株式の売買を仲介する場所として証券取引所があります。我が国日本においては東京証券取引所がその大半の役割を占めていますが、東京証券取引所の中にも複数の市場が設けられており、東証1部、東証2部、ジャスダックの他、「マザーズ」という市場が設定されています。
2018年3月22日の記事で証券取引所の概要を説明していますが、今回は「東証マザーズ」を取り上げて、株式市場の概要について紹介します。
東証マザーズとは?
東証マザーズとは、東京証券取引所に上場している銘柄のうち、成長性が高い新興企業を対象とした株式市場です。新興企業が株式市場を通じて資金調達を容易にすることで事業の拡大を後押しして、日本の経済の活性化につなげる目的で、1999年11月に開設されてました。
東証マザーズは、Market of the high-growth and emerging stocksのそれぞれの頭文字をとって「Mothers」としています。
また、今後の成長が期待できる新興企業を母親のように育てて大きくしていくというイメージにも合致していることから、「マザーズ」とも言われています。
上場期間は10年でその間に東証1部へ昇格を目指す
東証マザーズに上場する銘柄は、将来的に東証一部への昇格を目標としています。東証マザーズに上場できる期間は10年間と定められており、その間に収益を確保し事業規模を大きくすることで、東証1部に昇格する必要があります。
東証1部に昇格するためには、東京証券取引所が定めた上場基準を満たす必要がありますので、東証マザーズに上場している間に、事業を成長させることでその準備をしておく必要があります。
ただ、10年を経過後、東証1部への上場基準が満たせなかった場合は、5年延長して東証マザーズに上場を継続するか、中堅企業向けの東証2部に変更するかを選びます。
東証マザーズは上場基準が緩い
企業が株式を上場させる際は、証券取引所が定めた一定の上場基準を満たしている必要がありますが、東証マザーズは、上場審査が緩く、また、審査期間も1カ月程度と短くなっています。そのため、先行投資などにより収益が赤字でも上場することが可能となっています。
その反面、事業活動を通じて、しっかりと成長が見込まれるかを厳しく問われており、東証1部や2部と比べて、経営の透明性と情報開示が要求されています。
東証マザーズは2018年4月時点で249社
東証マザーズに上場している企業数は、日本取引所グループのホームページで調べてみたところ、2018年4月11日時点において249社が上場しています。
近年では、インターネットの発達に伴って、ネット関連やバイオ関連、ロボット関連、ゲーム関連の企業が上場が目立っています。例えば、クラウド上で家計簿アプリや会計アプリを提供している「マネーフォワード」が2017年9月に上場しました。