株式投資を行うに当たり、証券会社を通じて売買注文を出す必要があります。売買時の注文方法は主に3通りの注文方法が存在し、状況に応じて使い分けることができます。今回は、株を購入する上で知っておきたい、3つの注文方法を紹介します。
成行注文
成行(なりゆき)注文は、買いと売りの値段を指定せずに、その場で成立した値段で取引を行う注文方法です。注文を行った後は、その場で成立した値段で購入もしくは売却となりますので、今すぐにでも買いたい、もしくは、売りたいといった場合に便利な注文方法です。
株の取引は、証券取引所を通じて、買いと売りの値段が一致した場合のみ取引が成立するオークション方式を採用しており、「価格優先の原則」と「時間優先の原則」の2つの原則に基づいて取引が行われています。成行注文では、この2つの原則に当てはめた場合、価格と時間的に最も有利な注文方法になります。
一方で、流動性が少ない株の場合、成行注文で注文を行った場合、予想以上に高い値段で購入することになる、もしくは、安い値段で売却することになると言ったことも考えられますので注意が必要です。
指値注文
指値(さしね)注文は、買いもしくは売りの値段を指定した注文方法です。例えば、もう少し株価が安くなってから買いたい、もしくは、もう少し株価が高くなってから売りたいといった場合に便利です。
指値注文は、成行注文で説明した「価格優先の原則」と「時間優先の原則」の2つの原則に当てはめると不利な注文方法で、指定した価格で誰かが売却もしくは購入を行わなければ注文は成立しません。そのため、注文が成立するまで時間を要してしまうことも考えられます。
ただし、指値注文の場合は、買いの注文の場合は買い上限値まで、売り注文の場合は売り下限値までの値段を指定しますので、成行注文のように予想以上に高い値段で注文が成立した、もしくは、安い値段で注文が成立してしまうことはありません。
指値注文を行う場合は、ネット証券であれば「板」が掲載されており、直近の株価ごとに買い注文の発注数と売り注文の発注数が記載されています。そのため、株を購入する前にどの株価で売り注文が発注されているのかを確認し、売り注文が多い株価を指定して指値発注を行うと良いでしょう。
逆指値注文
逆指値(ぎゃくさしね)注文は、株価が指定した値段以上もしくはそれ以下になった場合に発注を行う注文方法です。現在の株価から100円以上上昇した場合に購入したい、もしくは、現在の株価に対して100円以下になったら売りたいという場合に便利です。
例えば、1株1000円の株を100株保有していた株が2000円まで上昇したが、下落傾向になることを予想して1900円で利益確定売りを行いたい場合、株価が2000円の時点で逆指値注文として1900円を指定して発注が行えます。
損失の拡大を最小限するためにも用いられます。先ほどの1株1000円の株を100株保有していた場合、上昇を期待していが、期待に反して下落傾向になった場合、損失の拡大を防ぐため1株800円で逆指値注文を行うことで損失を最小限に抑えることができます。
逆指値注文も、指値注文同様に指定した値段になった時に取引所に発注を行い、指定した値段で誰かが売却もしくは購入を行わなければ取引は成立しません。また、上場している株式の銘柄が東京証券取引所以外の札幌証券取引所や名古屋証券取引所、福岡証券取引所に上場している場合、逆指値注文が行えませんので注意が必要です。