株式投資において、個別銘柄を選ぶ上で対象企業の情報収集を行い、将来的に業績が拡大し株価が上昇するという根拠となる情報を仕入れる必要があります。
成長余地がある企業を見つけるにはどのように情報収集を行えばよいのでしょうか。今回は、成長企業を見つけるための情報収集のポイントを解説しました。
現在の株価とその状況
個別銘柄を選ぶ上では、はじめに現在の株価がいくらで推移しているのか、また、現在の株価が割安なのか割高なのかを判断し、今が買い時であるか、もう少し様子見をしたほうが良いのかを判断します。
株価は需給関係に応じて毎日変動していますが、株価は常に先々のことを織り込んだ上で推移していますので、注目度が高い銘柄は本来の企業価値より割高に推移していることも珍しくありません。
株価が本来の企業価値と比べて割安なのか割高なのかを判断する指標としては「株価収益率(PER)」と「株価純資産倍率(PBR)」の2つが用いられます。
PERは、現在の株価が1株あたりの利益に対して何倍まで買われているかを示しています。具体的に何倍であれば割高か割安かの基準はありませんが、日経平均全体のPERや業界全体のPERを比較して判断できます。2018年6月時点における日経平均のPERは13倍前後で推移しています。
PBRは、現在の株価が一株あたりの純資産に対して何倍まで買われているかを示しています。基本的に1倍を下回っていれば割安、1倍を上回っていれば割高と判断できます。
PERとPBRは日経会社情報や四季報で確認できる他、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などネット証券を活用することで最新のデータが確認できます。
PERとPBRについての詳細は以下の記事を合わせてご覧ください。
企業の決算情報
現在の株価とその水準を確認した後は、対象の企業の決算情報を確認します。決算情報は株式投資を行う上での重要な情報源となり、企業の成績表とも揶揄されるほど企業の良し悪しを判断する材料となります。
決算情報は、企業のホームページのIRページにアクセスして「有価証券報告書」や「決算短信」が公開されていますので、これらの資料を活用して調べることができます。決算では売上や営業利益、経常利益、純利益の推移、来期の決算予想、財務状況などが記載されています。
決算短信は、四半期ごとに公開され、3ヶ月毎の経営状況が確認できます。また、期末になると1年間を通じた連結決算が公開されます。また、損益計算書や賃借対照表、その他説明も記載されており、対象の企業が置かれている経営状況を確認できます。
決算情報は、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などネット証券を活用することで最新のデータが確認できるほか、進捗率やアナリストのコメントなど細かい情報も合わせてチェックできます。
四半期ごとの決算や経営状況を確認して、純利益が予想を上回るか、下回るかを確認して過去と比較して予想を上回るかを確認するのがポイントであると言えます。
企業や業界のニュース
企業の個別ニュースも投資を判断する重要な情報源となります。例えば、工場を新たに建設する、他社と資本提携を行う、他社と合併する、新たな事業を始めるといった、将来的に業績拡大が見込まれるニュースの他、企業の不祥事など、今後の企業経営にマイナスの影響が懸念されるニュースなどがあります。
企業が将来の業績拡大に向けてどういった投資を行っているのかを把握することで、今後の企業の方向性を掴み投資の判断に活用できます。一方で、不祥事などマイナスのニュースが発表されていた場合は、それによる業績に影響度や企業の対応などを見極める必要があります。場合によっては、投資の見送りや既に株式を保有している場合は、手放すといった決断も必要になります。
また、合わせて、同業他社の動きも合わせて知っておくことで、対象の企業の位置づけの他、同業他社の動向によって将来的に業績にどのように影響するのかを判断することができます。
企業や業界に関する情報収集は、日本経済新聞の企業欄や、関連紙である日経産業新聞を活用すると、個別企業の動向を幅広く知ることができます。さらに、特定の業界について詳しくまとめた専門サイトや専門誌などを活用するも一つの方法です。