は、確定拠出年金(iDeCo)で運用する投資信託を選択するポイントをお伝えします。
投資信託は株式や債券など複数の資産を組み合わせて運用を行う
確定拠出年金(iDeCo)の運用で用いられている投資信託とは、株式や債券といった複数の資産や銘柄を組み合わせて運用する投資商品です。
通常、投資と聞くと株式や債券を売買するというイメージがありますが、通常であれば個別の株式や債券を売買するのに対し、投資信託は、運用者に代わってプロの投資家(運用会社)が、運用する資産や銘柄を選定し、複数組み合わせた上で、投資信託として運用者にサービスを提供します。
そのため、個別株などを運用するノウハウを持ち合わせてない場合や、時間の確保ができず銘柄選定などが難しい方が、投資信託を通じてプロに運用をお任せする投資商品となります。確定拠出年金(iDeCo)では、これまで投資に馴染みがなかった方でも、老後資金を確実に運用できる環境として金融機関が選定した投資信託を用いて運用できる仕組みとなっています。
投資信託についての詳細は以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)サービスを詳しく見る
運用する投資信託の概要を確認するには目論見書を確認する
確定拠出年金(iDeCo)で複数の投資信託のラインナップがある中で、どれを選んでよいのか分かりづらいという方も多いかと思いますが、まずは、金融機関が選定している投資信託がどのような商品であるかを知るためには、「目論見書(もくろみしょ)」と呼ばれる、投資信託の説明書を読むことから始めます。
目論見書には、投資する対象の資産(資産クラス)や運用残高、運用成績、信託報酬などの運用コストなど細かな情報が記載されています。ここに記載されている情報が、今後運用する上でも重要な情報源となりますのでしっかりとチェックした上で運用する投資信託を選ぶことが重要となります。
運用対象の資産クラス確認しリスク許容度を決める
確定拠出年金(iDeCo)での運用前には、あらかじめ資産の増減に対するリスク許容度を明確にした上で、運用したい資産クラスを決めることが重要です。対象の運用資産については目論見書に記載されていますので、気になった商品があればざっくりと確認してみると良いでしょう。
例えば、老後まで時間があり将来的に利回りを大きく確保したいと考えた場合はリスク許容度は高いといえますので、価格変動のリスクが高い「株式」を中心に運用する投資信託が選べます。
一方で、それなりのリターンは得たいが、大きなリスクは取りたくないといったリスク許容度が中程度の場合は、株式と債券にバランスよく運用する投資信託や株式と債券を運用する別々の投資信託を組み合わせた運用が可能です。
老後まであまり時間がなく、元本割れのリスクを極力避けたいといったリスク許容度が低い場合は、債券を中心に運用する投資信託での運用が可能になります。
いずれにしても、ご自身が置かれ得ている現状を客観的に判断した上で、リスク許容度がどのくらいなのかをしっかりと見極めて、運用する資産クラスとその割合を決めることになります。
運用時に必要となるコストを確認する
確定拠出年金(iDeCo)は、投資信託で運用を行いますので、確定拠出年金(iDeCo)における手数料の他に、投資信託での運用時に発生する手数料が別途発生する点に注意が必要です。確定拠出年金(iDeCo)で必要となる手数料については、2018年7月2日の記事で記載していますので合わせてご覧ください。
販売手数料の支払いが無いノーロードファンドを選ぶ
証券会社で直接投資信託を運用する場合に発生する、販売時の諸費用を補填するために徴収する「販売手数料」に関しては、確定拠出年金(iDeCo)においては、販売手数料は徴収しない投資信託が選定されており、投資信託の運用時に別途手数料が発生する心配は不要です。
ただし、確定拠出年金(iDeCo)であっても金融機関が選んだ投資信託すべてが販売手数料が無料である保証はありませんので、事前に販売手数料の有無については目論見書で必ず確認します。
信託報酬は1%以下を目安に選定
ただ、運用時に、投資信託での運用をご自身に代わって運用することとなりますので、信託報酬と呼ばれる運用管理手数料が発生しますので注意が必要です。信託報酬は投資信託によって異なりますので、必ず目論見書を活用して確認します。
リスク許容度に応じてどの投資信託で運用を行うかによっても異なりますが、信託報酬は1%以下を目安に選ぶことをおすすめします。
信託財産留保額の設定が無いことを確認
また、投資信託によっては、中途解約で他の顧客に不利益が発生した場合に、その費用を補填する目的で聴取する信託財産留保額を徴収する投資信託が存在しますので、信託財産留保額の設定が無い投資信託を選定することも重要です。