株式投資で利益を得たいと考えるのは誰でも思うことですが、現状として、株式投資を始めても、失敗して手を引く人が多いのが現状です。では、なぜ人は投資に失敗するのか、失敗を防ぐにはどうすればよいのかについて考えてみました。
日本人は金融リテラシー低く投資の失敗を犯しやすい
日本人の多くは、これまで預貯金でお金を貯めることが一般的な資産運用として用いられていましたが、銀行預金が低金利な状況で、預貯金だけでは効率的な運用が難しくなってきているのが現状です。
そのため、近年では「貯蓄から投資へ」というキーワードの元、政府としても投資に対する所得税を優遇する少額投資非課税制度(NISA)や、確定拠出年金制度(iDeCo)の加入者拡大など預貯金以外の資産運用手段の拡大に動き出しています。
ただ、日本人はこれまで金融や経済に関する教育が乏しく、現状として金融リテラシーが低いのが現状です。2018年5月6日付の日経ヴェリタスの記事によると、日本における金融知識調査の正答率(16年)は58%としており、ドイツの71%と、英国の63%に比べて先進国の中でも下位に位置しているとしています。
そのため、金融知識が不十分な状況で投資をはじめると失敗につながるリスクが大きくなるものと思われます。
他人が勧めた投資商品に手を出して失敗する
失敗で多いケースとして他人がすすめた投資商品を購入するパターンです。
近年では銀行でも投資信託を扱えるようになったことから、低金利による利息収入が厳しくなる中、投資信託の販売手数料で収益を確保したいとの思いから、手数料が割高な投資信託をすすめるケースが目立っています。手数料が割高であれば、収益を得たとしてもその分手取りが少なくなり効率的な運用が難しくなります。
また、不動産投資や仮想通貨関連の怪しい勧誘が増えているのもあります。特に、将来の年金不安などから若年層がそれらの勧誘に乗ってしまい、逆に大金を失ってしまう事態にもつながっています。2018年5月6日付の日経ヴェリタスの記事によると、国民生活センターに寄せられる20代の投資関連の相談が6年前の3.4倍に増えているとしており、SNSやネット上の中途半端な情報や口コミに誘われ詐欺に合うケースが増えているようです。
投資は人に勧められて行うものではなく、人が目をつけておらず将来性が高く価値が向上するものをいち早く見つけて資金を投じてリターンを得ることです。人が勧めた投資商品はその時点で価値は殆ど無いと言っても良いと考えています。
一気に多額の資金を費やして資産を減らしてしまう
これまでの投資経験がなく、一気に多額の資金を投じて資産を減らしてしまう失敗例も多いです。
特に、定年退職後に多額の退職金を株式投資に投じたことで、株価が一気にさがり評価額が減ってしまうというケースです。近年記憶に新しいのは、東京電力の株を退職金で買ったは良いが、その後、東日本大震災で原子力発電所の事故が発生し、株価が暴落してしまい退職金の大半を失ってしまったという方がいらっしゃいます。
また、現在流行りの仮想通貨でも同様のケースが見られます。仮想通貨は株式投資に比べ若年層の失敗が多いですが、少ない貯金を全て仮想通貨に投じてしまったことで、為替レートが2017年12月をピークに大幅な下落に転じたことで、貯金の大半を失った方もいるようです。
投資で多額のリターンを得るには、集中的に多額の資金を投じることがポイントとなりますので、筆者はこの方法はむしろ歓迎すべき方法であると考えていますが、これは投資経験が豊富な方に通用する方法です。投資の経験がない方は失っても良いお金を用いて少額から始めることです。株価の値動きなどがどういった要因で動くのかなど投資に関するトータルの情報をまず理解することから始めるべきであると考えます。
投資の正しい知識があれば失敗を減らせる
投資は怖いと言われるもの、投資で失敗した方の話を行くことで一般的にそのようなイメージが定着してしまう要因であると考えていますが、2018年1月4日の記事でも記載している通り、投資は怖くリスクが高いものではなく、むしろ投資を行った人がリスクであると考えています。投資は正しい知識があれば失敗は減らすことはでき、むしろ大きなリターンが得られるものであると考えています。
これは投資だけではなく、日常生活上でも似たようなことは言えます。例えば、自動車の運転は、遠距離に早く行くことができる反面、命を落とす危険性があるものでもあります。ただ、自動車の運転はドライビングスクールで運転のノウハウや交通安全に関するリスクマネジメント手法を取得することで、リスク低減は可能です。
筆者はこれまで10年間に渡り株式投資を行っていますが、これまで大きな失敗をしたことはありません。大半は出資した金額以上のリターンが得られています。
投資においては、正しい知識を身につけるには、まずはご自身が投資したい対象の企業や商品に関する情報を収集し、それを分析する力が必要となるのです。